いま、求められる木の建築・活動とはー森とまちをつなぐ木材コーディネーターの育成認定事業(木の活動)が大賞ー木の建築賞2024の審査結果(2025/7/3)

NPO木の建築フォラムが発行する雑誌「NPO木の建築60号」が出版され第19回木の建築賞の結果が掲載されています。また、ネット上に第19回木の建築賞の結果概要が公表されています。

木の建築や木の利用に関わる活動を発表し、相互に評価するとともに、賞の選考過程をこれからの木の建築や活動のあるべき方向を探る議論の場とする。」がイベントの趣旨です。

木をつかった建築物の表彰は木材利用優良施設等コンクール(主催木材利用推進中央協議会)、ウッドデザイン賞(主催ウッドデザイン協会)など広がっていますが、これらは木材業界や林野庁などがどちらかちうと川上が主導するコンクールです。

これに対して木の建築賞は、NPO木の建築フォラム(「自然環境との共生を図りつつ、質の高い生活文化の再構築を目指」(設立趣意書)と、公益社団法人日本建築士会連合が共催する川下の問題意識が主導した建築賞です。

「木の建築」だけでなく、「木の活動」を評価しようというところも重要ですね。

今回の大賞は、はじめて「木の建築」でなく「木の活動」が大賞となりました!!。

大賞の活動を中心に、発表結果を紹介します。

発表の結果は以下のとおり。

もう少し詳しい情報は雑誌「NPO木の建築60号」からどうぞ。

このページでは提案者のネット上の情報を中心に紹介します。

 
◆木の建築大賞
森とまちをつなぐ木材コーディネーターの育成認定事業/安田哲也(NPO法人サウンドウッズ)

(木材コーディネーターとは?)
木材コーディネーター(以下WC)とは、森林から、製材乾燥加工を経て木造建築や木製品として暮らしに活かされるまでの、いわゆる「川上」「川中」「川下」を俯瞰し、調整するのが使命です。(NPOサウンドウッドが15年ほど運営してきたシステム)
WCになるには1基礎講座)
その理念に賛同する、森林林業・木材製造流通・木材利用各分野の実務者を対象とした木材コーディネート基礎講座を2009年の法人設立から毎年開催(9月開講・2月修了)しているだそうです。受講者実績は左の図の通り。基礎講座のカリキュラム概要がこちらに、(昨年の講座概要が掲載されています)今年のオンライン座学では、森林林業経営の概要と資源評価方法、木材の製造流通の仕組みや木材の付加価値化を学びます。また埼玉県飯能市と兵庫県丹波市での演習プログラムでは、森の計測と製材を実習します。加えて、燃料利用から建築や家具プロダクトなど資源の多段階利用の実態とその課題を受講者間で共有し、森とまちをつなぐビジネスプランを修了課題としてまとめ、講評会での発表をもって講座修了となるのだそうです。
(WCになるには2 講座修了者の登録資格制度など)
基礎講座修了者の希望者が、地域ごとに紹介されています
そして、、基礎講座修了者を対象とした習熟度を確認する認定試験を経て「准木材コーディネーター」の資格を。さらに、広く社会に波及する活動実績を有する者に「認定木材コーディネーター」の資格を用意されています
認定木材コーディネーターは現在8名でネット上に公開されています。
(木の建築への貢献ー京丹波町役場新庁舎)
具体的事例で提示されているのが、町内の森林資源を最大限活用した京丹波町の木造新庁舎です。木材の93%町産材つかったたてもの、集成材に加工する工場が町から遠い地域にあることや、できれば町内の人がたくさんこの建築に関わるようにしたいという思いから、以前から考えていた『組立柱』を産学一体で開発(右図)がポイントです。この過程に木材コーディネーターが関与しています。(今後フォローしていきますね)
◆選考委員特別賞
自ずから然る循環の場/半田俊哉(エイチ・アンド一級建築士事務所
◆選考委員特別賞
皇三重ノ塔/川端眞(川端建築計画)
◆木の活動賞
農業と福祉の拠点「あるきだす」/木村敏(b.i.n木村敏建築設計事務所)
◆ムクファースト崇秀記念賞
滋賀県林業会館宮村太(宮村太設計工房)
◆木のチカラ建築賞・メンバーズチョイス賞
宍粟わかば/三澤文子(Ms建築設計事務所
◆森のチカラ賞
京丹波町役場/松本洋平(香山建築研究所)
◆職人のチカラ省
京北の木材で大工の卵たちと造る磨き丸太方杖のある木造倉庫髙橋勝(髙橋勝建築設計事務所)
◆木の建築賞
紀州高田果園 南高梅加工場竹原義二(無有建築工房)

これ以上は雑誌「NPO木の建築60号」をご覧ください

kokunai3-70<18kinokentikusyo>

■いいねボタン