来年4月から開催される大阪関西万博まで6月17日であと300日、ということで、万博協会が報道関係者に撮影会?を開催したんだそうで、ネット上に少し記事がならびました。↓
万博「リング」完成間近 世界最大級の木造建築物、9割組み上がる 開幕まで300日(左の写真)
【大阪・関西万博】大屋根リング完成間近も“更地”目立つ…会場建設現場のいま 求められる機運醸成
344億円の万博リングに未来はあるか 「遺産」として残す議論も
巨大木材リングを単に解体するのでなく、その後どうするかという検討も始まっているんだそうです。
(巨大木材リングの木材の由来)
上記のように今回の万博のトピックスが、巨大木材リングで、このサイトでも少し追いかけてきました(万博の巨大木造大屋根リンクーどんなレガシーが?(2023/12/12))が、今回は、完成まじかな巨大リンクの木材の由来について、すこし追いかけたので、その結果を報告します。
持続可能性に配慮した調達コード(第3版)<個別基準:木材>
前回の報告しましたが、万博協会のサイトに、持続可能性に配慮した調達コード(第3版) 解説<個別基準:木材>というわかり易い情報が掲載されています。(前回報告では第2版でしたが今回は5月に新たな第3版が)
内容に入る前に、「前がきーはじめに」(p2)に、作成目的が記載さえているのでご紹介
「博覧会協会としては、調達基準を満たす木材の調達を通じ、持続可能性に配慮した万博運営を実現することが第一の目標ですが、それと同時に、大阪・関西万博を契機に日本の事業者が調達基準に対応した木材の調達に取り組むことで、国内の事業者や消費者の意識が高まり、持続可能な木材を調達する動きが長期的に拡大することが万博の重要なレガシーになると考えています。調達基準と本解説により、全ての段階の関係者が高い意識を持って取り組み、業界全体で持続可能性の水準が底上げされることを期待しています。」!!!
すばらしいですね。それでは内容です。
概要を示す左の一枚上から順に
1対象
建設材料として使用する製材、集成材、直交集成板、合板、単板積層材、フローリング対象
はこれで巨大リングの建設木材は対象ですね
2 要件
① 伐採に当たって、原木の生産された国又は地域における森林に関する法令等に照らして手続きが適切になされたものであること
② 中長期的な計画又は方針に基づき管理経営されている森林に由来するものであること要件要件への適合度が高いもの留意点
③ 伐採に当たって、生態系が保全され、泥炭地や天然林を含む環境上重要な地域が適切に保全されており、また、森林の農地等への転換に由来するものでないこと
④ 森林の利用に当たって、先住民族や地域住民の権利が尊重され、事前の十分な情報提供に基づく、自由意思による合意形成が図られていること
⑤ 伐採に従事する労働者の労働安全・衛生対策が適切に取られていること
なお、サプライヤーはコンクリート型枠合板については再使用の促進に努め、再使用する場合でも①~⑤を満たすことを目指し、少なくとも①は確保されなければならない。
3要件の適合度が高いもの
⚫ FSC 、PEFC、SGECの認証材は上記の要件への適合度が高いものとして原則認める。
⚫ 認証材以外は別紙の方法により証明されなければならない。
4 留意点
⚫ 木材の輸送にかかる温室効果ガスの排出量や地域の資源循環、地域の経済の活性化への貢献度を考慮すべきである。
⚫ 伐採地までのトレーサビリティ確保の観点から可能な範囲で当該木材の原産地や製造事業者に関する指摘等の情報を収集し、その信頼性・客観性等に十分留意しつつ、要件を満たさない木材を生産する事業者から調達するリスクの低減に活用する。
⚫ 違法伐採木材が国内で流通するリスクの低減を図るため、「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」の趣旨を踏まえて、伐採を含め、サプライヤーに供給するまでの製造や流通等の各段階を担う事業者は、同法に基づく登録木材関連事業者であることが推奨されるとともに、サプライヤーは、同法の対象となっている木材については、登録木材関連事業者が供給するものを優先的に選択すべきである。
5書類保管
5年
以上ですね
3までは東京オリパラの調達基準とほぼ一緒ですが、留意点は新しいみたいですね。
(万博の木材調達コードの位置づけ)
いずれにしても、万博は世界中の人が集まる、グローバルイベント。
そのシンボルの木造巨大施設。その調達を律する木材調達コードですので、世界中が注目する次世代の主役持続可能な木材の重要なテーマです。それで、私も木材調達コードがどのように実践されているのか取材をしてみました。
巨大リングの施工主体
調達コード実践の主役は?なんといっても施工主体である、清水建設、大林組、竹中工務店というゼネコンですね。知っている人もいるのですが、各会社のHPから伺いましした。
わが社はこの素晴らしい調達コードをこんな苦労をしながら、社員一丸となて頑張っていますよーという返事をうかがえるんでなっかー
Q万博巨大リンク施工会社お問合わせ窓口へ |
<お問い合わせの内容>
万博会場の大屋根を御社がその一部を施工されるようなので、伺います
(背景説明)
私は木材の利用が次世代の循環社会の重要な要素になると思い、そのマイルストーンになると、この大屋根に注目しています。特に、木材の供給履歴がどうなるか?
