現時点での森林管理レジームの意義と課題(2005/12/4)

11月12-13日愛媛大学で開催された、林業経済学会秋季大会で「地球規模での持続可能な森林管理の課題」と題する分科会が行われました。

キーワードの森林管理レジーム(Global Forest Regime)は、「地球規模の持続可能な森林管理を達成するための一連の原則、規範、規則、意志決定手続きであり、通常は条約という形態をとり、全ての関係者がその実施に期待をかけているもの」というように定義できます。

現在そのような仕組みができているとは言い難いですが、地球サミットを前に90年の先進国サミットヒューストン会合で国際森林条約についての議論をしていくことを決めたときが、レジーム形成へもっとも接近したときでした。

その後の展開をみると、モチベーションを高めたまま、途上国を巻き込んだ合意に持ってゆくという難しい課題について、うまく取り扱うことに失敗してしまったということですが、グレンイーグルスサミットで違法伐採問題が優先課題の一つとして取り上げられていることは、その宿題がいっこうに進まないことに関するいらだちの表現ともいえます。

地球サミット以降、東西の壁が取り除かれ経済のグローバル化がすすみ、また京都議定書G8サミットなど政治のグローバル化も進む中で、各国の森林政策の調整や調和がますます求められており、それが違法伐採問題という形で表出しているといえます。

分科会では
1.森林原則声明フォローアップのレビュー
2.国際環境条約と持続可能な森林管理
3.林産物貿易と持続可能な森林管理
4.森林認証と持続可能な森林管理
という四つのサブテーマに対して13人の発表が行われました。

国際的な議論の進展が日本の政策にしっかりと反映されているといえるのか?気候変動条約・生物多様性条約など森林管理に影響を与える他の地球環境レジームの進展が森林管理レジームの重要性を照射しているのでないか?実施上重要な規定となる可能性のある貿易を制御するという手段の合理性は何か?民間が主導し市場を通じた手段である森林認証の展開が政府が重要なアクターとなるレジームにどう寄与するか?そんな論点が浮き彫りになりました。

今後、分科会参加者を中心に何らかの意見交換のスキームを継続しようと確認したところでした。

愛媛大学のサーバ内に、発表概要を掲載してもらっています。(こちらからどうぞ