〜森林減少ゼロに向けたサプライチェーンの未来〜日・インドネシア森林保全シンポジウム2026報告2全体報告(2026/10/4)

7月22日23日の2日間、都内で開催された、日・インドネシア森林保全シンポジウム2026〜森林減少ゼロに向けたサプライチェーンの未来〜というイベントの報告を、一度しましたが・・・第三セッションバイオマスだけだったので、他のセッションもふくめた、全体の報告はおってご報告します。 としていました

その後、ネット上に詳しい報告ページが掲載されています。

7/22(水)・23(木)開催 〜森林減少ゼロに向けたサプライチェーンの未来〜日本・インドネシア森林保全シンポジウム

これらの資料に基づいて、全体報告をします。

プログラム概要は次表の通りです

9月22日午前:基調講演・イントロ
  22日午前: セッション1ー紙パルプ
  22日午後:セッション2ーパーム油
  22日午前:セッション3−バイオマス
  23日午後:セッション4ー保全

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((基調講演:森林を守る人々が報われる経済システムの構築とは))

講演者:サウルリン・P・シアギ(アンインドネシア国家人権委員会委員)

(自己紹介.インドネシア国家人権委員会とは)

インドネシア国家人権委員会(KOMNAS HAM)は、政府から独立した国家人権機関で、1993年に設立され、1999年の人権法によってその体制が強化されました

人権の啓発、保護、監視、調査、調停およびその実施の推進を任務とする主にインドネシアの市民社会組織と協力しています。

過去に、以下のような仕事をしてきました

1.森林地帯における先住民族の土地の権利に関する全国調査(2016年)
2.先住民族に関する独自の基準および規範の策定
3.その他の取り組み:先住民族支援に関するモニタリングや調査、このほか刑事訴追や裁判手続き等に関し先住民族を支援するための様々な助言を行っている(法廷助言者としての活動を含む)。
4.人権影響評価(3年ごとの報告書):各省庁、地方政府、および企業部門

(インドネシアの森林の現状とガバナンスに関する課題)

インドネシアには約9,600 万ha(国上面積の約半分)という広大な森林が存在し、全国の村の約30%が森林区域と重なる場所に{立置する。また、3,300 万ha の先住民族の領域(森林や土地)が存在し、2026 年時点、未解決の構造的な土地紛争*が3,000 件以上も存在する。これらの上地の権利を認めないことは、森林を守ろうとする人々が犯罪者扱いされる恐れを意味する。

森林保全に向けた行動計画や規制、実際の取り組みは存在する。政府は土地利用・転換に関連する炭素排出量の削減を約束している。林業省によれば、2025 年までに162 ヵ所、計35 万4,608ha の先住民族の慣習林が政府によって正式に認定された。また、政府は現在までに1万1,000 件を超える杜会林業の法令を通じて、830 万ha以上の森林管理権を地域住民に付与し、全国約140 万憔帯が恩恵を受けている。これは世界最大規模のコミュニティ主体による森林保有権改革プログラムの一つである。

なぜ、依然として根本解決に結び付いていないのか。原因は「経済的インセンティブの失敗」だ。市場は木材やパーム油等のコモ(商品)には簡単に価格をつけるが、きれいな空気、生物多様性、流域保全、気候の安定、そして先住民族の文化遺産といった森の価値を正しく評価できていない。

(提言:「健全な経済関係の構築:森林保護を選んだ人々が報われる経済システムの構築」)

森林を破壊するのではなく、保全することや森林を守る人々に報いる経済システムを築く必要がある。そのためには、以下の変革が必要だ。

1) 「採取型の成長」から「再生型の成長」へ:資源を採取した量だけではなく、自然を回復させた度合いによっても評価されるべき
2) 「森林の転換」から「森林の価値評価Jへ:生きた森が持つ炭素、生物多様性、水、文化的な価値を、金融や政策の意思決定の中で可視化すべき
3) 「断片的なガバナンス」から「統合的なガバナンス」へ:林業、農業、鉱業、貿易、投資、人権政策は互いに矛盾するのではなく、相互に補完し合うべき
4) 「自主的なコミットメント」から「説明責任のある実施」へ:持続可能性の誓約以上に、測定可能な実施、独立したモニタリング、透明性、実効的な救済措置が重要
5) 「取引型」から「変革型」のパートナーシップへ

私たちが守る一つ一つの森林は、自然にとってのみならず、人間の檸厳、正義、そして未来の世代の権利にとっての勝利でもある。

以上が基調講演の内容でーす。

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(基調講演の提言への勉強部屋のコメント)

