昨年11月のWTO閣僚会議で新たなラウンドが始まることとなり、林野庁では11月の交渉提案に向けて8月上旬を締め切りに意見募集をしています。
小生は前回のウルグアイラウンド、その前の東京ラウンドと二回にわたってガットの交渉にたまたま携わりましたが、二回とも「林産物は農産物交渉の中で交渉するのだ」と主張し、農産物の強固な貿易障壁の後ろにそっと付いて回るという「戦略(?)」をとってきました。
日本の林産物貿易問題はガットや米国から色々言われそれに受け身に対応するばかり、一度ぐらい積極的に打って出たらどんなに楽しいだろうと夢にまでみたものです。
以下のように林野庁は論点に関するメモを公表し、以下の5点の論点を提示していますがこれにかかわらず意見を求めています。
1 林産物交渉において、地球規模の環境問題や有限天然資源の持続的利用の観点に配慮することの是非について
2 林業・木材産業に対する支援の是非や措置のあり方
3 自然環境や有限天然資源の保全を目的として採られる非関税措置の是非やあり方など
4 輸出国と輸入国の権利義務のバランスを回復させるための方法
5 違法伐採問題について、WTOにおいて貿易面からの議論を行うことの是非
WTOが一見強固なバックグラウンドにたっているように見えながら実は、地球環境問題など新たな事態に一向に対処できない発展途上のシステムだと思います。
林業関係者がどんどん意見を寄せられることを期待します。
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