文京区議会における木材利用・間伐材利用の議論(2018/9/23)

いろんな事情で地元の文京区議会の議論をフォローしていますが、都会の議会で、森林の議論がされているのに気がつきます。

傍聴した最近の本会議質問から。2018年06月08日:平成30年6月定例議会本会議(第4日)

議事録はこちらにあります

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 森守議員 (自民党)

最後に、公共建設における間伐材の利用について伺います。
 この質問も、私のライフワークの一つと考えていきたいと思います。
 日本の国土の六八%が森林であります。森林は、国土を守るための機能を多く持っています。例えば、奇麗な水を作り、貯めておく保水機能と水質浄化機能、そして、大雨などでも土砂が流れにくい土砂流出抑制機能などです。
 私は、この他、美しさを挙げたいと思います。新緑の季節、また、紅葉の季節、大いに私たちを楽しませてくれます。
 さらに、森林と海との関係では、海のプランクトンが豊富にあるのは森林のお陰と、東北の、あるカキの養殖業者は述べています。
 森林の持つ多面的な機能はこれだけではありません。地球温暖化防止であります。なかなか進まない地球温暖化対策です。
 日本ができる対策の一つとしては、森林を保全、整備することであります。手を入れないほったらかしの森林は、太陽が根元まで届かず、荒れ果てて、山は死んでしまいます。木の根が浅く、大雨が降った後に地滑りを起こします。ですから、間伐の作業が必要となります。しかし、森林従事者が減っており、その対策も重要になっています。
 区の公共施設建設については、既に、環境に配慮した施設になるよう、省エネルギー対策も配慮した太陽光発電、屋上や壁面の緑化など、建設施工に取り入れており、評価いたします。その中で、木を使った施設も多くなっているような気がします。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の象徴的な施設である新国立競技場も、木材をふんだんに使った設計となっているのは喜ばしいことであります。
 私たち会派は、昨年度の視察で、富山市のTOYAMAキラリを見てきました。この施設は、図書館とガラス美術館が一体となった建物で、平成二十七年五月に竣工しました。富山市の新しいシンボルとして設計されたのであり、市街地のど真ん中に立地してあります。
 そして、何より、ふんだんに富山県産の杉材を使っており、玄関に入場すると杉の香りが漂い、温かみのある雰囲気を醸し出しています。館内は吹き抜けとなっており、幅の広い厚い杉材がその吹き抜けを包んでおり、壁や天井も杉材を使用しており、温かみのある空間ができ上がっています。
 杉の板を並べると、約十キロメートルもの長さになるそうです。本当にすばらしいと感じた次第です。
 平成二十二年に、公共建築物等木材利用促進法という法律ができました。これを受けて、既に県レベルでは国産材の利用に取り組んでいるところもあると聞いております。
 本区においても、学校施設快適性向上事業の中で、木材を大いに利用した箇所があります。廊下の壁面改修などに木材を使いました。この学校を視察しましたが、木の温もりがあり、温かみを感じました。学校も、地域の評判は良いとのことです。
 日本各地で木材をふんだんに使った施設ができています。私の知っている情報でも、三階建ての校舎を木造建築で行っているところがあるようです。
 区内では、防火地域との関係でそこまではできませんが、できるだけ、公共施設の建設に当たり、木を取り入れてほしいものです。
 そこで質問ですが、これまでの取組の実績と、今後、小学校を始めとした幾つかの公共施設建設に当たり、木材利用の計画についてお答えください。
 また、木材利用の促進から、様々な取組を行っている自治体もあります。植林や木工体験、また、二酸化炭素固定認証制度を導入した区もあります。
 改めて、木材の利用と環境貢献といった点で、施策の取組を研究してはどうかと思いますが、区長の見解をお聞きします。

成澤区長(答弁)

最後に、公共建設における間伐材の利用に関する御質問にお答えします。
 まず、木材利用の実績と今後の計画についてのお尋ねですが、これまでも、保育園や図書館などの改修工事や、小学校六校、中学校五校の学校快適化工事において、国産木材を使用してまいりました。
 本年度は、小学校四校、中学校二校で国産木材を使用することとしております。
 今後予定している小学校等の改築工事についても、国産木材の利用を進めてまいります。
 次に、木材の利用と環境貢献の視点での取組についてのお尋ねですが、区では、環境基本計画に基づき、地球温暖化防止対策や低炭素・循環型社会の形成に向けた様々な取組を進めております。御指摘の視点での施策も重要であると認識しております。
 環境教育として実施した昨年の親子環境教室では、森林の役割について楽しく学びながら、親子でクリスマスリースを作り、自然や環境に対する意識の高まりが見られたところです。
 今後も、普及啓発活動や環境教育を実施するとともに、木材の利用と環境貢献といった視点から、先駆的な施策について、更に調査研究してまいります。 

「先駆的な施策の検討調査検討」がどんなものか、興味がありますね。追って報告します。

koklunai13-3i(bunmokuzai2)

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