富士山世界遺産センターなどプロジェクト森林認証(2019/7/10)


6月26日に実施された「PEFC事務局長と行く SGEC/PEFCプロジェクト認証視察」出席してきました。

SGEC/PEFC初の「プロジェクト認証」による「静岡県富士山世界遺産センター」『逆さ富士』を模した木格子視察と、「日本の治山施設として初のSGEC/PEFCプロジェクト認証による静岡市の木製治山ダム視察

一体プロジェクト認証とは何か?市民とのコミュニケーションがどのように生まれるのか?

(森林認証製品のプロジェクト認証とは)

ご案内のように森林認証とは、持続可能な森林経営をしている森林を第三者が認証し(FM認証)、その森林由来の木材製品の分別管理などを責任をもって実施する資格のある事業者を第三者が認証し(COC認証)その二つによって、持続可能な森林経営由来の木材であることを消費者に説明する制度です。

この制度が生み出した「プロジェクト認証」とは、個々の製品でなく、建築物や船、イベント会場などを対象として、当該製品の製造過程を一度だけ認証しようというものです。プロジェクトの管理者が審査され、プロジェクトメンバーが管理者との間にしっかりした関係を構築し、そのプロジェクトに利用される森林認証木材全体を管理することになります。

参考資料
FSCプロジェクト認証 プロジェクト認証のためのFSCCOC規格
SGEC 特定プロジェクトの CoC 認証に関するガイド
AMITAFSC®/PEFC プロジェクト認証|建築などに関わる方へ

2019年6月現在FSCで15件、SGECで3件のプロジェクト認証が行われているようですが、今回はSGECの2件

(富士山世界遺産センター)

静岡県富士山世界遺産センターは、「2013(平成25)年6月にユネスコの世界文化遺産に登録された「富士山─信仰の対象と芸術の源泉」を後世に守り伝えていくための拠点施設」だそうです。

当センターでは、「永く守る」「楽しく伝える」「広く交わる」「深く究める」の4つの柱を事業として、国内外の多くの方に歴史、文化、自然など、富士山を多角的に紹介しています。面白いです。半日がかりでしっかり見る価値あり。

外観を形作る、ヒノキの『逆さ富士』を模した木格子がSGECの初めてのプロジェクト認証物件となっています。 認証管理団体が作成したパンフレット
プロジェクト名   富士山世界遺産センター
施行主体  静岡県
認証審査者  JIA-QAセンター
認証管理主体 富士地区林業振興対策協議会
プロジェクトメンバー  20者(重複あり)
富士地区林業振興対策協議会会員(10者)
「FUJI HINOKI MADE」認定工場(3者)
富士ヒノキSGEC材供給者(4者)
富士ヒノキSGEC材生産者(4者)
富士山世界遺産センター建設関係者(4者)
 プロジェクトの範囲 富士山世界遺産センターのシンボルである木格子「逆さ富士」
認証率の計算  認証材100パーセント
 木材の利用量  
 内認証木材・中立・その他  認証材100パーセント
 問題となる出所  なし
 マネジメントシステム  


(静岡市の木製治山ダム)

もう一つのプロジェクト認証が木製治山ダム


プロジェクト名  木製治山堰堤設置プロジェクト
施行主体  静岡市
認証審査者 日本森林技術協会
認証管理主体 静岡市
プロジェクトメンバー 株式会社サスイ望月組、静岡県森林組合連合合、
静岡市林業研究会森林認証部会(部会長山田農林山田芳朗氏)
http://www4.tokai.or.jp/yamayosi/newpage6.html、
オクシズ森林認証協議会(静岡市森林組合事務局)
http://s-sinsuikyou.jp/region/chuubu/
 プロジェクトの範囲 木製治山堰堤、木製土留工及び木柵工全体
認証率の計算  認証材100パーセントSEGC認定
 木材の利用量  13.4立法メートル
 内認証木材・中立・その他  すべて認証材
 問題となる出所  なし
 マネジメントシステム  

どうして、これをプロジェクト認証にしたのか?市内のSGEC認証森林材を使ったダムは、静岡市で推進しているSDGsに貢献するプロジェクト(国内初、木製ダムの森林認証取得取得) なのだそうです。

(プロジェクト認証の意味)

どちらのプロジェクトも地方自治体の主導で行われたもの。森林認証という制度はサプライチェーンで取引される製品を分別管理して販売していくBtoBの地道な作業ですが、プロジェクト認証という形で市民が目にする公共建築物などが森林認証された木材でできていることがわかるので、消費者によくわかるようにアピールする機会を提供していることがよくわかりました。


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