生物多様性条約COP10と森林(2010/11/20)

生物多様性条約(CBD)第10回締約国会議(COP10)が10月18日(月曜日)から29日(金曜日)まで、名古屋国際会議場で開催され、名古屋議定書と2011年以降の新戦略計画(愛知目標)が採択された他、様々な決議がなされました。

生物多様性条約第10回締約国会議の開催について(結果概要)(政府代表団)
COP10での決定事項(未定稿)(条約事務局英文)

今回の会議では名古屋議定書、新戦略計画愛知目標、の他に50近い文書が合意されています(Cop10 Outcome)

世界中の森林管理と重要な関係にある生物多様性条約ですが、これらの文書の内容が国内や地球レベルの森林管理とどんな関係にあるが、見ておきましょう。

名古屋議定書
本文英文Nagoya Protocol on Access to Genetic Resources and the Fair and Equitable Sharing of Benefits Arising from their Utilization
日本語のテキスト(骨子環境省HP)
「生物多様性条約における遺伝資源へのアクセスとこれらの利用から生ずる利益の公正・公平配分(ABS)に関する名古屋議定書」が本名で森林管理に直接言及する条文はありません。遺伝資源へのアクセスという条文の中に、自然資源に対する主権行使の過程で、事前の合意を尊重するとが規定されています。
In the exercise of sovereign rights over natural resources, and subject to its domestic access and benefit-sharing legislation or regulatory requirements, access to genetic resources for their utilization, shall be subject to the prior informed consent of the Party providing such resources that is the country of origin of such resources or a Party that has acquired the genetic resources in accordance with the Convention, unless otherwise determined by that Party.

愛知目標
本文(英文)Strategic Plan for Biodiversity, 2011-2020
日本語のテキスト(本文抄訳環境省HP

「2050年までに、生物多様性が評価され、保全され、回復され、そして賢明に利用され、それによって生態系サービスが保持され、健全な地球が維持され、全ての人々に不可欠な恩恵が与えられる」「自然と共生する世界(Living in harmony with natur)」をつくることをビジョンとする」

戦略目標は5つの戦略目標の下に構成される2020年までの20の目標からなっている。これらの下に各国が柔軟に各国ごとの目標を作成することが求められる。

戦略目標A.各政府と各社会において生物多様性を主流化することにより、生物多様性の損失の根本原因に対処する。

戦略目標B.生物多様性への直接的な圧力を減少させ、持続可能な利用を促進する。

目標5:2020年までに、森林を含む自然生息地の損失の速度が少なくとも半減、また可能な場合には零に近づき、また、それらの生息地の劣化と分断が顕著に減少する。
目標7:2020年までに、農業、養殖業、林業が行われる地域が、生物多様性の保全を確保するよう持続的に管理される。

戦略目標C.生態系、種及び遺伝子の多様性を守ることにより、生物多様性の状況を改善する。

目標11:2020年までに、少なくとも陸域及び内陸水域の17%、また沿岸域及び海域の10%、特に、生物多様性と生態系サービスに特別に重要な地域が、効果的、衡平に管理され、かつ生態学的に代表的な良く連結された保護地域システムやその他の効果的な地域をベースとする手段を通じて保全され、また、より広域の陸上景観又は海洋景観に統合される。

戦略目標D.生物多様性及び生態系サービスから得られる全ての人のための恩恵を強化する。

戦略目標E.参加型計画立案、知識管理と能力開発を通じて実施を強化する。

生物多様性と気候変動
本文英文Biodiversity and Climate Change

森林の減少及び劣化に由来する排出の削減等(REDD+)の活動に関する生物多様性の保全措置や生物多様性への影響評価につき、生物多様性条約事務局が気候変動枠組条約での決定を予見しない形で助言や検討を行うこと、2012年の国連持続可能な開発会議(RIO+20)を見据えた他のリオ条約(気候変動枠組条約及び砂漠化対処条約)との共同活動の検討を行うことが決定されました。

森林の生物多様性
本文英文Forest Biodiversity

COP9第五決議(dicisionIX/5)「森林の生物多様性」第8回国連森林フォーラムの第1決議の優先順位に基づき、各国の計画の中で森林の生物多様性と気候変動対策を両立させるための人材養成、森林景観保全パートナーシップなどとのさらなる協力、次回大会までに多様な森林の国別報告システムの合理化についての検討を進めるなどが決定された。

kokusai3-6<CBDcop10>