ニュースレター No.239 2019年7月15日発行 (発行部数:1490部) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 |
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フロントページ:日本の持続可能な林業経営の未来と「森林未来会議」(2019/7/15)
7月9日に都内で開催された、出版記念シンポジウム「森林未来会議」森を活かす仕組みを作る、に出席しました。 林業成長産業化というが、本当に持続可能な林業ができるのか?資源はあるが利用した後の次世代の森林はどうるのか? 「未来会議」というタイトルが魅力的ですし、筆者の多くが知人だったので、しっかり本を読んで出席。 日本の持続可能な林業の可能性、全体を見ない森林政策の問題点、人づくりの大切さと課題など、議論の過程で、欧州と米国の現状を踏まえたグローバルな視野と、歴史的な分析の双方をふまえ大切な作業だったと思います。 昔「霞が関村」にかよっていた私にとって、行政の可能性がいったいなんなのか考える大切な機会でした。 また、ウッドマイルズやこの勉強部屋での作業で情報発信をする立場では、次のような問題意識がひろがる場面でもありました それぞれの章について、自分で納得したメッセージをまとめてみました。
kokunai6-50<mirai>
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PEFC20周年とSGEC緑の認証循環会議、企業の取り組み(2019/7/15) 6月25日森林認証団体緑の循環認証会議が、PEFCのベン・ガニバーグ Ben Gunneberg会長を招いて、「PEFC設立20周年記念・SGEC/PEFC国際森林認証フォーラム ~もっと認証製品を消費者の手に!~」を開催しました。 主催者によれば会場石垣記念ホールで用意した席と資料が一杯となり、160人ほどの満員状態。東京2020などで、20年ほど続いてきた「森林認証という取組」が少し別のステージに上がりつつあるのか、と思いました。 (Ben会長の講演) 会長は基調講演にたったベン会長は、世界の森林の5億ヘクタール(全森林の13パーセント)がPEFCとFSCによて認証さえているとされ、世界中の素材の生産量の中で35パーセントが森林認証材として生産され市場に提供されていると話しました。(Ben会長の講演デーた:英文、日本語訳 本人から提供いただきました) その進展一直線ではありませんが、今後の展開の重要な要素として、企業の活動が重要であるとして企業の「持続可能な発展やCSRに対するコミットメントを明示するために」PEFC認証と連携して活動しているブランドオーナー(消費者誰でも知っているブランドの所有企業)企業の紹介をされました。
(セミナーで報告した日本のブランドオーナー) セミナーの後段は、ブランドオーナー事例発表として三つの発表がありました
(PEFCとFSC) ベン会長の報告の、最後のスライドに「森林の保全を支援、貴社の供給チェーンの柔軟性を確保するために、PEFCとFSCを共に受け入れて下さい」 とありました。 森林認証面積の割に、COCがFSCに比べて遅れている、というPEFC側の事情もあるのでしょうが、両方を!!というメッセージ面白かったです。 sinrin3-11<PEFC20th>
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富士山世界遺産センターなどプロジェクト森林認証(2019/7/10)
SGEC/PEFC初の「プロジェクト認証」による「静岡県富士山世界遺産センター」『逆さ富士』を模した木格子視察と、「日本の治山施設として初のSGEC/PEFCプロジェクト認証による静岡市の木製治山ダム視察 一体プロジェクト認証とは何か?市民とのコミュニケーションがどのように生まれるのか? (森林認証製品のプロジェクト認証とは) ご案内のように森林認証とは、持続可能な森林経営をしている森林を第三者が認証し(FM認証)、その森林由来の木材製品の分別管理などを責任をもって実施する資格のある事業者を第三者が認証し(COC認証)その二つによって、持続可能な森林経営由来の木材であることを消費者に説明する制度です。 この制度が生み出した「プロジェクト認証」とは、個々の製品でなく、建築物や船、イベント会場などを対象として、当該製品の製造過程を一度だけ認証しようというものです。プロジェクトの管理者が審査され、プロジェクトメンバーが管理者との間にしっかりした関係を構築し、そのプロジェクトに利用される森林認証木材全体を管理することになります。 参考資料 2019年6月現在FSCで15件、SGECで3件のプロジェクト認証が行われているようですが、今回はSGECの2件 (富士山世界遺産センター) 静岡県富士山世界遺産センターは、「2013(平成25)年6月にユネスコの世界文化遺産に登録された「富士山─信仰の対象と芸術の源泉」を後世に守り伝えていくための拠点施設」だそうです。 当センターでは、「永く守る」「楽しく伝える」「広く交わる」「深く究める」の4つの柱を事業として、国内外の多くの方に歴史、文化、自然など、富士山を多角的に紹介しています。面白いです。半日がかりでしっかり見る価値あり。 外観を形作る、ヒノキの『逆さ富士』を模した木格子がSGECの初めてのプロジェクト認証物件となっています。 認証管理団体が作成したパンフレット
