地域工務店の今後のビジョンー森林を育てる住宅産業(2020/3/15)

2月10日新木場の木材会館で開催された、令和元年度当初顔の見える木材での快適空間づくり事業 報告会」。そこで久しぶりにお会いした、伊佐ホームズの社長と、スタッフのKさん。

報告会では、 3. 森林パ―トナーズ株式会社    森林・林業の再生、維持とA材の持続可能な新流通システムの展開、という報告をされました。

全木連による報告会の充実したページがあり、そこからプレゼンの動画を見ることができます。

少しは話はさかのぼるのですが、今回プレゼンをされた森林パートナーズ株式会社は、「森を育てる新しい住宅産業を提唱していた世田谷の工務店伊佐ホームズが生みの親。

ウッドマイルズフォーラムに関心をもっていただき、また、SDGsグリーンサプライチェーンなど最新のトピックスに果敢に挑戦さているので何回かお話を伺ってきました。その時の勉強の結果を勉強部屋で報告しなければと思いつつ、すこし遅れてしまいましたが、ちょうど良いチャンス。

今回の報告会の森林パートナーズですが話の内容が奥が深く幅が広い。一回ではご紹介することはできないので、まず、伊佐ホームズさんから教えてもらった「地域工務店の今後の経営ビジョン-SDGsの理念に基づく森を育てる新しい住宅産業の取組」資料(2019年6月)をもとにご紹介します。

   自分たちの会社の企業コンセプトは

持続可能な社会の三つのコンセプト(環境、文化、経済)に応じて・・
T(環境)森を育てる工務店JAPAN
U(文化)日本の住宅文化を守る工務店
V(品質生産)IOT連携による木材加工生産の技術革新
 T環境@
 T環境
森林再生プラットフォームによる林業への取組

出発点の山の写真は秩父の山で、秩父樹液生産組合の名前。そこから下のフロー図は左から右へ製材→プレカット工場→ハウスビルダー(伊佐ホームズ)と木材のサプライチェーンが普通に並び、逆方向に情報がリターンする。
それだけなら、我が社の建築する住宅の木材の来歴をします(普通の)サプライチェーン図だが、ポイントはサプライチェーンの上にある森林再生プラっトホームを経由した情報共有と、下にある伊佐ホームズから樹液生産協働組合にむけた「原木直接購入」という太い矢印。
一体ことは何でしょう。
 @ーA環境

 TA
もう一枚環境の図面、タイトルは
森を育てる家津クルの循環型社会
@の図がサプライチェーンをヨコから見たところとすると、上から見たところ?
山元から工務店まで左回り?サプライチェーンだが、工務店から山元に直接届く矢印(これはサプライチェーンではない)に書いてあるのは、適正価格、植樹活動、適材需要情報の三つの文字
U文化
 U文化
サプラチェーンは一休み

どこの工務店でもやっているユーザーである施主にとどける、メッセージ
日本の美、伝統素材・工芸の活用−美しい家が家庭を育てる
 V品質管理  V品質生産
ここに、はじめて森林パートナーズという言葉が出てきます(Tの図との関係)
工務店が設計図に基づいて、必要な部材の情報を森林パートナーズが運営する森林再生プラットフォームに投入すると
プレカット工場にどのように加工された部材がいくつほしいという情報となり発注(委託発注)
さらに、製材所に対してプレカット工場にどのようば製材製品が必要かという情報が共有され(委託発注)
さらに山元の林業家(素材生産業者?)にどのような仕様の丸太を製材所に供給という情報が共有
そして、工務店が山元の林業家から丸太を購入となるようです

 建築家がよくわからない、山から家までのサプライチェーンの情報管理を、私たち工務店がツールを提供して直接情報共有。そうするとこの値段で木材を買うと、ちゃんと山づくりができるお金が山に帰るかよく解る。

(だれもが考えそうな?)そんなストーリーなのですが、本当にそれでビジネスが回るのか?自社の家造りというビジネスのそれで始める小さな林業のモデルの提示。

自社の特殊な環境だけでない、各地にこのモデルを広げたい。というどこまでも広がるチャレンジ精神。

私自身が全体像をすべて理解しているわけでないのですが・・・・
小さな林業を支える具体的なすべらしい提案。

森林再生プラットホームによる情報共有がどんなふうにできるのか、まだできない部分があるのかないのか、具体的なプロセスを、今後ご紹介しますね。


junkan5-4<sinrinpt>

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