Ecological Economics 50(1-2)‘Forest sustainability and the free trade
of forest products: cases from Southeast Asia ’pp.23-34に寄せられた有益な情報
我々の上記論文のサマリーが2005年1月にCIFORのPOLEXに配信され、200件余りの反響がありました。その中に有益な情報をいただいた方がいらっしゃいましたので、多くの方と共有できれば幸いと思いまして、以下のようにまとめてみました。
1.何よりも心強かったのは、世界の森林に関する情報の収集・分析にかけては世界一の権威であるフィンランドの研究者のメールに、次のような情報が添えられていたことです。
「我々も熱帯林全体の問題を研究しており、65カ国の熱帯林諸国についての我々のモデルから発見されたことは、フィリピン、タイ、インドネシアからあなたがたが発見されたことを支持している。」
2.アメリカのアナリストからは、インドネシアの林産物関税引き下げがインドネシアの天然林破壊を加速することになった、ということから、森林破壊の制御のための貿易政策として関税政策を考慮すべきではないか、という自らの論文を送ってくださいました。(→原著Joshua Brann, Trade policy in Indonesia: Implications for Deforestation, Journal of International Affairs, Spring 2002, The Bologna Center, のpdfファイルをご希望の方は島本さんに)
3.チリとニカラグアの研究者からは、論文で取り上げられている国々と自国では似たような問題が起こっている、との指摘がありました。
4.メキシコの研究者からは、自国では自由貿易の問題を抱えている、というコメントが、エクアドルの方からは、アンデスの国々はアメリカとの自由貿易協定を結ぼうとしているのでこの問題は興味深い、という情報がありました。
5.モザンビークの方からは、現在経済そして林業に関して自由化の波に直面している、との情報がありました。
6.バヌアツについて詳しいカナダの研究者からは、バヌアツ政府は地元民やNGOの声に対応して丸太の輸出禁止を発動したが、経済開発を推進するためには禁輸を解除すべきであると、主な援助国からの強い圧力に直面しているとの情報がありました。
7.ベトナムの研究者からは、ベトナムでは天然林の枯渇について非常に似た状況にある、という情報がありました。
8.文献の紹介もありました。オランダの方から、Joel Baken著のThe Corporation(NY:Feee
Press,2004)という本と似たような問題を扱っているとのコメントがありました。この本は企業の利潤追求の病理について書かれた本で、自由貿易批判という点で共通する点があるとの見方だと思います。
9.最後に拙稿は、EUによるWTO交渉による貿易自由化による持続可能性アセスの森林分野の最終レポートに引用されました。
http://www.sia-trade.org/wto/ForestDraftFinalReport_v1_2_270205.pdf
これらの情報が私の手の中で埋もれることなく、更なる調査研究に結びついていけば幸いです。
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