「合法性証明木材の今後」2009年合法証明木材等推進シンポジウムから(2009/12/14) | ||
12月10日エコプロ展初日に、新木場駅前に新築された木材会館(東京木材問屋協同組合)で「「2009年合法証明木材等推進シンポジウム違法伐採問題に対するGohowoodの取組み」が開催されました。 4年前に始まった違法伐採対策に対する日本のユニークな取り組みである、合法性が証明された木材の供給体制(海外でもGohowoodの取り組みとして知られています )の現時点での集大成のシンポジウムです。 小生自身が運営に関与し、準備過程などで気のついたことを含めて内容の紹介をします。自分も入ってやったことなので、手前みそになる面があると思いますが、全木連の合法木材ナビというサイトに詳しい報告が掲載されていますので関心のある方はご覧下さい。(2009年合法証明木材等推進シンポジウム開催結果) (基調講演) 基調講演は初代の熱帯木材機関事務局長である、フリーザイラー博士にお願いしました。事務局長を退任された後、母国マレーシアに帰ってマレーシアの森林認証機関MTCC(Malaysian Timber Certification Council)の議長をされています。博士は現在、マレーシアと欧州側と違法伐採問題に関する二国間協定VPAの折衝に深く関わっていらして、その経緯を詳しくふれながら、日本のGohowoodの取り組みとの関係について報告されています。(合法木材ナビから基調講演全文日本語、英語) (違法伐採に対する日本と欧州のアプローチの違い) シンポジウムの準備で同博士と、日本のGohowoodの取り組みについてだいぶ話をしましたが、その中で欧州と日本のアプローチの違いが2点あると思いました。 一つは合法性の定義の問題。日本のガイドラインは、「伐採に当たって原木の生産される国または地域における森林に関する法令に照らし手続きが適切になされたものであること」とされていますが、欧州と交渉では「伐採権(Right to Harvest)」、「森林施業(Forest Operations)」、「法定料金(Statutory Charges)」、「その他の利用者の権利(Other Users’ Rights)」、「加工場施業(Mill Operations)」、「貿易・関税(Trade and Customs)」としているそうで、日本のガイドラインでは少なくとも、最後の二つは抜け落ちることになります。 第二番目は欧州側の提案では「法律の順守状況については、第三者監視機関が監視を行う。」とされている点です。この点についてGohowoodの方は、認定した団体が認定事業体を立入検査することなどを実施要領に書き込んでいます(合法性・持続可能性の証明に係る事業者認定実施要領(案) )が、業界団体は第三者といえないものです。システムの信頼性を確保するため、このあたりの仕組みをどうするかはきわめて重要な点です。システムの維持にどれだけコストをかけられるかという問題と関係します。コスト効率を達成するため、Gohowoodでは、既存の認定団体を活用しながら、情報公開という一点で信頼性を担保する仕組みといえます。一枚の証明書があった場合、その証明書を発行した主体、責任者、発行の前提となる分別管理、書類管理の仕組みなどが、すべて公開されています。疑問と不審がある人はだれでもいつでも問題提起ができる。この仕組みが機能して発展できれば、世界に対する重要な情報発信になると思います。 (日本のGohowoodを見る海外の目) その他に、このシンポジウムには、ロシア ダリエクスポートレス会長アレキサンダーシドレンコ、アメリカ 米国広葉樹輸出協会専務理事 マイケル・スノー、中国 木材流通協会会長 朱光前の三人が招待されました(趣旨とパネリスト紹介)。海外からの目が日本の取り組みをどう見ているかというのがポイントです。海外からのゲストを迎えたパネルディスカッションパート1でのそれぞれのプレゼンの内容が掲載されています(合法木材ナビ関連ページ)。 (合法木材利用推進に向けた課題と展望) パネルディスカッションの後半パート2「合法木材利用推進に向けた課題と展望」は、家具、製紙、住宅業界の方を迎えて合法性が証明さらた木材の普及に関して議論をしていただきました。(こちらの内容は順次掲載される予定です)
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