自治体が取り組むカーボンニュートラルと森林木材ーもりや市民大学の公開講座から(2022/7/1)

6月18日、茨城県守谷市が主催する「もりや市民大学」の公開講座で「カーボンニュートラルな社会と森林や木材の役割ー地球環境問題へ守谷市民のできることは?」というタイトルで話をさせていただきました。

左は、大学のサイトが市民に知らせたイベントの内容で、タイトルは「いま話題のカーボンニュートラルを語る!それは何?市民にできることは?でした。

日曜日の午前中市民会館に50名程度の市民があつまり、松丸市長もおいでになり・・・、カーボンニュートラルという大きな課題に取り組む、自治体にとって、森林や木材がどんな役割ができるのか、できないのか、本当に勉強になりました。概要を報告しますね。

(皆さん、何を聞きにこれたのかな?)

大学の運営責任者、学長さんはちょっとした知り合いで、ニュースレターの読者。森林関係のもと行政関係者に一度登壇してもらったらどうか、ということで、このチャンスをいただきました。

森林や木材の話をカーボンニュートラルCNを切り口にして、話をしようということで、私の話のタイトルを決めたんですが(右の図)、大学のスタッフ方は、「おーカーボンニュートラルCNの話・・・なんだ」、ということで、左のチラシができたんだと思います。(裏話は以上です)

チラシを見ながら、CNしっかり勉強して臨みました。

というこで、自己紹介の前に、上記右の図を紹介しならが、最初の三行で、みなさん、一つだけ関心があるとしたら、どの行ですか?と質問しました。結果、@カーボンニュートラルの社会は?(20人)、森林や木材に役割は?(5人)、地球環境問題へ守谷市民のできることは?(20人)

順番に話の内容を紹介します。(プレゼン資料はこちらにおいておきます

(カーボンニュートラルって何?)

環境省の脱炭素ポータルというサイトでは、「2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。」
と書いてあります
全体としてゼロとは?
左の絵の右側にあるように、右の下にある「ーCO2」って何?

そうです、吸収量ですね。
つまり「全体とてゼロにする」とは
「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します」と(林野庁のサイトでなく)環境省のサイトに書いてあります。
(と本日の話をPR、「CNを知るには森の話が重要です」)
気候変動の話をする時に私が最もインパクトがあった、一枚の図を皆さんに紹介しています。
40万年前からの大気の2酸化炭素の濃度のサイクル。10万年ごとにゆっっくりと循環してきた流れが、200年前から破壊された。
気候変動でどんなことがおこるかわからない面があるけれど、突然循環社会でなくたったことが、はっきりわかる。
どうしても皆でCN
 環境省も経産省も、関係サイトを見ると、50年までにどのようにCNにするか、シナリオができているわけではない。
みんな一緒に考えましょう!!
と言っているんです。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて〜地方からはじまる、次の時代への移行戦略〜
CNのセッションの最後にもう一枚。どうしもご紹介したかった一枚です。
「カーボンプールCPの形成期は森林が大切な役割を果たした。
化石資源がCPの崩壊期を演出
CP再構成期には再び
森林と木材が主役に」
と、林野庁が言ってる・・・
のでなく
「Buildings as a global carbon sink」という記事が、あの、Nature Sustainability」という有名な学術誌に(Published: 27 January 2020)載っています。
とPR
カーボンニュートラルって何?(まとめのページ)
温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにすること。
排出量と吸収量をあわせて全体としてゼロにすること
市役所と市の企業と市民がみなで協力して全体としてゼロにすること
CNにならないとどうなるの?どうやって、CN実現するの?
干ばつ、豪雨、熱波など異常気象だけでなく、循環しない社会が続く!!
CNへの道筋(みんなで考えましょう!!)
森林とカーボンとの関係は?
森林は、過去に地球のカーボンを制御してきた歴史がある(CP形成期の主役)、CP再構築気に森林と木材が再び主役になるかな?

