3年たった林業成長産業化創出モデル事業ー成長産業化地域の取り組み(2020/7/15)

林野庁のウェブサイトに、令和元年度林業成長産業化地域の取組の分析・評価等に係る調査委託事業報告書林業成長産業化地域事例集2019という二つの報告書が6月下旬に掲載されました。

林業経済研究所の事業として私も関わった事業なので、紹介します。

(林業成長産業化地域創出モデル事業)

林野庁の林業・木材産業成長産業化促進対策交付金というページに林業・木材産業成長産業化促進対策(林業成長産業化地域創出モデル事業)林業成長産業化地域という情報が掲載されており、以下の趣旨紹介されています。

戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎える中、地域の川上から川下までの関係者が連携して森林資源の循環利用を進め、林業の成長産業化を図ることにより、地元に利益を還元し、地域の活性化に結びつける取組が必要。
このため、平成29年度から「林業成長産業化地域創出モデル事業」を創設し、こうした取組を行う地域を林業成長産業化地域として選定して(29年度:16地域、30年度:12地域)、優先的に支援することにより、優良事例を創出するとともに、全国への横展開を図り、林業の成長産業化を推進。 

上記の、報告書はこの28地域の事業の進捗状況について、「各地域が策定した林業成長産業化地域構想(5か年の構想。以下「地域構想」という。)に基づく取組成果等を横断的に取りまとめ、優良事例を抽出して全国への普及展開を図ることを目的」としたものです。

28地域が、地域構想で設定した取組件数はすべての地域を合わせると451 件あります。この進捗状況などを3回の書面調査、現地調査などでまとめたのですが、その一部を紹介します。

451の取組を、分野別に、(A)地域の森林資源の循環利用、(B)地元への利益の還元と活性化、(C)自立化のための組織整備の3 つに区分しそれごとの進捗状況を表したのが、以下の図です。

上の欄、川上の山から木を取り出して利用、出発点の部分は予定より進んでいるけれど、大切な再造林対策が問題。次の欄の、川下へのアプローチ地元への利益の還元は一生懸命やっているところですが少し難しい。自立化のための組織作りは、事業立ち上げの時に行政主導でできたので進んでいるけれど、そこ組織が事業終了後もうまく続いていくのかどうかは、中心になっていく人のリーダーシップ次第。今中心になっているのは行政の関係者だけれど地域に定着させるためには連携のための人づくりが必要。これれがもう少しガンバらなければ。

といったところでしょうか。

2月に開催された報告会の内容が令和元年度林業成長産業化地域の取組の分析・評価等に係る調査委託事業報告会から見ることができます。

5年計画のちょうど中程にいるところ。木材産業は成長産業になってきたけど、本当に林業が成長産業になる姿が見られるのかどうか?

皆さん今後も注目してください。

kokunai15-1<secyochiiki>
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