G7伊勢志摩サミットと森林の課題(2016/5/28)

5月26日27日に開催された伊勢志摩サミットでの討議結果をまとめた伊勢志摩首脳宣言が公表されました。

グレンイーグルスサミットが日本の違法伐採問題やその後の各国の取組に大きな影響を与えたように、G8/7サミットは地球環境問題の中の森林問題の取組に大きな役割を果たしてきたことに、このサイトでも注目してきました(主要国サミットと森林行動プログラム)

この数年サミットの首脳宣言に違法伐採という言葉がでてこなかったので、(最後は2009年イタリアラクイラサミット:イタリアの主要8カ国首脳会議ラクイラサミットと森林問題勉強部屋関連ページ)、合法伐採木材流通利用促進法が意識して成立したといわれていた今回のサミット宣言文を注目していました。

今回の宣言で森林の管理に関係ある箇所は以下の通りです。

 セクション  森林に関係のある記述
 G7 伊勢志摩経済イニシアティブ
 貿易  環太平洋経済連携協定(TPP),日EU 経済連携協定(EPA)・・を含む地域的な貿易協定を通じての貿易の自由化努力を奨励する
 気候  気候:G7 は,引き続き指導的な役割を担い,我々は,2020 年の期限に十分先立って今世紀半ばの温室効果ガス低排出型発展のための長期戦略を策定し,通報することにコミットする。
 エネルギー 我々はクリーンなエネルギー及びエネルギー効率の奨励に更に投資することにコミットする。
 世界経済 
 腐敗対策  採取産業透明性イニシアティブ(EITI)及び国連グローバル・コンパクトのような価値あるイニシアティブを活性化するために英国が5 月に主催した腐敗対策サミットによって創り出された成果及びモメンタムを歓迎す
 外交政策
 気候変動エネルギー及び環境 
 気候変動  今世紀後半に温室効果ガスについて発生源による人為的な排出と吸収源による除去との均衡を達成することの重要性に留意しつつ,2020 年の期限に十分に先立って今世紀半ばの温室効果ガス低排出型発展のための長期戦略を策定し,通報することにコミットする。
我々は,他のドナー国と共に,意味のある緩和のための行動及び実施の透明性の文脈において,2020 年までに年間1000 億米ドルを共同で動員するとの目標の達成に向け,着実に前進しつつあることを認識
我々は,エネルギーの生産及び利用が世界の温室効果ガスの排出の約3 分の2 を占めるという事実を踏まえ,エネルギー部門が気候変動に対処する上での重要な役割を果たさなければならないことを認識する。
 エネルギー  我々は,エネルギー効率及び水力発電を含む再生可能エネルギー並びにその他の国産資源の活用に関する強化された取組を支持する。
 開発 
持続可能な開発のための2030 アジェンダ  我々は,持続可能な経済への世界的な移行に実質的に貢献するため,野心的な国内の行動をとることを決意する。我々は,国内の行動に加え,ぜい弱なグループにおける個人の尊厳及び人間の安全保障の促進を特に強調しつつ,2030 アジェンダを実施するための開発途上国の取組を支援することにコミットする。我々の共同の対応における重要な要素は,全ての女性と女児のエンパワーメントとジェンダー平等,国際保健,質の高いインフラ投資,特に後発開発途上国(LDCs)の若年者のための支援,平和及び安全に対する脅威への対応の活性化,強制移動及び現代の奴隷制度への対処,産業人材育成,包摂的なイノベーション,食料安全保障と栄養,CONNEX イニシアティブ,世界津波の日を通じての活動を含む災害リスクの低減への支援,気候変動の緩和及び適応への支援,エネルギー安全保障及び持続可能なエネルギー,海洋ゴミに対処することを含む資源効率性及び3R 並びに持続可能な森林経営及び違法伐採の根絶を含む
 複雑な契約交渉の支援強化(CONNEX)  我々は,当初採取部門に焦点を当て,複雑な商業契約交渉のための分野横断的かつ具体的な専門性を開発途上にあるパートナー国に対して提供するため, CONNEX イニシアティブの下での我々の取組を強化することにコミットする

5つのセクションの最後「開発」の中に「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」という標題のもとに、「我々の共同の対応における重要な要素は,・・・持続可能な森林経営及び違法伐採の根絶を含む。」とされています。

このセクションが途上国の援助に関する記載が中心になっているところが、気にはなりますが、久しぶりに違法伐採問題という国際課題が主要国サミット首脳宣言の中に顔を出しました。

ホスト国の日本の合法伐採木材流通利用促進法成立が国際貢献したともえいるでしょう。今回の法律が、どんなインパクトを加えられるのか注目されます。

(採取産業透明性イニシアティブ(EITI))

関連して、このところの、サミットの文章を見ると、腐敗対策の中の採取産業透明性イニシアティブ(EITI)に注意が払われています。違法伐採問題とも関係のあるアイテムで、勉強部屋でも注目してきました。主要8カ国首脳会議ラクイラサミットと森林問題 (2008/7/13)

日本の外務省の関連ページを見ると石油採取企業、鉱物資源採取企業などが関係していますが、EUでは森林産業の関係者協力している仕組みですIllegal Logging Portal。注目していきましょう。

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