Soiciety5.0の中の森林・林業(2018/10/21)

9月13日に開催された森林計画学会秋季セミナーに顔を出してみました。直接聞くことができなかったのですが、プログラムにすこし気になった報告があったので、報告者(京都府立大学田中和博教授)にお願いして資料をいただきました。

タイトルは「Society5.0 時代における森林計画学の再構築  〜 タイルポリゴンとKPIの導入 〜」紹介します。

(Society5.0とは)

Society5.0というページ内閣府の政策サイトトの科学技術政策というページジに掲載されています。

Society5.0とはサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)で、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された、のだそうです。

ネット上にたくさんの情報があふれていて正確なところが分からない面もあるのですが、AI(人工知能)、ロボット、IoT(モノがインターネットでつながる)など技術が進むことにより、大量生産・消費でない製品とサービスの提供システムができ、社会問題の解決や付加価値の拡大がはかられる社会ができるということのようです。

このような、社会を前提にして、森林の管理システムや林業、それをサポートする、森林計画のデータ処理体制がどんな方向に進むのか、というのが、報告のテーマです。

頂いた報告の論文形式のデータをこちらに置きます

わたしの、理解する限りで、解説を試みます。

(タイルポリゴンを利用した森林情報の管理)

森林の情報は、一般的には同じような森林の状態(林相)にある森林をベースに囲みをした「林小班」を最小単位としてとして管理していますが、上空からの多量のデータが処理できるようになり、地上のデータも測定位置が細かく認識されるようになると、林相と関係なく、地表を四角形のタイル状のもの(タイルポリゴン)を敷き詰めたと仮定して、25メートルを一辺とするタイルポリゴンごとに、森林の情報を管理することができるようになります。

 
 

ポリゴンごとに、森林の樹高と樹幹の距離がわりと簡単に計測することができて、それが評価できるようになると、成熟した森林が、林道や作業道からの距離に応じてどのように配置されているか、などが比較的容易にわかるようになります。

(森づくりのための評価指標KPI、具体的な証拠にもとづく管理EBM)

このようの森林の情報が処理しやすくなると、森林を森林の自立度に応じて経済林・環境林・修復林の三つに分類したらどうか、という提案です。

そして、それぞれに社会的に分かり易い、評価指標KPI=Key Performance Indicator)を明確にすることができるというわけです。

そして、各森林を管理する主体が、具体的達成度合いを具体的な証拠基づいて管理(EBM=Evidence Based Management)し、結果をみなで評価することができるようになる、というのです。

(森林評価の専門家の思い)

森林の関係者向けの報告内容なので、一般市民向けに専門用語が説明されていないので、読みづらいかもしれません。話のスケールが大きいので具体的な道筋が今ひとつ見えてこないところもあるかと思います。

しかし、長い間森林管理を議論してきた専門家が、いままで、森林管理の関する情報がなかなか他の分野の専門家や、市民と共有しづらかった、そして、ITやIoTの進展で、長年の課題であった、からを打ち破ることができるのでないか、という森林の専門家の熱い思いが伝わる報告でした。

森林経営管理法によって市町村が意欲と能力のある事業者に委託した結果を、監査する仕組みを創ることも可能なのでないか、と田中教授は言われてました。

森林管理がはば広い市民の中で議論される新たなSoceity実現の一歩になることを心から期待します。

junkan1-17(Socio5.0)