国連気候サミットの「森林に関するニューヨーク宣言」など(2014/10/20)

京都議定書に代わる新たな国際枠組みをまとめる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)を一年後に控え、9月23日国連本部で各国首脳が集まる、国連気候変動サミットが開催されたことは、いろいろ大きく報道されました。気候変動サミット合意にはずみJ-castニュース
国連気候サミット(概要と評価) | 外務省

ただ、、その中で森林に関する分科会が開催され、森林に関するニューヨーク宣言などが採択されましたことは、日本ではあまり報道されませんでした。

重要の情報なので、共有します。

 
 公式ページ会議のビデオ↑

森林に関するニューヨーク宣言に関するページNYDF Global Platform
国連気候サミット報告− Forest Pavilionにて針原農林水産審議官がREDDセンターを紹介(REDD研究開発センターサイト、林野庁計画課海外林業協力室 井上泰子

インドネシアのユドヨノ大統領とノルウェイのソルベルグ首相の共同議長により行われた分科会では、気候変動対策における森林の重要性を確認し、行動を加速化するための拘束力のない目標が記された「森林に関するニューヨーク宣言」と、自主的な努力の目安となる「行動指針」の発表が行われ、32カ国、20地方自治体、40企業、16先住民団体、49NGO/CSOが宣言及び取組に参加しました。COP21までさらに多くの政府等の参加を呼びかけていくこととされています。

会議参加国により承認された活動宣言、行動計画の和訳を掲載します。(作成にあたり、林野庁の担当官井上康子さんの点検確認を頂きました。心から感謝します)


この文書は、森林に関するニューヨーク宣言、それに関連した自主的行動指針、それを支持する多数の具体的活動計画などを含む、国連気候サミットにおける森林分野の成果を総括するものである。

第1部、森林に関するニューヨーク宣言は、気候サミットにおける、政府、企業、市民社会の対話からの成果である、法的拘束力のない、政治宣言である。初めて、世界の指導者は、2020年までに天然林の減少を半減させ、2030年までにそれを止めるよう努力するためのタイムラインを承認した。それはインドよりも大きな面積の森林や農地の復元を要求するものである。この目標を達成することは、米国の現在の排出量と同量の、毎年4.5-8.8億トンの炭素汚染を削減することである。この文書は多くの政府、[30]の世界的企業、[50以上の]有力な社会団体、先住民団体によって承認されている。

第2部、関連する自主的な行動指針は、政府、企業、団体が、これらの変革の目標を達成するための、多様な行動のガイドとして役立つものである。それは、(これ以外のものを排除する)包括的であることを意味するものではない。

ニューヨーク宣言を承認した主体は、ニューヨーク宣言と行動指針を実施するとの誓約を実証する具体的行動計画とその協力者(パートナーシップ)について公表した。これらの高度に特異的な補足的コミットメントは、森林保全や修復のための新たな政治的意思を示すものであり、第3部にその一部が掲載されている。これらの中には、森林減少を阻止する公共政策をもとめる商品流通業者、何億ヘクタールの森林保全を誓約する先住民の宣言、森林国による森林減少を抑制し、劣化した土地を回復する新たな誓約、以後6年間の森林減少を減速する新たな二国間及び多国間の計画、主要林産物輸入国政府による新たな調達政策、などが含まれている。

この宣言は、商品分野の急激な変革の過程であり、気候変動条約に対して各国が約束草案を提出する6か月前という、重要なタイミングに発出された。国、企業、先住民族の指導者、市民社会は成功のためのビジョンを明確にした。 

以下、第一部森林に関するニューヨーク宣言へ・・・

全文はこちらに

温暖化対策の新たな枠組み合意を1年後に控え、ニューヨーク森林森林宣言に署名した政府・地方政府・企業、NGOOなどのリストの他、この12ヶ月以内に森林破壊のリスクを回避したパーム油などの供給業者の誓約が並びます。今後このリストは来年に向けて拡大していくようで、重要な文書になると思います。

ただし、少し残念なのは、持続可能な森林管理や、違法伐採問題にとりくむ木材業者のリストがないことですね。温暖化条約の枠組みでは森林に関するグローバルな枠組みの重要な点が抜け落ちるということが、示されているように思います。

kokusai2-48 <UNclisummit>


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