森林に関わる幸福度の実証分析(2018/11/25 )
先行研究:緑の都市atトロント市

9月に開催された環境経済・政策学会2018大会コレクションで紹介した、「農山村において森林に関わる幸福度に影響を及ぼす要因の実証的検討:滋賀県野洲川上流域対象として」について、報告者の滋賀県立大学高橋卓也さん、関連情報をいただいたので、紹介します。

プレゼン資料「農山村において森林に関わる幸福度に影響を及ぼす要因の実証的検討:滋賀県野洲川上流域対象として」

森林政策の総合的評価をどうするか?という大きなテーマです(だと思います)。

(幸福度とは)

キーワードとなっている幸福度。国の政策を総合的に図る指標としてGDPがよく使われていますが、それに変わる指標の研究の一つに、主観的幸福度が注目を与えていて、OECDはガイドラインを出版しています

自分の生活に関する自己評価(生活評価)、さまざまな局面における気持ちの良さ・悪さ(感情)、自分の人生意義についての自己評価(エウダイモニア)などをはかって総合評価(点数付け)をするもの。

日本政府も幸福度に関する研究会で研究成果を公表しています。

(森林の幸福度とは)

今回の報告の基盤となった研究は、政策評価に関する上記の研究成果を、森林政策の評価に使おうというものです。(と理解しました)

森林関連主観的幸福度を、山と森林との関係における満足度、関わりに関する達成感、関わりに関する感情、などから、はかり、その点数が、その人に関連する、自然資本、森林関連活動、生活利便施設(人工資本)、人間関係(社会関係資本)などとの関係で見ていこうとしています。

みんなが合意ができる、森林関係主観的幸福度というものができるのでないか、それに影響を及ぼす、自然の恵み、森林に対する活動がはかれる可能性がある。まだまだ、途上の研究だと思いますが、注目すべき研究だと思います。

(森林関連幸福度研究の意義)

森林に関する幸福度の研究について、この研究のように、ローカルな森林政策を評価する客観的な基準をつくることに加えて、GDPに変わる幸福度が注目されるようになった場合、そのなかに森林に関する分野の指標がどのように組み込まれていくべきかという、という議論も当然あるはずで、今回の研究蓄積はそんな中に活かされていくのでないかと思います。

junkan1-18(IHPfore)