森林の補助金が抱える課題ー国民森林会議の公開講座から(2017/12/24) | |
12月9日「国民森林会議」公開講座に声をかけていただき、林野庁の補助金に提言をする作業をされているというので出席しました。 「森林の未来を憂いて」(国民森林会議設立趣意書)として、長年にわたって森林政策に関する提言をしてきた団体ですが、森林環境税など重要な局面にある林野庁の行政の転換点にあって、よい勉強をさせていただきました。
結果は来年発売される「国民と森林」誌に公表されるのだそうですが、気のついたことをとりあえずメモしておきます 速水さんのプレゼンの中で、印象にのこったのは、この図(オリジナルは日本政策投資銀行「日本の林業・木材産業の今後の可能性」2017年3月) (素材生産過程のコストが高いのは?) 棒グラフの一番上は各国の工場着の丸太価格かと思いますが、その中にしめる素材生産ひと運材費が日本の場合ダントツに高く、立木価格を圧迫しているという問題点がよくわかる比較表です。 たぶん、何故日本の素材生産運材費がこんなに高いのかという背景に、製造過程の改善努力をしなくてもなんとなくうまくやっていける、現場の努力が補助金獲得競争に勝つことに力がそそがれていて、林野庁補助金が配分過程があるのでないかと思います (丸太の価格下落からいえること) 今日は補助金が価格の下落の一因という議論がありました。議論が必要なところですが、中国木材のグラフをみると日本の丸太の価格は国際水準になっていて、この間の下落過程は、国際水準に着地する過程ともいえるのでないかと思います。 もちろん、立木の値段は国際水準でないのが問題ですが、そこで、価格問題を議論するとき是非次の視点をいれて検討していただきたいと申し上げました。、 ーー国際的な木材の値段がそもそもこんなに低いのが問題で、 そのほか、 @森林組合の作業班を分離させるべき、A森林経営計画の作成時の厳密性と評価時の管理放棄されている(以上速水氏)、Bやる気の山主からやる気のある事業者への転換が問題(上山氏)、など重要な指摘がされたと思います。 森林管理に関する公的資金は、林野庁の補助金の他に、検討中の国の森林環境税、地方森林環境税など広がっていますが、過去重要な役割を果たしてきた林野庁の補助金の議論は、今後のあらたな選択肢を検討するときにも大切なことだと思います。 「国民の森林」をお待ちください。 kounai6-46<pfc>
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