5つの提案は素晴らしい提案であり、日本の状況に応じて、どのようしていくべきかという、コメントをおこなうことが、勉強部屋で出来ることだと思います、コメントをします

1) 「採取型の成長」から「再生型の成長」へ:「資源を採取した量だけではなく、自然を回復させた度合いによっても評価されるべき」という提案です

森林ビジネス森林から木材を効率的に取り出しそれを市場に提供し収入を得て成長するという採取型林業だけでなく、森林を保存再生するという行為からビジネスを動かす「森業」ですね。

最近日本でも林野庁は、森業ポータルというサイトを作成し・・・文化的サービスを始めとする森林の多様な生態系サービスの提供・活用により、人と森林の関係を深めるとともに、林業と相まって森林所有者に利益を生み出し、豊かな森林づくりにつなげる取組「森業」を国内森林ビジネスを呼びかけてますが。森業はグローバルな重要な視点ですね。

2) 「森林の転換」から「森林の価値評価Jへ:生きた森が持つ炭素、生物多様性、水、文化的な価値を、金融や政策の意思決定の中で可視化すべき

森林を転換して農地にしたり、パーム油の生産地にするのなく、森林の、持つ価値を見える化して森林の価値を高めようという動きですね。

これも日本の森林にとっても重要な課題です。Jクレジットと、非炭素プレミアム価値ですね

3) 「断片的なガバナンス」から「統合的なガバナンス」へ:林業、農業、鉱業、貿易、投資、人権政策は互いに矛盾するのではなく、相互に補完し合うべき

4) 「自主的なコミットメント」から「説明責任のある実施」へ:持続可能性の誓約以上に、測定可能な実施、独立したモニタリング、透明性、実効的な救済措置が重要

5) 「取引型」から「変革型」のパートナーシップへ

「サプライチェーンの未來」へという重要なサブテーマなので一言

CW法の目的規程は、我が国又は外国における違法な森林の伐採及び違法伐採に係る木材の流通が地球温暖化の防止、自然環境の保全、林産物の供給等の森林の有する多面にわたる機能に影響を及ぼすおそれがあり、また、木材市場における公正な取引を害するおそれがあるものであることに鑑み」・・・

是非CW法のシステムがしっかり追いかけて行けるようにしたいですね。

((各セクションについて))

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(セッション1:「紙パルプ」)

報告リスト

インドネシアにおける紙パルプ産業とFSC補償枠組み ココック・ユリアント氏(WWFインドネシア コモディティ市場変革マネージャー)
ンドネシアにおける土地権利紛争:なぜFSC補償プロセスにおいて重要なのか アイディル・フィトリ氏(HaKI:Hutan Kita Institute 事務局長)
日本で売られるインドネシア産紙製品?環境破壊と土地収奪からはじまるサプライチェーン? 原田 公氏(熱帯林行動ネットワーク 代表理事)
味の素グループの持続可能な紙の調達の取り組み 太田 史生氏(味の素 サステナビリティ推進部 自然資本グループ シニアマネージャー)
コメント:インドネシアの紙パルプ産業による森林破壊の実態 バンバン・ヘロ・サハルジョ氏(ボゴール農科大学 教授)

【今後、求められる変革】
? 植林地への転換は「森林再生」ではないことを認識する

日本では「植林」は、一般的に環境に良い行為として受け止められやすい。しかし、熱帯地域において森 林は多様な樹木や動植物が生息する複雑な生態系であるため、ユーカリやアカシアなどの大規模な植 林地に転換する場合、「植林したから森林が増えた」と単純に評価することはできない。
? 森林破壊に関与する企業の所有構造を把握する
インドネシアの森林破壊をめぐる問題において、企業の所有関係や企業グループの構造が不透明であ るという問題が指摘された。このような構造により、企業が問題のある事業を、別会社やサプライヤーの 形で切り離し、自らの責任から距離を置くことが可能となる。日本の企業や消費者にとっても、サプライ ヤーの名称だけでなくその背後にある企業グループの構造や、関連会社の森林破壊への関与を把握で きなければ、実際の森林破壊リスクを見逃す可能性がある。
? 透明性を確保する
企業はサプライチェーンにおいて重要な役割を担っているが、現場でのモニタリング能力は限られてい る。企業や資金提供をする金融機関などは、NGOなど第三者が現場の情報を提供できるよう、サプライ チェーンを開示すべきである。また、苦情に対応するための苦情処理メカニズムを導入し、明確な定義 や除外事項について透明性を持って提示すべきである。

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(セッション2:「パーム油」)

