「林産物貿易の関税自由化促進の経済と環境に与える影響」米国農務省の報告書

今年の八月から米国のフォレストサービスのサイトから表記の報告書(EconomicandEnvironmental Effects of Accelerated Tariff Liberalization in the Forest Products Sector)がダウンロードできるようになっています。

著者はフォレストサービスのPasicic Northwest Research Station のDavidJ.Brooks他ですが、USTRの1999年の報告書をベースに書かれており同一の作業グループのもののようです。米国政府の林産物関税についての執念のようなものを感じます。

米国がAPECの中で追求してきた林産物関税の別枠による撤廃(Accelerated Tariff Liberalization)という提案が、環境に及ぼす影響をシミュレートしようというものです。「米国国内には環境問題を引き起こさない、全体としても対して大きな影響は引き起こさない。

貿易内容は加工度の高いのものにシフトする」という結論です。

結論だけ見ると米国の環境団体をにらんだ都合の良い際物的なものと取られるかもしれませんがそうではありません。

林産物貿易と環境についての文献レビューなども入った力作です。今後、新たなラウンドが始まるとしたら必ず議論の対象となる文献だと思います。

環境に及ぼす影響は収穫量をパラメーターとして表すという形になっている点が基本的な問題です。

また、環境管理水準の低いマレーシアやインドネシアなどでの開発圧力が推測される結果ともなっています。

 

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