建築関係者の森林への想い(2)ー建築家の視点から見た木造建築づくりの50年間 (2019/9/15)


ウッドマイルズフォーラム2109でウッドマイルズフォーラム藤本会長の最後の締めのお話。建築士の立場で森林に寄り添って活動されてた歴史です。
用意されたメモをいただきました。

今日の報告事例は、言葉ではなく実際に木の建物が出来て一般の人達に訴えられるので素晴らしい。

木材を使用する建築家の立場として現状の問題をどう考えるかだが、木造建築づくりの50年間の歴史を振り返ると、1980年代、川上では国産材ハウス展示事業や森林フォーラム実行委員会の設立、川下では地域住宅計画(HOPE計画)や家づくり85コンペが実施され、地域の住宅の生産供給体制を地域に提案させ、大手だけでなく地域工務店の近代化を応援したと共に、林野と建築行政がリンクした時でもあった。

今日のフォーラムも中大規模施設について、川上と川下で議論した訳だが、川上ではウッド・チェンジ・ネットワークが、川下では無垢製材を使う中大規模施設が主なテーマになっている。

ウッド・チェンジ・ネットワークのメンバーは大企業が主だが、今日の報告のように地域で頑張っている人達がたくさんいるので、林業行政には地域からの視点を入れて欲しい。さらには、近現代の次に来る新しい時代に向けて、哲学者内山氏が言う、希薄になっている人と人との信頼関係を再構築すべき時代に向けて、検査、認定、ではなく、人を信頼できる社会にしていくべきだと思う。

今日のフォーラムでも議論になった、山にちゃんとお金が戻り、山で生き生きと働けて、川下側もそれをリスペクトして仕事ができるという関係を今後どう構築できるか、ウッドマイルズフォーラムとしても一つの問題提起ができるよう議論していきたい。

各地域の様々な特殊解から、普遍性をもった解が導き出せるよう、皆様からも色々な知恵を出して頂きたい 

ウッドマイルズフォーラム2019「木材調達の側面から中大規模施設の木材利用を検証する」(開催概要報告)より


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