都市から木と森林のことをる考えるー市民大学森と木とくらしゼミ(2020/10/3)

東京山の上大学という市民大学を運営されている方に誘われて、同大学のシリーズ「森と木の暮らしゼミ」第3回目として9月19日「都会から木と森林のことを考える」という題で話をさせていただき楽しいディスカッションをさせていただきました。

(東京山の上大学との出会い)

ある日、知人の紹介で、区内の建築事務所をしている建築家海田さんまちづくりを仕事にしている横山さんにお会いすることになりました。

海田さんは、「文京区の木質化計画」を立ち上げ(都会のビルに東京の木を貼るDIYイベント|文京区木質化計画本郷のビルに東京の木をはろう/文京区木質化プロジェクト第一弾)、横山さんと一緒に東京山の上大学という市民大学の共同代表をされています。

市民大学のなかに「森と木と暮らしゼミ」があり、勉強部屋ページを作っている藤原が文京区民であることが解ったので、「なんとか協力できないか?」

話は文京区の森林環境譲与税に及び、「「老朽化した学校施設の内装を多摩産材をつかった部材で改装する」そうだけれど、どこにどう使われているのか解らないし、こういうこが、そーっと行われていて、区民が森林のことを考えるきっかけになっていないのはおかしい!!」

文京区木質化計画もびっくりだし、森林環境譲与税で色んな可能性が広がるすばらしいはなし、ということで、「お役に立てることがあれば、何でも」、となりました。

((都会から木と森のことを考える))

山の上大学は「東京・山手線の上半分あたりの街の活性化と、何かをはじめる人を応援する市民大学」なのだそうで(山の上大学とは)、市民で、街を木質化などに関心がある方むけの入り口の情報を解りやすくという趣旨でお話ししました。

内容は、@都会で木材を使うことの意味(地球環境にとっての木材利用、住環境にとっての木材利用)、という本論をお話しした後で、具体的なアプロートをする場合の大切な話として、A違法伐採問題などの取組状況、(消費者のグリーンパワーへの期待)、B森林と消費者を近づけるウッドマイルズ、C知ってる?森林環境譲与税。

ご興味のあるかたは、都会から木と森のことを考えるプレゼン資料をこちらに置いておきますのでどうぞ。

かいつまんで要旨を紹介します。

(都会で木材つかうとー地球環境にとって)

二酸化炭素がどんどん増えて、はやくゼロカーボンの社会を作らなければ!(左の図)

木材をつかうことは、森のCO2吸収能力を、都会にまで広げる大切な作業。

それから、建築材料としての木材は、鉄やアルミニュームと比べて、製造時のエネルギーが3-4桁少ない。

二酸化炭素をたくさん出す資材を代替する効果有り。

(都市で木材をつかうとー生活する人にとって)

木が周りにあると、心身不調を訴える率がすくないという、特別養護猟人ホームを調べた結果があります(左の図)。

樹木が自分を腐朽からまもるためのツールをもっていて、それが木の香りの中のフィトンチット(有機ガス成分)。これで住環境を安全に。

それから、木の物理的性質。

木の衝撃を吸収するのでけががない、熱伝導性が低いので暖かみがあり室内温度を安定させる、木の水分特性が室内の調湿に役立つなど。

優しい住環境を生み出します。

(違法伐採問題というリスクがありまして)

循環資源としての木材を、市民と一緒にサプライチェーンを確認していくツールがいくつかできていますので、よろしくお願いします。

(ウッドマイルズフォーラムとは)

近い山の木を使うと二つのメリットがあります!

一つは、 輸送過程の環境負荷が少ないこと。

左の図のように、 一軒家を建てるのに必要な木材の輸送過程の二酸化炭素排出量は、地域材を利用すると欧州材を利用するより4トンの少ないのです。

もう一つは、 サプライチェーンの管理が簡単なこと。

家を建てるときに木材の持続可能性、合法性を建築関係者が気にしていますが、 地域材を利用すれば建築関係者や施主が木材伐採をした森まで把握できます。

近くの山でない場合は、サプライチェーンを管理するシステム(FSCやPEFCといった森林認証制度か、林野庁ガイドラインの業界団体認定など)に依存することになり(コストがかかる)

(森林環境税と森林環境譲与税)

森林の管理を確り行うため、2026年から国民は一人1000円森林環境税を支払うことになりました。

それを前提として昨年から各自治体に森林環境譲与税が配分されています。

税収入の3割が人口割りで配分されるので、文京区でも昨年8百万円国から配分があり(といっても区民が支払う額よりすくないですが)、これから増えて2千数百万円になります。

何に使われたの?

昨年度は「老朽化した学校施設の内装を多摩産材をつかった部材で改装する」ために使った(文京区の森林環境譲与税の使い道 (2019/4/20))とされていますが、どこにどんなに使われたのか、学校の生徒なども一緒になって、なんでなの?と森林のことを考える機会になればいいですね。市民大学の大切なテーマかも知れません。

ーーーーー以上でした

市民大学のますますの発展をお祈りします。

都会から木と森のことを考えるプレゼン資料をこちらに置いておきます

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