木質バイオマスエネルギー利用を巡る情勢(2015/2/22)

地方創生が施策のキーワードの一つになる中で、木質バイオマスのエネルギー利用が注目されており、関連していくつかのセミナーに参加する機会がありました。

分散型エネルギー社会の実現と地域社会環境ビジネスをどうすすめるか?(科学科学技術振興機構・」社会技術研究開発センター)(2/22)
バイオマス産業社会ネットワーク第144回研究会「バイオマス発電等で使用されるアブラヤシ核殻(PKS)の最新動向」 (1/29)

木質バイオマスエネルギーの情勢は再生可能エネルギー固定価格買取制度で、大きく変わりました。

((木質バイオマスの需給見通し))

(発電用木質バイオマスの需要量)

今後の需給見通しを踏まえて、どんな方向になるのか、経済産業省の調達価格等算定委員会の第18回委員会で農林水産省から「小規模な木質バイオマス発電の推進について」という資料が配布されました。

木質バイオマス発電施設で認定を受けているものは43か所であり、これが稼働すれば400万立方メートルの木質バイオマス需要が発生するが、森林林業基本計画では平成32年度に600万立方メートルのエネルギー利用を想定しており、200万立方メートルの余裕があるとしています(5ページ)。

この問題を幅広く議論したものとして、「未利用材の供給不足が懸念される木質バイオマス発電─地域別需給推計と展望─(安藤範親)」という論考がネット上に掲載されています。需要量の推定は既存の公開された情報を引き延ばして発電量から推定しているので、上記農林水産省と同じような精度のものです(稼働時の需要量を427万トン)が、地域ごとの分析していて、全国の四分の1が九州で発生するとしています。

(木質バイオマスの供給量)

安藤論文にも引用されていますが、供給量の方は、NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)が作成した、バイオマス不遜亮有効利用可能量の推計というデータが使われています。

市町村ごとの森林バイオマスj林地残材賦存量:都道府県ごとの樹種別素材生産量をベースにその一定割合が林地に放置されると仮定して、都道府県ごとに森林バイオマス林地残材賦存量を計算し、市町村ごとに森林面積で割り振ったもの。(同様に都道府県間伐面積のデータから、一定量が林地に放置されると仮定して、市町村ごとの森林バイオマス切捨て間伐材の量を推計)

これらの量は全国924万トンとされるが、経済的な理由から供給量は半数程度のされ、さらに地方ごとの分析を行い、九州地区と中部地区の供給不足を指摘しています。

(発電用バイオマスの輸入)

これを裏付けるように、計画中の木質バイオマス発電は、その燃料の供給計画の中に、輸入バイオマスを念頭にいれていることころがあり、東南アジアからのヤシガラ輸入が急増しているようです(バイオマス産業社会ネットワーク第144回研究会「バイオマス発電等で使用されるアブラヤシ核殻(PKS)の最新動向」

国際的な視点にたって、バイオマスエネルギー利用を図ることは必要なことかもしれませんが、世界中でバイオマス燃料の貿易のグローバル化が始まるとすると、輸送過程のエネルギーなど問題がおこるでしょう。

((木質バイオマス発電の規模問題))

需給に関係する事項として、今計画されている発電所の規模が大きすぎて、これが地域の需給問題を複雑にしているという指摘があります。クローズアップ現代「急増!バイオマス発電〜資源争奪戦の行方〜」

小さなサイズの発電を可能にする技術開発、規模別の価格設定、などが課題となっており、2000KW以下の小規模な発電事業者に別の買取価格を設定する方向で検討が進んでいます(調達価格等算定委員会(第18回)‐議事要旨)。

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