FAO地球森林資源調査GFA2010の概要版(2010/5/30)

日本も含めて各国のローカルな課題と意識されてきた森林の保全や林業の問題を、地球環境問題として提起したのは、FAO(国連食糧農業機関)が1980年代から積み上げてきた世界規模の森林資源調査ですが、その最新版の概要(Key finding)が3月、公表されました。

FAOのプレスリリース
Global Forest Resources Assessment 2010のページ

1990年代に毎年16百万ヘクタール減少していた森林は、2000年からの10年間で毎年13百万へタールの減少スピードになっているとされています。

他方で中国、インド、米国、ベトナムなど人工林がすすみ、毎年7百万ヘクタールの森林が付け加えられ、2000年からの10年間で差し引き森林面積は5.2百万ヘクタールの減少だそうです。

今までの調査結果で初めて地球規模の森林減少の速さが減速したことになったようです。ただし、地域別にみると、アジア地域が増加に転じたのに、アフリカ、南米地域は依然として減少がつついています。

今回の調査では、その他に、森林林地の炭素蓄積が大気中の炭素量を上回っているなどの森林の現状に関わるデータの他に、多くの国で森林法の改正が行われたことなどガバナンスの改善度合いなどの情報も収集されています。

木材の利用に関する情報が、この調査のフレームワークの中に組みこられるのかどうか、ひとつのポイントかもしれません。

この調査の最終結果は10月に公表されるそうです。

chikyu4-13<GFA2010>

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