12月11日から13日にかけて北海道美幌町森林組合を中心に表記の会が開かれ小生も出席しました。
メンバーはFSC側から主査の富村さん、WWFの前澤さん、調査を主催する日本林業技術協会の馬淵さん、林野庁から平井さんなどで、北海道側からは道庁や森林総研北海道支所、美幌町、同森林組合などの関係者で現地調査は10台ほどの車列となる大調査でした。
道東のカラマツ林に取り組む美幌町森林組合は毎年約10億円の取扱高の中で1億数千万円の事業利益を計上する優良事業体。FSCの模擬認証に取り組む姿勢も真剣そのものでした。
二日間にわたる書類審査と現地調査の結果、FSCの原則にてらして、富村さんから講評がありました。
組合長や専務が熱っぽく語った経営の理念がしっかりと文書化あるべきである」(原則7「適切な管理計画の文書化」)などいくつかの条件が付けられるが、認証されるだろう、との結論でした。
調査の過程で現在公開され検討中の国内基準修正草案3に基づき、様々な議論がありました。
プリテストをやりながら日本基準を検討するという過程での議論は、二つの意味があると思います。
一つは、世界中の持続可能な森林経営の運動の中で作られてきたFSC原則が日本の森林の現場に新鮮なインパクトを加えるという点です。
もう一つ重要なのは、FSCが世界中で展開しているとはいえアジア地域は空白に近い盲点で、アジア地域の現実からFSCの基準を豊富なものにしてゆく重要なフィードバックがあるということです。
以下のような論点が、我が国にとってもFSC側にとっても重要な課題だと思います。
第1に、FSCの原則の中で厳しく評価している、外来樹種を使った造林という、立場で、道東のカラマツ林をどう評価するか。
第2に、資源造成期にある北海道の林業から見て、「1994年以降の造林地の認証を基本的に対象としない」としている、FSCの立場をどう見るか
第3に、FSCの先住民の権利とアイヌ問題。
第4に、ゾーンニングなどの行政側の施策と認証基準のリンクの可能性
第5に 資源管理者と所有者の契約関係
関連資料
北海道における森林認証制度への取組状況
FSC原則基準の解説本原稿ー豊かな森づくりのための世界的な取り組み
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