区分 |
対象文書の記載内容 |
左の行政の課題認識 |
コメントの方向性 |
(1) F0-001 (森林経営活動)方法論の見直し |
|
対象となる文書 |
F0-001 (森林経営活動)方法論 |
森林吸収量のインベントリ報告では、伐採木材製品(HWP)を森林の炭素プールの一つとして扱っているが、Jークレジット制度においては、生体バイオマスのみを算定対象としており、プロジェクト実施地から生産された木材製品中の炭素固定量については、吸収量として評価する仕組みとはなっていない。 |
現行の方法論F0-001が、主伐即排出を前提にした不自然な形態なので、伐採後の木材の利用形態を念頭において固定量を推定し、方法論の吸収量の算定を拡大することは、大切な改正。 ただ、想定されるクレジット付与先が川上(林業)と川下(需要者)の二つが想定される中で、前者のみが対象となっているが、後者を対象とした方法論を是非検討いただきたい。 |
|
改訂の内容 |
プロジェクト実施地から製材用及び合板用として出荷される伐採木材(主伐材・間伐材)の炭素固定量のうち、永続的とみなされる期間にわたって固定され続ける炭素固定量を算定対象に追加 |
|
伐採された木材が市場に出荷された段階で、どのように利用されるかは不明なため、保守的に慎重に長期にわたる固定量を推定するという考え方は納得できる。
ただ、それを前提にしても、製材と合板用に出荷される丸太だけが対象とするのは不適切でないだろうか。統計上把握可能な出荷先の中で、「その他」、とか「チップ用」に出荷されるものの中で、パーティクルボードとかチップボードなど、建築材料に加工される可能性のある木材量の推定が必要だと思う。 |
|
|
建築用、非建築用にわけて、90年度の残存率を数値の基礎とする |
|
他の方法論の見直し |
|
政策目的との整合性 |
川下の方法論を作成しない |
(様々な制約から)建築物に限られるため、クレジット制度は必ずしも木材需要を喚起するための有効な政策ツールとならない(のではないか) |
しかし、木材需要を喚起するには、消費者・需要者、特に大手の企業の木材需要の認識を転換することが重要である。環境パフォーマンスデータの開示などで対外的に自社の社会的・環境的貢献をアピールする道を探っている企業が、自社のシンボルとなる本社ビルなどの木材利用についてJクレジットの認定をうけることがあれば、その量にかかわらす、極めて重要な木材利用推進の契機となる可能性がある。 |
|
永続性の担保 |
建築材料等として利用された木材製品の永続性の確保までは政策的に担保することは困難 |
永続性を100年間という期間で考えた場合、それを担保することは工夫がいるが、建築関係者の中でも建築物の永続性を強調する動きもあり(金田正夫「省エネでなく省資源」など)、100年を担保する方法、仮に当該建築物が80年後に建替えられた場合、木質部材の再利用の確認など様々な方法を担保することができるのでないか?建築関係者とともに検討進めていただきたい。 |
|
NDCとの関係 |
国産材と輸入材との扱いを差別化することが困難となり、NDCに貢献しないもの(輸入材由来の木材製品)をクレジットの算定対象に含めることとなることにも留意が必要 |
輸入材を100年間固定するというプロジェクトがあったとすると、もちろん日本のNDCには貢献しないが、グローバルな目的に貢献する、世界へのアピールになるだろう。 |