もう一つのプロジェクト認証が木製治山ダム
どうして、これをプロジェクト認証にしたのか?市内のSGEC認証森林材を使ったダムは、静岡市で推進しているSDGsに貢献するプロジェクト(国内初、木製ダムの森林認証取得取得) なのだそうです。 (プロジェクト認証の意味) どちらのプロジェクトも地方自治体の主導で行われたもの。森林認証という制度はサプライチェーンで取引される製品を分別管理して販売していくBtoBの地道な作業ですが、プロジェクト認証という形で市民が目にする公共建築物などが森林認証された木材でできていることがわかるので、消費者によくわかるようにアピールする機会を提供していることがよくわかりました。
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都市の木造建築ー全国植樹祭での天皇陛下のお言葉(2019/7/15)
11年前の天皇のお言葉がネット上にあったので、比較してみました
junkan3-8<70PFokotoba>
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G20大阪サミットと森林・木材利用-環境閣僚会合と木造建築物の利用(2019/7/10)
20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)は最終日の29日午後、首脳宣言「大阪宣言」を採択して閉幕しました。 国際経済協調の最も重要な会合Premier Forum for International Economic Cooperationといわれている、会合の中で、森林や循環社会の主役となるべき木材がどのように取り扱われるのか?気になるところです。 「長野県軽井沢町で開かれる20か国・地域(G20)環境関係閣僚会合で、原田義昭環境相が「都市建築物の木造・木質化の推進」を呼びかける。4月に発足した「森林(もり)を活かす都市(まち)の木造化推進議員連盟」からの要望を踏まえ、議長国の立場から訴えることにした」という報道(J-FICニュース) もありましたので。 (採択された首脳宣言) まず採択されたG20大阪首脳宣言(本文、仮訳はこちら)。7つの大きな章立ての中の、6 包摂的かつ持続可能な世界の中の、地球環境問題と課題に以下の文章があります。
都市建築物の木材利用とい言葉はでてきませんが、アンダーラインを引いた部分の中に入っているのでしょう。 (環境大臣会合) それでは、首脳会議に先立って開催された、軽井沢で開催れた持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合ではどうだっだでしょうか?
ということで、大臣にステートメントに中に「木材利用推進ばなしが紹介されたということで、閣僚会議ので採択された宣言などの公式文書に、木材利用推進の話しが登場はしていません。 G20はリーマンショックを契機に設立された「金融世界経済に関する首脳会合」ですが、グローバルなコンセンサスの優先順位の高いものが並んできます。その中で、循環可能な社会の主役となるべき、木材の利用推進が、 junkan3-8<G20osaka>
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G20での森林未来会議ー勉強部屋ニュース239編集ばなし(2019/7/20)
G20やら未来森林会議やら、いろんな情報が 未来の森林会議は、欧州や米国の最新情報を丹念に整理した若い研究者と、日本の森林行政は問題多い、といいう「あまり若くない代表者」二人のコラボレーション。もと霞が関住民の私も勉強になりました。 未来を語るこの文書が課題にしているテーマは日本国内の厳しい森林管理の脆弱性です。なので、未来森林会議は、未来日本の森林会議であって、未来世界の森林会議でないのは、心残りです。(「それどころでない」といわれそうですが) 本文でも書きましたが、「国産材時代は日本のニッチなマーケットのローカルな一時的な問題なのか、それともグローバルな森林の未来に関する課題なのか」。 「世界にかんたる日本の林業」と言っていた時代がほんの少し前にあった(熊崎先生)そうですが、今は海外から学ぶだけ。極端から極端へ 20年後に日本で行われる(であろう)G20で、世界の森林未来会議ができるように頑張りましょうね。今回のG20は少し残念です。 次号以降の予告、ウッドマイルズフォーラム2019「木材調達の側面から中大規模施設の木材利用を検証する」、参議院選挙の各政党森林政策、森林外交論続き、EU内森林のリスクとフェアウッド、世界の中の日本の森林環境税、木で創る新しい社会ー街を森にかえる環境木化都市の実現へ、勉強部屋の20年 konosaito<hensyukouki>
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