環境ガバナンスと日本企業(1)、日本製紙グループの取組(2023/8/3) | |||||||
7月1日に開催された第1回ZOOMセミナー「欧州の木材DD(デューデリジェンス): 違法伐採から拡大 - CW法改正の参考」ゲスト 籾井まり(ディープグリーン・コンサルティング代表)に参加し、議論に積極的にかかわっていただいた企業の方と、その後コミュニケーションがあり、とりくまれているDDの内容について、お聞きする機会があったので、ご報告します。 会社の名前は日本製紙グループ ゲストの籾井さんとは会社の「原材料調達に関する理念と基本方針」(後述します)の作成過程で委員会の座長をしていただいた、という関係だそうです。 (原材料材料調達に関する理念と基本方針) 2005年に作成し、22年9月に改定した原材料材料調達に関する理念と基本方針の概要は以下の通りです。(「日本製紙グループ当方報告書2022」より)
CW法に書いてあるから、やるんでなくて、社内で決めた理念と基本方針 合法性の確認は当然(1法令順守など)、様々な社会的課題の取組む持続可能な調達宣言(2,3,)、それを確保するための(4トレーサビリティのと5関係者との連携) そして、「木質資源の調達指針」を同じ時期に作成しています
ーーーー以上(「日本製紙グループ当方報告書2022」より) (デューディリジェンスシステムDDSマニュアル) 本当にこんなことができるの?やっているの? 日本製紙グループは、木質原材料調達に関する合法証明デューディリジェンスシステムマニュアル(日本製紙グループ)を作成しネット上に公表しています 日本製紙グループは製品のリスクを評価するために製紙連合会のマニュアルに基づき社内DDを実施しているのだそうです いったい何がかいてあるか? まず、供給された原料の供給にどの企業がたずさわったのかその過程の情報を収集する(7.サプライチェーン情報へのアクセス)、そして、合法性持続可能性に関する危険性が無視できるか調べる(8.リスクアセスメント)、その上で、無視できない場合は供給者に文書で要求したり別の供給者に変更したりする(9リスクの緩和措置)とされています (担当者は「9までいった事例はまだない」と言われていました) (FSC認証製品のリスク) リスクアセスメントでどこまでやるのか、マニュアルでは「FSCやPEFCの正規の認証製品であることが確認でき、さらに違法性に関する重大な問題が報告されていない」とあります。 N製紙はベトナムら木材チップを輸入しているようなので(マニュアル8ページ)最近報道さえたベトナムのFSC製品の関する違法性の問題(FSCは、大量の木質ペレットについて虚偽表示を行ったとして An Viet Phat Energy社(ベトナム)をブロック)については、どのように対応しているのですか?と聞いてみまし。 「ベトナムには現地事務所があり供給元のチップ工場などには頻繁にいって関連情報を収集しているから大丈夫です」といわれていました。 以上です 木材関連産業の中で特別なビックビジネスの製紙業界、業界団体の蓄積などもありその上にたったDDの話ですね。 もちろん木材関連産業がこれと同じことができるとは限りませんが、特に輸入に携わる1種事業者のやるべきことを提示していると思いました。 最後の統合報告書に掲載されていた籾井さんのコメントを共有しておきます。
ーーーーー ZOOMセミナーで日本製紙の方が指摘していた、EUDRに記載されている、「天然林のあとに針葉樹を植林すると森林劣化である」、という重要なトピックス、別途フォローしていきます。 sinrin5-19<DDNpaper> |
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