COP30準備1-「ネイチャーCOP」の本質を読み解く:企業が直面する自然資本とサプライチェーンの転換点・新潮流(2025/11/1)

いよいよ11月10日からブラジルで気候変動枠組み条約第30回締約国会合COP30が開催されます。

地球環境問題の対応策で、森林が主役になる可能のあるCOP30

「地球の肺」でCOP30開催 議長国ブラジル、森林基金創設に意欲

勉強部屋にとっても重要なイベントなので・・・ベレンにいってきます!というのはうそですが、しっかり勉強をして、このビッグイベントを迎えようとしています。

COP30直前ウェビナーシリーズ 第4回ー「ネイチャーCOP」の本質を読み解く:企業が直面する自然資本とサプライチェーンの転換点・新潮流というイベントを覗いてみましたので、紹介します

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(プログラム)

以下の3つのレクチェー

〇これまでのUNFCCC COPで「森林・自然」の何が決まったのか:グローバルな森林減少の現状とコミットメント実現に向けて (藤崎 泰治 生物多様性と生態系サービス リサーチマネージャー )
〇COP30 議長国ブラジルが推進するパラダイムシフト (山ノ下 麻木乃 生物多様性と生態系サービス リサーチディレクター)
〇気候変動と生物多様性のネクサス:個別アプローチの限界とネクサスアプローチの可能性 (齋藤 修 生物多様性と生態系サービス プログラムディレクター)

まず第一報告の紹介です(総括的なバックグラウンドの説明)

(これまでのUNFCCC COPで「森林・自然」の何が決まったのか:グローバルな森林減少の現状とコミットメント実現に向けて)

今後の気候変動緩和策の中で、森林が当面重要な役割を果たしているかを示すのが・・・右の図の右側のグラフですね。

上の黒い部分が、化石燃料と産業(化石燃料から排出される温室効果ガス)、次の緑がAFOLU(農業林業その他の土地利用) そして最後のうすグレーがBECSS(バイオマス発電(BE)の二酸化炭素を吸収固定((Carbon Capture and Storage)

3つの主要分野のうち、「30年までにネットゼロ」という明確な当面の目標を持っている(2021年COP26グラスゴー首脳宣言)のが森林分野AFOLUです。

ただし、2024年度森林減少は807万haで。2030年に森林減少ゼロの道筋から大きく外れています。(左の図)

世界の森林減少の要因はなにでしょう。

それを示すのが、右の図で、曰く

「世界の森林減少のほとんどが、農地の拡大によって引き起こされ、ている

特に牛肉、パーム油、大豆、木材・紙製品、カカオ、コーヒーなどのコモディティは、その主要な原因、•
これらの多くは、先進国や大規模消費国への輸出用に生産されている」

(えー木材は農産物?この図の作者(注1)は、森林を伐採してアカシアなどの人工林造成もPermanent_Agricultureに分類しているいたいです。注1Goldman elal. 2020, IISD Global Market Report (2020, 2022, 2024), FAOSTAT, OECD-FAO Agricultural Outlook 2023-2032)

ということで、日本を含む先進国の消費者の役割は大切です。ということで、第一報告の締めのメッセージは以下の通りです。

民間セクターは森林保全・生産とサプライチェーンの変革主体
➢生産現場への投資、調達方針・サプライチェーンの透明性確保といったネガティブの抑制(森林減少の防止)
➢森林保全や森林炭素への投資といったポジティブの促進(森林保全・回復の機会)

日本の大きなポテンシャル:
➢市場と調達力:海外から農林作物を大量に調達・消費
➢企業の進化:TNFDなどサプライチェーンのサステナビリティに取り組む企業が増加
➢技術と知見:途上国へのREDD+支援実績
➢民間企業によるクレジット活用方法の可能性

以上第一報告、でした。プレゼン資料はこちらにあります→〇これまでのUNFCCC COPで「森林・自然」の何が決まったのか:グローバルな森林減少の現状とコミットメント実現に向けて (藤崎 泰治 生物多様性と生態系サービス リサーチマネージャー )

IPPPの報告書などをわかり易く解説していただいているんですが、森林吸収源問題今世紀の後などにどのようになっていくのかなど、少しわりづらいところありますね。今後、オリジナル資料を散策してみます

次に第2報告です

(COP30 議長国ブラジルが推進するパラダイムシフト)

未来の成長戦略「バイオエコノミー」とは?
新たな機会をみつけるための潮流

「化石燃料由来」・「直線型」から「生物資源由来・循環型」へ

右の図

森林バイオエコノミーは経済ルールの大転換:

