グリーントランスフォーメーション(GX)の中の循環資源・持続可能な森林の将来(2023/2/15) |
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2月10日「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。 「原発推進へ方針転換」などが報道されていますが、GX(グリーントランスフォーメーション)とは「産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革」のこと。(内閣官房「GX実行会議の開催について」より) 議 長 内閣総理大臣 副 議 長 GX実行推進担当大臣、内閣官房長官 構 成 員 外務大臣、財務大臣、環境大臣及び別紙に掲げる有識者からなる、GX実行委員会が昨年7月から議論してきた案件が、パブコメをへて、閣議決定されました。 関連して以下の三つのデータが公表されています。①GX実現に向けた基本方針/②GX実現に向けた基本方針の概要/③GX実現に向けた基本方針参考資料(左の図の原データ) 「グリーンな変革」、いよいよ森林が主役か?主役への道のりを描けているか?原発と森林のどちらがグリーンか?など勉強してみました。 (基本方針本文の中の森林・木材に関する記述)
27ページからなる、基本計画本文の構成は上のように、「①はじめに」、から、「⑥GX を実現する新たな政策イニシアティブの実行状況の 進捗評価 と見直し」、まで、6つの節からなっています。 ②節が各セクターごとに記述した「DXに向けた施策」、③から⑥がセクター横断的な取り組みで、その中で③がGX投資の本体に当たる部分(冒頭のロードマップ)が記載されているようです。 その中で、森林、木材という単語がはいっていたのは、②節の(2)今後の対応 の以下のような2か所でした。 国交省が「木材利用の推進」、農水省が「吸収源の機能強化」をしっかり進めます。 (事例ごとの「今後の道行き」ーのなかの森林と木材) 巨額のGX投資を実現する道筋を描いた、③節は(1)基本的考え方、(2)「 GX 経済移行債 」を活用した大胆な先行投資支援( 規制・支援一体 型投資促進策、(3)カーボンプライシングによる GX 投資先行インセンティブ、(4)新たな金融手法の活用という構成になっています。 この中に森林や木材という言葉はありませんが、基本的考え方の中に、「国 として、 産業競争力強化・経済成長及び排出削減の同時実現に向けた総合的な戦略を定め、 GX 投資が期待される主要分野において、各分野における新たな製品などの導入目標や、新たな 規制・ 制度の導入時期などを一体的 な 「 道行き 」 として示す。」とあります。 その道行が、参考資料③GX実現に向けた基本方針参考資料の「今後の道行き」という22枚の資料です。その中の以下の2つの事例に森林と木材が記載されています。
ーーーーーー GX投資という部分を見てゆくと・・・ 住宅建築物では、CO2削減といういうコンセプトの中に「非住宅中高層の建築物木材利用に必要な投資」 山づくり、森林投資本体に関する記述はありませんね。「エリートツリーとデジタル技術に依拠した森林づくり」などは? GX投資を実現するための、とりあえず示された道筋をしめすもので、「今後産業界や専門家のも交えて」「進捗・評価・見直しを進めてく」(③(1)基本的考え方)のだそうです。 今後どのように検討されていくのでしょうか、期待しましょう。 (原発と森林のどちらがグリーンか) グリーンな社会変革に向けた、巨額のGX投資の道筋の中に、「社会インフラ構築にむけた「循環資源である木材利用の拡大」」や、「自然資源のである森林の循環資源を確保するための森林の適切な管理・再造林の確保」、といった課題がどのように組み込んでいったらよいのでしょうか? 参考になるのは、エネルギー 安定 供給 の確保を大前提とした GX に向けた脱炭素 の取組 の中の「3)原子力の活用」の最後のフレーズです。(灰色の部分) 森林は、GXに向けた脱炭素の取組の14)「食料・農林水産業」、という記述中に記載されているので、今後、食料と独立させて14-2)森林と木材の活用という記述を設け、最後のフレーズは原子力に負けないように下の緑にような記述にしたらどうでしょう。
原発と森林を比べると、森林がよりクリーンであるのは間違えないので、今後の検討に期待しましょう。 フォローしてまいります。 junkan10-6<GX_Forest>
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