日本の森林認証システム(SGEC)の国際承認(2016/6/26)
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6月7日にSGEC森林認証フォーラムin東京が「森林認証制度の国際化へ向け、相互承認のこれから」、と題して開催されました。 (森林認証制度の意味) 消費者が木材を買う場合、どこの森林から来た木なのか、その森林がしっかり管理された森林か、ということがわかる情報提供しようと、1990年代から欧州のNGOや業界関係者がつくり始めたのが、森林認証制度・木材事業者の認証制度です。 本サイトでも、少数の方が努力してきた森林の管理の課題に、多くの消費者の方が関与するきかけとなる大切な仕組みとして、追いかけ来ました。 現在、FSC、PEFCという国際的なネットワークが作ら、世界中で1割以上の森林が認証されています(世界と日本の森林認証の現状2015)。 (PEFCによる保証Endoucement) 今回のセミナーは、2003年に設立した、日本型の森林認証と製品の表示認証制度である緑の認証森林会議(SGEC)が、各国の認証制度が一定の基準を満たしているかを審査してしているPEFC(the Programme for the Endorsement of Forest Certification )のEndoucment保証をえたタイミングで開催されました。 上記はSGECのHPに掲載されている、保証を与える認証書で「SGECにより提出されたSGECの認証システムはPEFCの基準を満たすと理事会で保証した。規定の順守は独立したコンサルタントの調査と、公開された意見募集により、確認され、2016年6月3日のPEFC総会で了承された。」とされています。 (PEFCがSGECが保証することの意味) どんなことがおこるかを整理してみました。
SGECの認定を受けた森林所有者の立場から見ると 、自分の森林でとれた製品が世界中でPEFCの製品であると販売できる可能性が生まれます。その担い手は、世界中の17千の認定された木材事業者。 また、SGECの認定を受けた木材事業者の立場から見ると、日本国内で輸入されたPEFCの製品を売ることができ、世界中でSGEC製品、PEFC製品を売ることができるようになります。 国産材の輸出はもちろんですが、グローバルな視野から日本の森林や木材業界を見ると、PRECによる保証は大切な作業でした。 下の図は、新しくできたSGECのウェブページから、ダウンロードしたパンフレットに掲載されているものです (Endorcemant保証とMutual recognistion相互承認) SGECの文書には相互承認という言葉が出てくるけれど、PEFCの認証書には保証ということが書かれています。相互承認と保証の関係はどうなっているのかと、気になっていました。 現時点でPEFCのウェブサイトの新着情報のトップにRevising THE process: endorsement and mutual recognition(保証と相互承認のプロセスの改定)という記事があります。 If the assessment is positive, the system is recommended for (re-) endorsement to the PEFC General Assembly. As sign for mutual recognition, each PEFC member can vote and decide on this recognition. 検査がパスすれば、PEFC総会に保証すべきものとして提案される。メンバーは相互承認を証しとして、承認の賛成をする。PEFCが保証し、PEFCメンバーが相互承認をするという関係ですね。 (認証材の広がり) このセミナーに参加した英国のPEFC事務局長は「英国の市場で流通している木材の9割が認証材」だというので、(日本では1割未満)どうしてそうなったのか、質問してみました。 「国によって事情が違うので一律には言えない」とはっきりした、答えはいただけませんでしたが、東京オリンピック・パラリンピックの施設建設の部材調達が始まっているので、木材業者の認証取得について自治体の支援もあって大きな変化が生まれています。 普及のカギを握るのは川中の大きな影響力をもつ企業の調達方針です。市場に大きな変化が起こってくるものか。 森林の管理する側でも、森林管理の質を消費者の協力を得て、確保していこうという、制度として定着していくことを期待します。 sinrin3-9(sgec2016) |