「森を壊す価値」 < 「森をいかす価値」

森林の価値を「金融」で支える:COP30でTropical Forest Forever Facility (TFFF)正式発足

COP30で議論される具体的な提案の内容です。

目的:森林伐採よりも森林が存在してることに価値を与える (Standing forests are worth more than felled ones)

誰が?:ブラジルがCOP28で提案。暫定運営委員会で設計を協議:熱帯林諸国(ブラジル・コロンビア・ガーナー・コンゴ民・インドネシア・マレーシア)、潜在的な投資国(ドイツ・アラブ首、フランス、ノルウェー、イギリス)、IPLC、国際機関、多国間開発銀行(世銀が管財人)
想定される拠出者:「公的と民間の両方から資金を調達する革新的なイニシアチブ」、国家(ブラジルは10億$をプレッジ)、機関投資家、慈善投資家、民間企業

想定される受益者:熱帯および亜熱帯湿潤広葉樹林(TSMBF)開発途上国74か国(森林10億ha)。
成果支払いを受けるための適格性条件:参加時森林減少率0.50%以下かつ減少傾向、IPLCsへの資金配分

と具体的な説明があります。

日本政府はどうなんでしょう

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なぜTFFFが必要なのか?
「Forever」の意味
 →右の図

⚫ 既存の森林資金源を補強
(森林を「恒久的」に維持するための資金としての役割/  いかに多様な資金源を森林の恒久的維持につなげるか?)

⚫ バイオエコノミーに移行するまでのつなぎ
(バイオエコノミー移行の加速は急務)

少しわかりづらいですが今後勉強していきます

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なぜ、今ブラジルに期待するのか?当事者からの『本気の転換』の提案

⚫ブラジルが主導
 ・当事者からの経済モデル転換の呼びかけ
 ・先進国からの理想論ではなく

⚫ゼロスタートではない。今までのレディネス構築の実績が後押し
 ・REDD+支援による途上国のモニタリング、森林ガバナンスの向上
 ・世界は森林減少ゼロにコミット済
 ・森林・土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言と森林・気候リーダーズパートナーシップ(FCLP)
 ・民間の自主的な取り組み(ボランタリーカーボン、TCFD、SBTi、TNFD、SBTnature、サプライチェーン)
 ・各国の規制:EUDR他

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以上が第2報告の内容です

こちらの資料が掲載されれています→COP30 議長国ブラジルが推進するパラダイムシフト (山ノ下 麻木乃 生物多様性と生態系サービス リサーチディレクター)

どのように機能するのか、少しわかりづらいシステムですが、グローバルサウスの中心としてのブラジルが、途上国のために責任をもって提案するプログラムです。

日本政府などが、どのように関与していくのかこの先注目しましょう

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次は第3報告です

気候変動と生物多様性のネクサス:個別アプローチの限界とネクサスアプローチの可能性)

気候変動問題を学術的に議論st来たのが、IPCCですが、生物多様性問題に関する議論を主導してきたのがIGES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォームだそうです

第3報告はIPBESの作業を主導してきた登壇者が、IPBES-IPCC 合同ワークショップ報告書の内容を解説しています。

結論は、気候変動や生物多様性、健康、、水、など態様な取組を相互関連的に取り組むこと(ネクサスアプローチ)が大切です。ということを、様々なデータ分析で説明しています

左の図は赤で囲った「自然重視ネクサス」(保護地域、特に海洋システムの保護に重点を置き、厳格な保護と幅広く野心的な気候変動対策、厳しい環境規制、持続可能な農法、全世界の1人当たり消費率の減少、環境技術の著しい発展で特徴づけられる。)と、「バランス型ネクサス」(自然重視型ネクサスよりも環境規制が厳しく、技術への依存度が低いことに特徴づけられる。)が由幸ですという図版

ごめんなさい、しっかり分析内容をフォローできないのと、当面のCOP30とは直接関係なさそう??なので、詳しい紹介はできません

生物多様性保全と気候変動対策を合わせて分析する手法なので、森林ガバナンスにとっては大切な議論ですよね。ネスサスアプローチト今後勉強してまいります

ご関心のあるかたは、以下のプレゼン資料を参照下さい→気候変動と生物多様性のネクサス:個別アプローチの限界とネクサスアプローチの可能性 (齋藤 修 生物多様性と生態系サービス プログラムディレクター)

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以上です

プレゼン内容をそのままお伝えするページとなりましたが、COP30の準備のための勉強部屋でした。

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