| 『最新図説 脱炭素の論点 2025-26』ーご紹介(2025/11/30) | |
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最近出版された、最新図設「脱炭素の論点2025-2026」という書籍を送っていただきました。 案内文によると、「脱炭素をめぐる焦眉の問題をわかりやすい総合知の形で、各分野の専門家や国民各層に伝えるために、気象学から工学、農学、人文社会科学まで、幅広い執筆者(2025‐2026年版は執筆者総数59名、頁数555頁)による図説の形で隔年で刊行しているもの」なのだそうです。 (イントロ) 編集主幹堀尾正靱氏共生エネルギー社会実装研究所による、「2025-26年版の刊行にあたって」というイントロは以下の通り ーーーー 世界は激震の時代を迎えています。いま、気候危機回避のために、リオサミット→京都議定書→パリ協定と、国際的な協調の中で構築されてきた大きな合意と努力の体制が、揺さぶられています。科学的事実をみれば、気候危機がこれからもいやおうなく激化していくことが分かります。 本書は以下の5つの章から構成されています。 ーーー後略
(全体の中での森林に記載箇所) 右が目次です その中で、森林の関係あるのは、以下の4つのセクセクションです $7 土地利用と気候変動… •••98 115セクションのうち4セクション 其々内容を見てまいります。(セクション名とタイトル、要旨、筆者) ($7 土地利用と気候変動) 「震業、林業及びその他の土地利用部門の気候変動の緩和策は、大規模な温室効果ガスの排出削減と除去の促進の可能性が期待されている重要な対策の一つであり、適切に実施すればコベネフィット(相乗便益)を生み出すことができます。」 ($10 森林によるCO2 吸収一森林生態系の炭素サイクル) 「森林は樹木の光合成によりCO2を吸収し有機物として固定しています。有機物は枯死・分解して大気に戻りますが、人間がその前に収穫し一部を利用する場合は、排出があっても人為的排出とはみなされません。」 ($46 温暖化対策と森づくり政策) 「京都議定書以降、温暖化対策を名目としたわが国の森づくり政策は、CO2の貯蔵を軽視し、本末転倒した「荒い間伐」や「短伐期皆伐施業」を選択しました。ストックを重視する真の温暖化対策施業が求められています。」 ($97 バイオマスの熱利用•発電) 「世界で最も多く使われている再生可能エネルギーであるバイオマスは、種類も利用方法も様々で、非常に良い(持続可能な)利用から悪い利用まであり、十分な理解のうえで利用を進めることが大切です。」 ーーーーー (コメント::森林吸収量の評価のしかたと、課題) 日本国土の2/3が森林であり森林は減っていない、ので、日本の森林の状況が気候変動問題に貢献していることは間違えなく、そのことがNDCのように、、評価されるのは、嬉しいことで、そのようなことを中心に脱炭素の論点が記載されいるのかな? NDCの中で、森林の役割について、林野庁がネット上で解説しています ここに記載されているようように、NDCでは日本の森林の吸収量全体を掲載いするのでなく、「1990年以降の「新規植林」、「再造林」、「森林経営」及び「森林減少」といった人為的な活動による二酸化炭素の吸収・排出量の算定・報告を行っています。」 重要なことですね。「森林経営に手をかけた森林だけを評価する。」ただ、本来ならば、間伐した森林の成長量と、間伐しない森林の差を計算して、その量を間伐面積に乗じるという計算をすべきなのでしょうが、そのような面倒臭いことはやっていません。(「森林経営」の内容は各国がそれぞれ決めることと(パリ協定では)) そういう弱点があるので、$46指摘されるように、「温暖化対策を名目としたわが国の森づくり政策は、CO2の貯蔵を軽視し、本末転倒した「荒い間伐」や「短伐期皆伐施業」を選択しました」、と批判されるような側面が出てきているのですね。 ということで、この論点の指摘は、林野庁公式見解だけでなく、学術的な蓄積をふまえた厳しい指摘も見られます。 本当に新し情報が抜け落ちている面もありますが・・・そして、日本人が熱帯林に貢献する資金問題など、グローバルの視点がないかな? いずれにしても、気候変動問題に貢献する森林の役割を検討していくうえで、重要な書籍だと思います kokusai 2-94<zusetu2526> |
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