再生可能エネルギー電気調達法案の木材業界への課題(2011/6/25)

再生可能エネルギー電力を電力会社が全量買い取り制度については、本HPでもフォローしてきましたが、3月11日に午前中に東日本大震災の直前の閣議で法案が決定し、4月5日国会上程されています。

買取価格の上乗せ分をサーチャージとして電力会社が需要家に請求するという仕組みとなっているため、鉄鋼などの大手需要家が反対姿勢を示しており、行方が注目されていましたが、菅直人首相が辞任する条件のひとつとしてこの法案の成立をあげたため一躍脚光を浴びています。

法案概要、条文本文などは経産省のHP「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案について」に掲載されています。

買取の対象となるのは一定の施設で再生可能エネルギー源を変換して得られる電気(再生可能エネルギー電気)で、当然木質バイオマスを燃料として得られる電気もその中に入っていますが、政省令の検討の過程で「紙パルプなど他の既存産業に影響がないものを対象とする」(法案の概要)という整理がなされたようです。

法令に基づく買取義務が、その製品を買い取ることがある産業に影響がないものかどうかに係っているとすると、それをどのように判定するのか実務的に結構難しい課題が残されているものです。

チップ業者から電力会社への納入段階で他産業の意見をいちいち聞く仕組みをつくることは至難の業であり、ある原料段階で影響なしと認定された原料を分別管理して証明するなどの仕組みが必要になるでしょう。

木質資源でできた製品について、品質・性能・価格以外の生産流通過程の取り扱いの違いによる属性を業界の責任とコストで証明するという作業は、合法性の証明と基本的に同じ性格の課題だといえます。

木質資源でできた製品を環境製品としてマーケットに提供する場合、どうしても避けて通ることができない宿命なのかもしれません。

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