山の利、都市の利-暮らしから森を見つめなおす(2022/4/26)

4月17日「生活の中から、日本の森林・林業を考える」というシリーズシンポジウム「山の利、都市の利」〜暮らしから森を見つめ直す〜に参加(zoom)しました。

法政大学 網野禎昭教授が「山の利、都市の利」、三浦林商合同会社代表社員 三浦妃己郎氏が「生活を黒いj化する隙間林業はってます」、二つの面白い話を聞きました。

なかなか、話の内容を直接紹介することが難しいんですが、面白かったので、まず、網野先生の話の概要を、三つのトピックスに応じてご紹介します。

(トピックス1エネルギー自立と木造建築 なんで今木造?)

参考サイト欧州の歴史から学ぶ、持続可能な木造文化

右の図は、紹介された「ホンブルクの街並み。木造5階建て、1階は石造の集合住宅が隙間なく連なる(写真:Klaus Zwerger)」という写真、上記参考サイトに掲載されてたものから)

都市部で狭い範囲に集合住宅が密集して建てられている。

こんな住宅街が形成された背景に「森林資源の問題が関係している」というのです。

「都市を広げたくても、建物を建てるための用材が不足し、暖房やパンを焼くためのしん炭材も欠乏していった。そこで、『森林を活用するためのルールをつくろう』という動きが表れたのだ。例えば、各地の『ヴァイステューマー(中世の習慣法)』や『「フォルスト条例(森林条例)』だ。」

 「『建物の定期検査・修理』『建物の1階は石で仕上げる』『建物を高く増築することの禁止』など、建物をしっかりつくって、長持ちさせようというという考え方を決めた。つまり、都市や建築の持続可能性を目指した。」

「地域の森林が、街づくりの態様に影響を与えたんではないか」というトピックス1の話でした。

(トピックス2住みよい中山間地域の開発ー人口減少地方創生どんな都市を目指す?)

欧州と日本の自治体の規模を比べると、日本は拡大しているけれど、欧州は小さい。

中心部に木造の学校兼、役場兼、高齢者の集合住宅をつくり、周りに若者がやってくる。オーストリア・クルンバッハの街並み(写真:松尾 浩樹)

参考サイト:欧州の歴史から学ぶ、持続可能な木造文化-中山間地域でも木造建築村島 正彦 ライター

今後の日本の田園都市街づくりの参考になります。

都市の大きさを小さくすることはウクライナ戦争とも関係している?ーどこに爆弾落としたらいいかわからない・・・という話にも

(トピックス3山が豊かになる建築デザイン)

参考サイト:設計者は木造でも万能か-都市木造を山から考える(前編)

このセッションが一番紹介しようと思った部分です。

CLTのような、「高度に加工され安定化した部材で市場拡大」も一つの方法だが、この方法は歩留まりが悪く(丸太からとれる利用材積が少ない)、地方で加工施設(地方の小さな製材所ではCLTは作れない)が限定される。

歩留まりの高い、あら加工の製品をたっぷり使った、建築物を増やしていくのがもう一つの方法です(地元の山の材木を地元の工場で加工し地元の建物を建てる)。

ご自身がお住まいのバウマイスターの家、の紹介がありました。

参考サイト:網野禎昭「バウマイスターの家から考える林業と木造」(自邸よりオンライン配信)|『住宅建築』講演会 #56WORK 110バウマイスターの家(平成建設)

そのためには・・・

「きちんと木材の情報を提供できるコーディネーターのような役割を増やさなければならない」「日々の仕事が忙しい設計者に、「山や製材工場まで木を見に行きなさい」と言っても、実際は難しいでしょう」

「川上から川下まで木造関連の産業は構造が複雑で、地域によっても異なります。大工によっては言うことが違うし、生半可に学ぼうとして誤解を生むリスクもあります。だからこそ、木材活用のコーディネーターが役立ちます。」

(以上)

網野先生のネット上の情報にそって紹介なので、シンポジウムの話と少し違うところがあるかもしれませんが、納得できたストーリーを紹介してました。

楽しかったです

junnkan3-26(yamaritosiri)

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