違法伐採問題や森林行動計画など国際的な森林問題の管理の強化とい点について主導権を発揮してきました(勉強部屋関連ページ)主要国G8サミットが、6月17・18日北アイルランドで開催されたました。
外務省関連ページ,
サミット公式ページ(英文)
わが国ではアベノミクスの評価などの話題が紙面に踊りましたが、経済のグローバル化のひずみに関する規制の強化についての新たな議論が進んだのが特徴です。
その一つが課税の強化に関するもので、会議を総括する首脳コミュニケではタックスヘイブン・租税、法人規制、資金洗浄対策などに大きなパラグラフを割いています。また、天然資源の採取、土地の取得などについての大きな記述を割いています。
直接森林についての記述はないのですが、森林に密接に関連する分野の規制の強化についての議論は森林の管理についての国際的な議論をしていく場合の示唆を与えてくれます。
- 35.しかしながら,天然資源が豊富な一部の国における,採取部門の管理の透明性及び説明責任に関する強力な体制の欠如により,あまりにも頻繁に国家における優先度の高いニーズ以外に収入が流用されることが許容されてきた。採取部門の透明性に関する世界基準を引き上げ,資源を有効に管理するための各国の能力を向上させることは,説明責任を改善し,腐敗や他の不法行為の余地を減らし,市民が天然資源の採取から完全に利益を得ることを確保する。
- 36.G8は,相当規模な国内採取産業を有する国と大規模な多国籍採取企業の母国の双方のため,採取産業の透明性に関する世界基準を引き上げ,報告に関する世界共通の基準に向けて前進するために行動する。このような共通基準の下で,企業は採取産業に関する支出を報告することを求められ,政府は,情報開示の遵守を確保するための行動をとり,また,採取産業透明性イニシアティブ(EITI)基準に向けて取り組むことを望む政府は,自発的に収入を報告する。これは,ビジネス上の報告の負荷を低減させ,腐敗との闘いを支援し,途上国におけるものも含め,より効果的かつ効率的な投資を促進する。
- 37.39カ国がEITIに参加している。EITIは,これらの国の天然資源について企業が行う支払や政府が得る収入に係る透明性と説明責任を向上させる。我々は,5月に採択された新しいEITI規則を歓迎する。さこの規則は,EITI加盟国によって作成されるデータの範囲及びアクセス可能性を増加させ,参加国が高い基準に沿うよう確保することを目的とする。我々は,他の国もEITIに参加することを奨励する。
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- 43.ぜい弱な土地のガバナンスと所有権制度は,不透明な土地取引をもたらしうるものであり,腐敗を助長し,生産的な投資のために土地へのアクセスを求める責任ある主体を苦境に立たせる。多くの途上国における脆弱なガバナンスは,非生産的な土地投機を許容し,農業生産性を低下させる。土地の権利の保護と土地のガバナンスの透明性を向上させることは,市民参加を育成し,政府の説明責任に貢献し,ビジネス上のコストを低下させ,責任ある投資のための環境を強化する。我々は,情報へのアクセスや意思決定への市民の参加を通じたものを含め,土地所有のガバナンスを改善するための世界的な活動を歓迎する。我々は,土地の透明性の更なる促進のための多国間の努力,特に,土地の良きガバナンス及び透明性のための世界的な政策指針を提供する上で国連食糧農業機関(FAO)の役割の重要性を認識する。我々は,土地部門における良きガバナンスは農村開発,食料安全保障及び持続可能な官民の農業投資において中心的役割を果たすことを強調しつつ,責任ある農業投資(RAI)の原則に関する協議の立上げを歓迎する。
- 44.我々は,早期段階のものも含む土地取引のより大きな透明性及び途上国における土地の良きガバナンス制度の発展のための能力の向上を支持する。昨年,G8は世界食料安全保障委員会による「国家食料安全保障の文脈における、土地所有、漁業、森林等の責任ある管理のための任意ガイドライン(VGGT)」を歓迎した。これらを実施し,AUの土地政策イニシアティブのような地域的なプロセスを支援するため,本年,我々は,ビジネス,特に農業従事者及び市民社会と共に,当事国における現行の土地のガバナンスプログラムへの支持を加速化し,目標とするため,特定の途上国及び関連する国際機関とのパートナーシップを構築しつつある。
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chikyu2-6<G8_2013_>
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