オール国産材住宅の供給スキームー双日建材の取組(環境ガバナンスと日本企業2)(2023/9/10) |
木材業界のメジャー紙、日刊木材新聞8月30日付トップ記事に、双日建材 オール国産材住宅の需給スキーム構築、という記事が掲載され、ウッドマイルズフォーラム(以下WMF)会員である双日建材のWM関連指標なども含めた環境への取り組みが掲載されていますので、紹介します。 (日本の森をまもり、脱炭素社会の実現に貢献) 「双日建材(東京都鷲見高志社長)は、構造躯体のすべてに国産材を用いた「オール国産材住宅」を推進することでCO排出削減i」や森林保全につなげる取り組みを、製材、プレカット、住宅会社と協調していく」のだそうです。「地産地消型に近いモデル住宅で全国展開し、3年以内にも年間1000棟のオール国産材住宅供給体制の構築を目指したい考えだ」(日刊木材記事イントロ)そうです これら環境への取組を施主や消費者に訴求するため、左の図にあるように、「日本の森をまもり脱炭素社会の実現に貢献」というプレートを掲げているのだそうです。 「欧州や米 加 から 化石燃料を 沢山使 って 輸入 しなくても、 日本の 山には その土地の 気候に 合った 木材 が 沢山 あるので、 伐採地 から 製材所 、 プレカット 工場 、 建設地 を グループ化 することで、 輸送時の Co2 削減に も 貢献 できる。」としています。(同社プレスリリース) (サプライチェーン全体に環境的責任などをもとめる木材調達方針) 「双日建材が参加する双日グループは「サプライヤーに対して、気候変動対策、水や廃棄物のリサイクルなど資源の有効活用、生物多様性の保全、及び人権尊重への対応など、の理解と実践をもとめる、「サプライチェーンCSR行動指針」をつくっており、これにもとづいて2015年に木材調達方針を作成している」そうです。(以下にサマリーを表示します) ーーーー(本文) ーーーー(実施方法) ーーー(輸入材へのアプローチ) 特定した木材に対し、WWFジャパンの監修(*4)のもと、「@原産地までのトレーサビリティ」と、環境・社会へ配慮した「A森林管理の適切性」を確認しています。 その結果を以下の4つのレベルで評価しており、図のとおりの経緯で、「2050年にはすべてAとBする」としています。(マイルストーンの表示) ーーー(国産材へのアプローチ) 「国産材については、「伐採現場の労働安全」、及び「地域の資源循環」など、輸入材と異なる課題を認識しております。そのため、輸入材と同様に、仕入先へ環境社会配慮の意識づけを継続的に働きかけながらも、輸入材とはアプローチを切り分け、個別に取り組みを図ります。 特に、地域における資源循環を意識し、ステークホルダーとの協議を通じた「地域完結型林業の構築」を図り、これら課題へ取り組んでまいります。」としています。(少しわかりにくいかな) (他の会社もこのぐらいのことはやっているの?) ビッグビジネスのある会社が自社のサイトや自社のプレスリリースで公表しているデータ。そこに、第三者保証もついて、すごいですね。 が、いまどき、どの会社でも皆このくらいのことはやっているのでしょうか? WWFが「ネイチャーポジティブ実践に向けた手引き」公表し、その中で、「総合商社の取り組み状況の調査結果」という情報を公開してしています 右の図はその情報の一部で、上が調達方針の開示とその評価、下が結果開示状況です。(6社の実績が実名入りで公開され、真ん中辺の赤い四角が双日) それをコメントした本文(17ページ)に「目標年やマイルストーン設定の重要である」として、P-7(目標年と妥当性)で十分な情報が得られたのは(木材では)双日のみであった。P-8(マイルストーンを設定しているか?)は双日の木材以外は十分な情報が得られなかった。」とあります。(木材の他にパームオイル・紙についての評価結果の記述があり、他の商社も評価されているものもありますが、とりあえず木材だけ) また、21ページには、「R-5のトレーサビリティの確認状況は非常に重要であるが、双日以外はトレーサビリティの確認に関する取組みが分かるような情報がなかった。十分なトレースができないと、原産地で森林破壊や人権侵害がないことを確認するうえで支障をきたすと考えられる。」と記述されています。 他の総合商社系の会社にくらべてみると、少なくとも、木材の環境に配慮した調達方針では双日グループがリーディングカンパニーとしての役割をはたしていることがわかりますね。 (ウッドマイルズCo2 削減への取り組み) また、プレスリーリスによると、「一般社団法人WMF(が開発したWM関連指標)を活用して、「山元で原木を伐採してから現場で家を建てるまでの資材の移送距離を計算してCo2 をどれだけ減らせたか?を、分かり易く施主や工務店へ提示することで、家を建てることで脱炭素社会の実現へ参加してもらう」こととした、とされています。 千葉県内で3 月から7 月までに 9 棟をオール国産材で上棟したので、これを例に計算すると、「何れも、フォーラムが算出する平均的な住宅に比べて、1 棟あたり、スギの木が1 年間に吸収するCo2 の30 本分のCo2 を削減した」とされています。 WMFが開発してきた近くの山の木の環境性能を見える化する指標が、市民にひろがっていくタイミングが来ているんですね。 今後、「地球の温暖化対策や国産材の活用が日本の社会的な重要課題となりつつあり、共感する住宅会社やプレカット業者、製材メーカーを増やしていきたい。」とされています。(プレスリリース) ゼロカーボン社会にむけて、WMF関連指標を活用したビジネスの広がり!!是非フォローさせてくださいね。 sinrin5-20<sojituken> |
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