森林による二酸化炭素吸収量の算定方法(林野庁長官通達)(2022/1/15)

林野庁は年末の12月27日森林による二酸化炭素吸収量の算定について、というプレスリリースを公開しました。

1.趣旨

本年10月に改訂された地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)においては、森林によるCO2吸収量について、健全な森林の整備等の森林吸収源対策に取り組むことにより、2030年度に約3,800万t-CO2(2013年度総排出量比2.7%に相当)の森林吸収量を確保する目標が掲げられるなど、森林の有するCO2吸収機能の一層の発揮が求められています。このためには、地球温暖化対策における森林整備等の重要性について、民間企業や地方公共団体等(以下「企業等」という。)による国民参加の森林づくり活動等を通じて、国民理解の醸成を図ることが重要です。

今後、企業等による森林整備の取組を一層推進していくためには、消費者やステークホルダー等に対してその取組の意義や効果を訴求することが重要です。

このため、これまで林野庁において、森林によるCO2吸収量の算定に係る支援などの取組を行ってまいりましたが、その一助ともなるよう、今回、一覧性をもって改めて算定方法の周知を図ることとします。

 

ということで、読み進んでみると・・・2 森林によるCO2吸収量等の算定方法というところに、林野庁が過去に発表した文書にもとづく、4つの方法が掲載されています。

2 森林によるCO2吸収量等の算定方法 根拠文献 備考
2−1 1年間に森林が吸収するCO2量の簡便な算定方法 @「森林づくりによるCO2吸収量計算シート」による計算 平成27 年度林野庁委託事業により作成した「企業による森林づくり・木材利用の二酸化炭素吸収・固定量の『見える化』ガイドライン」 参照している森林資源現況調査票を更新中
A都道府県が保有する成長量データ等を用いた計算 各都道府県の森林簿の掲載成長量参照
2−2 再造林・保育を行うことにより森林に吸収されるCO2量の増加分の算定方法(人工林を育成する場合と育成しない場合の比較による算定) 「林野公共事業における事業評価の手法について」(平成14 年3月26 日付け13 林整計第541 号計画課長通知)における「林野公共事業における事業評価マニュアル」 伐採跡地に再造林するかどうかの違いを、都道府県の森林簿などから
2−3 森林の育成により保持される土壌炭素量(CO2換算)の算定方法 森林の有無による土壌浸食の差の推計値による計算

上記の2−1は、1年間に森林が吸収するCO2量の簡便な算定方法森林1ha当たりの年間CO2吸収量(t-CO2/年・ha) = 森林1ha当たりの年間幹成長量(m3/年・ha) × 拡大係数 × (1+地下部比率) × 容積密度(t/m3) × 炭素含有率 × CO2換算係数

このページで紹介してきた、林業経済研究所で開発したガイドラインの紹介になっています。

私自身も開発に携わったこの仕組み。

このファイルのダウンロード数が最近増えていると、昨年の春学会報告しました。(→建築物への木材利用と炭素クレジットーGHGゼロ排出に貢献する道筋(2020/4/11))

今回のような、林野庁のアナウンスもあって、拡大のページが上がっています。左の図

今後、これらの方々がどのような取り組みをしようと思っているか、検討を進めていきたいです。

そして、今回に長官通達にある、林野公共事業の事業評価マニュアルをどのような場合に使ったらいいのか?そもそも都市における都市公園の緑地の評価など、林野庁が森林に基づいて解説しているこれらの方法でよいのか?など、今後勉強してまいります。

kokunai4-55<rinyamieruka>


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