FSCの国内森林管理規格の改定作業が行われていて、日本国内森林管理規格第2-0次草案が公表され4月19日に公聴会が開催され、、4月30日までパブリックコンサルテーション(意見公募)がありました。
「地球環境の視点から、日本の森林と木材を考える」このサイトのもともとの関心事項で、内向きになりがちな森林経営計画の諸規程など、森林法の各種の規程類に対して、徹底的に外向きなFSCの規定類がどんな関係にあるのか、というのは重要なテーマですが、最近ご無沙汰していたので公聴会に出かけてきました。そして意見募集にも対応
(背景と方向性)
公聴会の冒頭事務局の担当者から以下の背景説明がありました。
- 2012年に公表されたFSC原則と基準第5版に対応するのが目的
- これまでに寄せられた意見は、@認証取得者や認証機関からは、理想を追求して負担が増えるのは無意味、厳しすぎると認証が広がらない、ので日本の現実的な指標、という主張がある反面、ANGOや研究者からは、国際的整合性が重要なので国際条約に基づく信頼できる指標とすべき、という二つの方向で意見がでていた。
- それを踏まえて、取得しやすい認証でなく「真に信頼でき、誇れる認証をめざす」
という明快なメッセージでした。
(第二次草案のポイント)
国際基準と日本の現場段階で問題になっているのは、以下のとおり
労働安全衛生の基準が実態に合わない、
(ILOの基準の安全装備が入手できない、ボランティアも含めて対応できない、放射線リスクの国際基準が国内の基準と違う、など) |
原則2.3 |
長期的採算性、国際基準では収支のバランス規定しているが、日本では難しいCSRで持ち出しになっている例が多い |
原則5関係 |
保全地域を10パーセント以上にとることが困難 |
原則6.5 |
自然林の転換禁止の公共事業の場合無理がある |
原則6.9 |
外来種の使用制限が林道法面などの場合、所有者の権限外になる |
原則10.3 |
農薬の使用制限が厳しすぎる(北海道の野ネズミ対策など) |
原則10.7 |
(森林法が参考とすべき点)
国内の森林の管理という点で、伐採可能となった森林の次の世代がどうなるのか?気になるところです
再造林を原木契約購入の条件に林業の持続的経営実現へ地元から取組む(山佐木材3/28)
そういう視点で、みると草案の105ページ以下のこの二つの部分が重要だと思います
原則7:管理計画
組織は、管理活動の規模*、強度*とリスク*に応じ、管理の方針と目的*に沿った管理計画*を持たなければならない。管理計画*は、モニタリング情報を基に最新情報に更新され、永続的な順応的管理*として実施されなければならない。関連する計画文書や手順書は、従業員への指針として、また利害関係者*及び関心の高い者*への情報として、そして管理の意思決定の根拠として十分なものでなければならない。(V4
原則7)
原則8:モニタリングと評価
組織*は、管理区画*の状態、活動の影響及び、管理目的*の達成に向けた進捗状況について、管理活動の規模*、強度*、リスク*に見合ったモニタリングと評価を行われなければならない。そして、モニタリングの結果を見ながら進める現場順応型管理*を実施しなければならない。(V4
原則8)
sinrin2-16<FSCFMJ2>
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