アマゾンの森林から考える

日伯のアマゾン森林研究の夢

6月3日から17日まで15日間仕事でブラジルアマゾンの森林地域に行って来ました。目的はアマゾンの森林についての日伯共同研究についての打ち合わせです。

国際協力事業団と森林総研が協力し、ブラジル側の国立アマゾン研究所との間で地道な熱帯天然林の動態についての息の長いモニタリングを行う基盤が整ったところです。

この基礎的な研究の結果が具体的な荒廃地の回復のための事業のバックアップとなってゆくことが期待される夢の多い事業です。

プロジェクトを紹介する科学技術省のウェブサイト


大型の森林研究プロジェクトが投入されるアマゾン地域

世界の熱帯雨林の50%、全世界の被子植物の37%の種があるといわれているアマゾン地域の森林については、世界中の援助機関・研究機関が共同研究・研究支援に乗り出しています。

90年のヒューストンサミットで提唱された熱帯アマゾンの森林保全に関するパイロットプロジェクトPPG7LBAとよばれる大規模生物圏大気圏循環プロジェクト、など、米国とECが肝いりで支援する大型のプロジェクトが実施されています。その結果質量ともに高水準の研究成果が公表されています。

ちなみに、世界中の総合自然科学誌の中で論文平均被引用指数(インパクトファクター)が最も高い英国の科学誌Natureに昨年(西暦2000年)1年間に掲載されたアマゾンに関する論文は17件もあります。

アマゾンの自然研究は紛れもなく人類の知の領域を広げる最前線の一つとなっており、これが人類の未来の幸福につながることを願うものです。


アマゾンの森林経営の質

このようにアマゾンの研究は進んでいますが、実際のアマゾンの森林管理の質はといえばあまりほめたものではありません。

1999年のアマゾン天然林の伐採は、87%が違法、のこりの11%だけが合法で、合法伐採のうち10%は森林管理計画に基づかない略奪的伐採で、1%が合法的計画的伐採である」との報道がされている(ブラジルの代表的報道紙Veja1999年6月9日号)ほどです。

他の資源国同様、90年代後半には様々の森林管理に関する法的整備を行ってきたのにもかかわらず、それを地べたにおろす人材がいないという、これも世界に共通する問題のようです。


ブラジル国内においても未開発地いえるアマゾン地域における人材養成は重要な課題であるとブラジル政府もいっていましたが、持続可能な森林経営というのは、中進国ブラジルにとっても大きなハードルがあるようです。


資源国のリーダーとしての大国ブラジル


ブラジルは9年前に地球サミットが開催された国で、地球サミットの森林条約を巡る攻防の中で、自国の資源の開発権の主張に基づき法的な拘束力を持つ条約反対の立場を主張した資源国側のリーダーです。

地球サミット以降東南アジアの資源国が森林条約に対して柔軟な姿勢に変化してきた中で、反対の姿勢を一歩も変えなかったブラジルの立場は際だったものでした。ブラジルが真の資源国のリーダーとして、持続可能な森林経営実現のための先頭に立ってほしいと願います。