報告リスト

森林減少リスクへの関与:インドネシア産パーム油のサプライチェーン アデリナ・チャンドラ氏(Trase 研究員)
ランドスケープアプローチを通じた「持続可能な地域」の再構築 リスティカ・プトゥリ氏(LTKL:持続可能な県のための円卓会議 事務局長)
パーム油の調達と環境社会配慮に関するアンケート調査について 中司 喬之氏(熱帯林行動ネットワーク 運営委員)
花王パームサステナビリティ活動のご紹介 佐藤 浩司氏(花王 購買部門 原料戦略ソーシング部 コモディティケミカル部長)
投資家の立場で森林破壊を止めるには 松原 稔氏(りそなアセットマネジメント チーフ・サステナビリティ・オフィサー 常務執行役員)
【今後、求められる変革】
? 認証制度のリスクを把握する

認証制度には複数のサプライチェーンモデルがあり、認証を受けていない農園で生産された環境社会リ スクのある油がサプライチェーンに混在する可能性がある。そのため、認証制度を活用しながらも、企業 グループ全体の評価、NDPE方針、サプライチェーンの透明性、独立したモニタリングなどを組み合わせ ることが必要である。
? コミットメントから実効性のある取り組みへ
パーム油の分野ではNDPE方針の採用や認証制度の導入などの動きが広がっているが、これらは重要 な出発点ではあるものの、それだけでは現場の変化にはつながらない。方針の対象範囲、サプライチェ ーン全体への適用、進捗の公開、継続的なモニタリング、問題発生時の是正措置など、コミットメントを実 行に移す仕組みが必要である。
? ランドスケープアプローチの活用
サプライチェーンを追跡するだけでなく、サプライチェーンが存在する地域そのものを持続可能にするこ とがその先に求められる。サプライチェーンの透明性を高めるとともに、実際の生産地域において、企 業、政府、NGO、地域社会、小規模農家などが共通の目標を持ち、協働していくことが不可欠である。  

(セッション3:「バイオマス」)

こちらで報告しています

(セッション4:保全」)

報告リスト

オランウータン生息地保全、人間と野生動物の軋轢緩和、および持続可能なランドスケープ管理のための統合戦略 パウリヌス・クリスティアント氏(Conservation Action Network(CAN)代表)
不二製油グループのランドスケープアプローチ Wong Kok Seng氏(不二製油グループ)
インドネシア・アチェ州におけるルーセル・エコシステムの経済開発と保全のモデル ルディ・プトラ氏(Forum Konservasi Leuser 創設者・戦略アドバイザー)
「真の保全に向けて:地域住民との協働と、地域資源の活用」 石崎 雄一郎氏(ウータン・森と生活を考える会 事務局長)
コメント:インドネシアにおける生物多様性と保全の展望 ジャトナ・スプリアトナ氏(インドネシア大学 保全生物学教授)
【今後、求められる変革】
? 真のデューデリジェンスとランドスケープアプローチの必要性

企業には、認証や書類上の確認だけでなく、生産現場に足を運び、地域住民や現地NGOの声を聞くことが 求められる。また、自社のサプライチェーンだけでなく、地域全体の環境や社会の課題を捉え、政府、NGO、 地域社会などと協働して解決していくことが重要である。
? 保護区外の保全(OECM)の社会実装
生物多様性を守るには、政府が指定する保護区だけでは十分ではない。OECMや生態学的回廊などを設 定・活用し、企業、NGO、地域社会などが協力して、保護区外の重要な自然を守る仕組みを広げていく必要 がある。
? 日本政府と消費者の責任の自覚
日本での消費や企業活動は、インドネシアの森林や地域社会とつながっている。日本政府には森林保全に 向けた国際的な役割の強化や市場のルールづくりが、また、企業や消費者には、製品の生産地で起きている ことを知り、調達や購買に反映することが求められる。
? 地域住民を主体とした、保全と生計の両立
森林を持続的に守るには、地域住民を単なる支援の対象ではなく、保全の担い手として位置づけることが重 要である。地域の自然を守ることが、安定した生計や地域への誇りにもつながる仕組みをつくり、企業、政 府、NGOがそれを長期的に支えていくことが求められる。  

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イベントのプログラム紹介は以上の通りです。

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((勉強部屋が勉強したこと))

インドネシアのNGOの方々の自国の森林管理の難しさが、現場のエビデンスに基づいて紹介され、その根拠の一つとなっている、木材産業ビジネスの林産物生産過程の、森林への環境負荷が、今回のイベントの焦点でした。

その課題に対応するために、インドネシア国内でも管理体制を強化るための体制が進行していますが、難しい。

紙パルプなどはFSCなどの国際的な認証システムと連携を取ろうとしていますが、所有構造が難しくトラブルが続いています。

インドネシアの生産物の主要な輸入国である日本の調達企業と消費者は、森林認証システムなどを利用しながら、トレーサビリティを更に強化するために、現地のの企業やNPOと連携して、現地の状況を把握し、調達な購入方針に反映してほしい、という提案でした。

頑張りましょう

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