建築関係者の森林への想い(1)ー無垢製材で中大規模建築物 (2019/8/15)

ウッドマイルズフォーラム2019「木材調達の側面から中大規模施設の木材利用を検証する」を準備する過程で、日本建築士会連合会会誌「建築士」の7月号に「無垢製材を使う中大規模の建築」という特集が掲載されていることを紹介いただきました。

印象にのこったのは、森林への想い。

建築関係者の多くは、木材の利用が拡大し中大規模建築に挑戦、となってきたときに、構造的な課題を解決するために、CLTや集成材など均一な性能を提供してくれる、木材製品を志向します。当然のことですね。

ただ、木を使うだけでなくそれを通じて山づくりへの貢献がしたい。

日本の森林が生長し、大径木が大きくなってきたが住宅では中小径木の既製品が使われていて、それが生かせないので、中大規模建築ならどうか。乾燥問題、寸法の規格問題どれひとつとってもハードルがたかいけれど、大径木の柱や丸太などの、いまの森林からとれる素材をいかして、なるべく負担をかけないように、建築サイドで工夫してみよう。・・・

という問題問題意識をもった方々が、少数ではなく、7万部をこえる建築士会会報で特集がでるほど、存在感をもっている、とうことにビックルしました。

以下が目次です

 自然の循環に委ねる地域社会の木造建築           北尾靖雅(京都女子大学教授) 
 対談 地域の森と建築を繋ぐー建築士の取り組みを  三井所清典 (日本建築士会連合会会長)
安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事、木材コーディネーター、一級建築士)
 無垢材を活用した構造設計の可能性  山田憲明(山田憲明構造設計事務所)
 学び、そしてスキルアップ ひろしま木造建築塾の具体的展開  柴田安章(NSP設計取締役副社長、ひろしま木造建築協議会会長)
 大径木の製材技術の展開と課題  鈴木裕一(協同組合いわき材加工センクー理事長)
100年先の森づくりと木造建築―豊田市の森づくりへの取り組み  樋口真明 (一般社団法人ウッディーラ一豊田 )

以下は特集メイン企画の対談記事、三井所建築士会会長の言葉、です。

「建築士が環境問題や森林保全をテーマにすることはあると思いますが、林業の成立、不成立などという認識は一般の建主の心に響いていないと思います。
もしかすると、建築士がしっかりと伝えられていないのではないでしょうか。木を使っても、山の立ち木を伐る費用しか回収できず、次の森を育てる費用が山に戻っていない課題があるのですね。その認識を、建築に木を使うに際し、建築士は建築主に伝えられるよう努めなければならないと思います」

ご了解をえて、こちらからに本文をダウンロードできるようにします。

junkan3-11<sikaitokusyu>

  


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