環境経済・政策学会2012年大会コレクション(2010/10/20)

9月15-16日標記大会が東北大学で開催されました。この学会もふくめて、学会には足が遠のいていて、体制の立て直しをしなければならないと考えています。この大会は小サイトの立ち上げの動機に係る重要な大会であり極力出席の方針でいますが、諸事との調整が付かず残念ながら出席することができませんでした。

プログラムとすべての報告要旨がこちらのサイトからダウンロードできます

温暖化対策のための排出量取引・炭素税など重要な政策手段の発展のために、この問題の経済的評価についての学際的な研究活動が重要な役割を果たしてきてきました。当該分野はこの学会でも多数の報告がされてきました。(小サイト過去の大会の情報

今回の報告のタイトルをみると、環境政策分野の研究が生物多様性の経済評価という分野にシフトしてきていることがわかります。

もちろんそのフィールドは海洋など幅広い分野にわたりますが、森林を対象とした研究が多く、持続可能な森林についての政策の指標を見える化するためにも、重要な進展があるものと期待を抱かせます。

また、生物多様性以外の森林が担っている環境サービスの評価もバランスよく進むことが期待されます。

森林の環境サービスの支払いや経済評価に関する報告を中心に、持続可能な開発の評価などに関連する報告を集めました。

論題 発表者 要旨リンク 内容
生物多様性の価格評価(保全政策への反映へ)企画セッション
企画の趣旨 栗山浩一 プレゼン資料
沖縄県やんばる地域における絶滅危惧種保護と外来種対策 吉田謙太郎(長崎大学) 要旨
プレゼン資料
ヤンバルクイナなどの固有種保護のための外来種マングース駆除とその経済価値の評価
国立公園のレクリエーション需要:空間的多様性を考慮した端点解モデルによる分析 庄子康 要旨 国立公園の大きさや車両乗り入れ規制などの管理方針が生物多様性の利用価値に与える影響の分析
国立公園の環境変化が観光利用に及ぼす影響:利用者の時間配分に基づく分析 柘植隆宏(甲南大学) 要旨 生物多様性の保全と利用の関係を北海道ツアーの時間配分をもとに分析
知床半島のヒグマ生息地に対する評価:選択型実験を用いて 久保雄広(京都大学) 要旨
森林の生態系サービスへの支払い・経済評価
JVER制度における関係アクターの動向 福嶋崇他 要旨 森林管理を排出権取引の道具とするJVER制度を、吸収源CDMとの制度比較、アンケートなどから積極的評価
生物多様性保全・気候変動緩和策に対する選好評価:選択型実験における生態系サービス指標の導入 庄山紀久子(国立環境研究所) 要旨 気候変動対策と生物多様性保全の対立関係(トレードオフ)の中で「生産林」がネガティブな評価を受ける可能性
山間地域の森林の生態系サービスの経済評価の事例研究−地方自治体との協働プロジェクトの事例から− 永野友子(株式会社富士通研究所) 要旨 生態系サービスの経済評価のサンプルとしてTEEBの方法論に従った事例研究。
水源環境保全における税財政システムの構造とその変化-神奈川県水源の森林づくり事業を事例として- 石倉研(一橋大学) 要旨 神奈川県の水源林管理財源の水道負担金から水源環境保全税への変更にともなう制度比較。
環境サービスへの支払(PES)の評価方法 稲田恭輔(早稲田大学) 要旨 PESの先行研究が行われているコスタリカの事例を比較研究
ナラ枯れで消失が懸念される里山心胆林の経済評価 今村航平(東北大学) 要旨 ナラがれ対策の経済評価。生物多様性保全、水土保全、木材利用は+の評価
地域における環境ガバナンス
コミュニティ・ガバナンスによる自然再生を支える内湖社会圏の住民意識の多様性に関する研究 高橋卓也(滋賀県立大学) 要旨
プレゼン資料
地域環境資源の管理主体としての地域コミュニティの可能性。高齢化農業離れで難しい面も
地域における生物多様性問題と環境ガバナンス:生物多様性地域戦略の課題と展望 宮永健太郎(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター) 要旨 都道府県レベルの生物多様性地域戦略のケーススタディ。辛口の評価結果が並んでいる
「公」・「共」・「私」相互補完型環境資源政策の試論:コモンズに及ぼす外部インパクトの分析を通じて 三俣学(兵庫県立大学) 要旨 コモンズ(資源利用者集団)がグローバルな市場経済の中で森林管理の主体となる条件の分析
持続可能な開発の総合指標
持続可能性指標及び幸福度関連指標の国際動向と日本への展望 佐藤正弘 要旨
プレゼン資料
GDPに変わる社会発展の新しい指標作成の全体像がよくわかる。関係者必見のプレゼン資料
自然資本の金銭価値評価―世代内公正および世代間公正に関する実証分析を踏まえて― 鶴見哲也 資料 上記の各論、自然資本の経済評価。森林資源編が今後期待される
国際レジームと政策評価
環境税の日独比較―地球温暖化対策のための税の比較制度分析― 佐藤一光(慶應義塾大学) 要旨 日本の環境税規模がドイツに比べて小さいのは、環境政策目的税として組み立てられたことが一因
生物多様性条約愛知ターゲット3 生物多様性に影響を及ぼす補助金の考察野生生物の利用に関する補助金を例に 鈴木希理恵(NPO法人 野生生物保全論研究会) 要旨
プレゼン資料
生物多様性保全にネガティブな影響を与える補助金の特定と分析。。とりあえずはベッコウ、象牙、鯨肉だが、森林関係は?

報告者にはいろいろご協力をいただきました。

今後とも追加情報を掲載します

gakkai<seeps2012>