8月28日開催されたウェビナー(グリーン購入法制定20年:グリーン調達の現状と最新の事情)(名古屋大学大学院 環境学研究科 持続的共発展教育研究センター主催)に主催者からの招待もあり、コメンテーターという立場で、出席しました。
基調報告はセミナーのタイトルになっている、グリーン購入ネットワーク事務局長深津氏のグリーン購入法制定20年:グリーン調達の現状と最新の事情
SDGsの12番目に「作る責任使う責任」という目標があり、12.7に「国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行 を促進する」というのがあります。グリーン購入法をどの国も作りましょう!
ただ、右の図はSDGsの達成状況を目標ごとに見たものですがSustainable Development Report 2019、目標12は日本の達成状況がきわめて低い分野なんだそうです(右の図)。
15年もまえから合法性が確認できないと木材製品の政府調達ができないと、いっている木材関係は、他の分野より進んでいるみたいですね。
また、報告の中では、地方自治体の地域材利用の取組などが紹介されました。
「次のいずれかの条件を満たせばグリーン購入適用基準を満たすと判断します@埼玉県内で生産された木材を原料としていること、Aボイラー及びストーブは木材を燃料として使用していること(秩父市)」平成 27 年度版秩父市グリーン購入重点品目及び調達目標ガイドライン19ページ秩父市独自のグリーン購入重点品目(埼玉県産木材)
などなど
基調講演がおわりディスカッションの時間に。
コメンテータとしてコメントと質問内容は、以下の通りでした。グリーン購入法ができて7年目の環境物品リスト改訂で合法性が証明された木材製品を優先購入となり突然「名古屋大学の学長室の本棚は木製の場合は、違法伐採でない証明書がいる!」
私自身が、どうして証明するかとという作業にかかわったので、思いはいっぱいでした。
T グリーン購入法の大切な役割
(市場の役割)
マーケットは消費者に世界中の原料を組み合わせた素晴らしい性能のものを安く提供してくれる。自動車をみんながもってどこでも行ける、ネットで世界中の人とつながれる。昔はどんな偉い人もできなかったことを皆ができる社会。この100年ほどの、自由な取引のマーケットがしてくれた。
マーケットがしてくれない、ことがいくつかある。環境問題と経済格差問題・・・どうするの?
(環境問題は市場が解決できない問題、ではどうする?)
温暖化問題は気候変動枠組み条約(1992年)で対処しよとしている。条約とは国と国との約束。1992年の地球サミットで気候変動枠組み条約、生物多様性条約、砂漠化防止条約の三つができたが、もう一つ条約を作ろうとしていた。これが国際森林条約。熱帯林破壊が進んでいる!だが条約は途上国の反対でできなかった。国がだめなら、消費者とNGOが一緒になって!FSC・PEFCという確り管理された森林からの製品を買おう!まさにグリーン購入!
(行政だけでは解決できないー市民と企業と行政が)
グリーン購入法はグリーン購入の市民運動を国が後押し、ということで、市場ができない難問を、市民と行政が一緒になって!という大切なもの。
2007年の環境物品リスト改訂で合法性が証明された木材製品を優先購入となった。「名古屋大学の学長室の本棚は木製の場合は、違法伐採でない証明書がいる!」
どうして証明するかというと、業界団体がある基準で認定した会員が分別管理する責任をもって、木材事業者が連携して家具屋さんの要求に応える。合法木材ナビ
その時私は、全木連という団体で仕事をしていて、ネットワークの拡大の手伝いをした。
環境問題に行政、消費者と業界とが一緒になってとりくむ仕組み作りにグリーン購入は大切な役割を果たしました。今後も期待します
U質問
Q1 グリーンは環境だけなんですか?
東京オリパラの調達方針の「先住民の権利への配慮」、「労働安全」という環境以外の社会問題がある、格差の問題といってよい、児童労働など。グリーン購入はそこまで視野にはいっているのか?
A1 今回のプレゼンでも一つのテーマとなった大切な視点です
Q2 グリーン購入は誰が牽引するんですか?市民か企業か
英国がFSCのシェアが8割と聞く。何故なのかと聞くと大手の小売りチェーンに力だだという。企業の社会的責任。企業をどう巻き込むかが大切だが。どんな戦略?
Q3 自治体のグリーン購入で地産地消はいいのですが、少し注意が
ウッドマイルズフォーラムという団体に参加。輸送過程の環境負荷が大きいので、地産地消は大切。ただ、「自分の町のものを買いましょう」と町長がいうのはグリーン購入の視点でないときもある。票とお金が欲しいだけ(の場合も)。気を付けましょう。
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最後にコメントを求められ、二点
○WTOの話が出てきました。国の場合は、政府調達で自国製品を要件とした基準をつくるとWTO政府調達協定(第3条)違反。たぶん、市町村のものを買わなくてはいけないという規定があるのはWTO条約との関係でのは気を付けなくてはいけないかもしれません。
○今後を考えると将来の教育で、子供にどう引き継ぐかが大事ですね。学校の給食の環境に優しい素材、校舎を建てる時の地域の木材利用など。身の回りのグリーン購入の成果を丁寧に子供に伝えることが大事になっていので、今後とも宜しくお願いします。
記録画像がこちらから見ることができます(深津氏の基調講演、趣旨説明、ディスカッション)
関連情報が公開されたらまた情報を追加しますね
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