万博の持続可能性に配慮した調達コード(第2版)解説<個別基準:木材>には、以下の記載があります。
木材個別基準:持続可能性の観点から求められる要件として、合法木材など5つの要件が記載してあり、
(ケース1)
FSCやPEFCの認証木材なら5つの要件を満たす
(ケース2)
そうでない場合は
別紙(認証材以外の場合の確認方法)によることと
国産材の場合は森林所有者、森林組合又は素材生産事業者等・・・説明責任の観点から合理的な方法に基づいて以下の確認を実施し・・
などが書かれています。
(伺いたいこと)
そこで伺いますが、
問1 御社の大屋根の木材は、すべてケース1ですか、それともケース2が入っていますか?
問2 ケース2の場合、供給側の地元の木材供給事業者とどんな確認をしてますか?
以上です。
(終わりに)
ケース2の要件は、大変大切なので、今後のさまざまなプロジェクトの参考になると思います。
いろいろ教えていただけるとありがたいです。
ますますのご発展お祈りします。 |
A3社からの(それぞれ同じような)回答 |
工事施工に関しては、対外的に公表をしていること以外は、個別のお問い合わせに関する回答を控えさせていただいております。(博覧会協会との守秘義務に抵触する可能性がありますので・・・) |
ということになったので、万博協会事務局に問合せしました
Q1万博協会事務局へ |
私は木材の利用が次世代の循環社会の重要な要素になると思い、そのマイルストーンになる、この大屋根に注目しています。
万博の持続可能性に配慮した調達コード基づいた万博リング!!
素晴らしいです
海外の知人も含めた関係者に訴求したいと思っています
そこで、念のために伺いますが
巨大リングの資材となっている木材が調達コードに沿って調達されていることはまちがえありませんか?
この辺の事情に関して、リング施工に関連しているゼネコン3社の方に確認のために聞いてみました
そうしたら、協会との守秘義務契約があり回答できない、といった回答がありました |
A1万博協会からの回答 |
大屋根リング等の木材に関する「持続可能性に配慮した調達コード」の遵守状況については、2023年10~12月に、当協会整備局を通じて各工事受注者に確認を行っております。
・各工区とも、外国産材は認証材を使用、国産材は個別に確認を実施しており、調達コードを遵守している木材を使用していることを確認。
・今後の確認・モニタリング(ヒアリング)において、認証・確認の詳細などについて補足で確認する予定。
なお、上記内容については、今年2月21日に開催しました第10回 持続可能性な調達ワーキング・グループ 資料10-3のP7~8に記載し公表しております。 |
Q2万博事務局への質問 |
アンダーラインの部分に関して二点質問があります
Q1国産材は認証材はないということですか?
Q2個別確認について大変興味があります。この辺の事情を施工3社の担当者に直接うかがうことはできますか?
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A2万博協会からの回答 |
Q1国産材は認証材はないということですか?
⇒ 大阪・関西万博の木材の調達基準では、 持続可能性に配慮した調達コードP20 に記載していますように、認証材または確認を実施した木材を使用することと定めており、協会が調査した時点では、国産材については、認証材はなく確認を実施した木材であることを確認しておりました。なお、前回お答えしましたように「今後の確認・モニタリング(ヒアリング)において、認証・確認の詳細などについて補足で確認する予定」としております。
Q2個別確認について大変興味があります。この辺の事情を施工3社の担当者に直接うかがうことはできますか?
⇒ 上記ご質問は、貴団体が「施工者と直接話をしたいが可能か」との趣旨と理解いたしましたので、協会として特にお答えできる内容ではないと思います。
もし、ご質問の趣旨と違う回答となっておりましたら申し訳ございません。
ーーーその後のやりとり、当方のコメントです
その後、「守秘義務に関して、協会と施工会社の間の契約に係る部分おあるので・・という微妙な問題である」とような説明をいただきました。それはその通りなんでしょうね。丁寧にありがとうございました
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当方からのお願い |
是非貴団体として、調達コードにそったしっかりとフォローいただきたいと思います
御案内のように、次世代を担う循環資源である木材の利用拡大は重要な課題であり、
環境的要素であるその事業を進めるのに、調達過程のトレーサビリティを確保をどのように進めるか、
皆が関心をもっています
万博の木材でできた巨大リングの資材調達過程世界中の方が注目していると思います
ぜひ、今後の参考になるように、できるだけ詳しい情報が公開されることを望みます
例えば、三つの施工区分ごとの、木材の量と、樹種と製品の種類、輸入材の供給国、国産材ごとのゆらい、
認証材のとその他の個別確認の量、個別確認のサンプルサプライヤーの中でクリーンウッド法の登録事業者・・・
いろいろ書きましたが、木材のサプライチェーン管理は結構難しい課題なので今回のプロジェクトが、インパクトを与えていくことになると思います
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以上です
「今後の確認・モニタリング(ヒアリング)において、認証・確認の詳細などについて補足で確認する予定」と、大切なメッセージをいただいています。
当方からは、上記のように、「今後の参考になるように、できるだけ詳しい情報が公開されることを望みます
「例えば、三つの施工区分ごとの、木材の量と、樹種と製品の種類、輸入材の供給国、国産材ごとのゆらい、認証材のとその他の個別確認の量、個別確認のサンプルサプライヤーの中でクリーンウッド法の登録事業者・・・」と御願いしています。
是非皆さんからも勉強部屋でこんな要求をしているようだですが、もっとこんな情報お願いします!!!
是非皆さんの方からも、万博事務局の今後の結構大変な作業について、応援のメッセージを送ってくださいね
万博事務局サイト問合せ窓口、
持続可能性についての取組
・・・
sinrin5-23<banpakulink2>
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