以上でまえがき部分(皆さんが一番聞きたかった部分)終わり

(世界の森林と日本の森林ー木材を利用するとどんなことになるの?)

いよいよ本論ですね。

世界全体の森林は陸地の3分の1ですが、面積が少なくなりつつあり、世界の森林はGHG排出源。
昔は先進国の発展の基盤づくりに先進国の森林が減っていた(左の図)。
それでは、途上国が発展の基盤づくりに熱帯林を森林を減らすと、地球環境問題が!、という複雑な問題。
難しい問題ですが、海外の森林問題、守谷市民ができることがあります(後述少しお待ちください)
日本の森林は、国土の2/3森林大国で、森林面積は50年間変化がない。
そして森林の蓄積は人工林を中心に増えつつあり、吸収源です。
2020年の2020年度の総排出量は11億5,000万トン(CO2換算、以下同じ。)、前年度比▲5.1%。
2020年度の森林等の吸収源対策による吸収量は4,450万トン。
「総排出量」から「森林等の吸収源対策による吸収量」を引くと11億600万トン(前年度▲6,000万トン)、

すこし、吸収量が減り気味
人工林が高齢化しつつあり、それが、森林の吸収量が下がる一因。

そこで、木をつかって、森林の活力を維持することが大切になっています。
きった跡が、しっかり管理されて、再造林されることが大切ですが・・・
特に建築物のに使われる木は、長年固定されるので大切です。
カーボンニュートラルに関して、建築に木を使うと木の固定量が蓄積されるだけでなく、
鉄やアルミなど他の建築資材が、建築に利用されるまで、大量の温室効果ガスを排出して加工されるのに比べ、木材は加工輸送過程のGHG排出量が少ない、化石資源代替機能というのもあります。
 これから、木材を使おう!とされるとき、一つ注意点があります。
違法伐採問題です
2014年の丸太と製材に係る違法伐採木材の貿易額は世界で63億ドルで、全取引量の11%という報告があります
 違法伐採問題に対処するため、FSCとかPEFCとか民間団体のサプライチェーンの仕組みがあるし、クリーンウッド法の登録制度、業界団体認定制度など、国や業界の努力もあります。
クリーンウッド法が、改訂作業に入りますので、関心を持っておいてくださいね

(カーボンニュートラルに向けて守谷市民のできることー守谷市はすごい!!)

第3部の守谷市での可能性。この部分は私が勉強する部分でした。守谷市の活動パフォーマンスはすごいんです。

全国で、700を超える、自治体が2050年までに、カーボンニュートラルにすると宣言しています。
2050年 二酸化炭素排出実質ゼロ表明 自治体 2022年5月31日時点
守谷市は2年前に宣言、全国で100番目ぐらいのトップランナーです。

「皆さん知っていますか?知らなかった人手を挙げてください!」といったらほとんどの方が手を挙げた。
(カーボンニュートラルに関心があって、日曜日の朝に大学に聞きにきた、方が自分の市のCN宣言をご存じない?!)

最前列においでになった市長は苦笑い。
市が今年の1月に作成した、第二次緑の基本計画
その内容を見ると、都市公園が70ha、公共施設の緑地100ha、河川地区、農用地など法律で規制された緑地が1700ha(その中に森林が192ha)などなど、全市域の45パーセント1700haが緑地なんだそうです。森林は市域全体の5%

緑豊かな守谷市ですね
(都市緑地と都市地域の森林の連携したガバナンス、課題だともいました。多分森林の吸収量の推定などの手法が、都市公園などの緑地ではまだできていないんではないかな?)
令和2年から、国土交通省が「グリーンインフラに関する優れた取り組みの事例を表彰し、広く情報発信することを目的に国土交通省が令和2年度から新たに創設した表彰制度」グリーンインフラ大賞、

第1回グリーンインフラ大賞「国土交通大臣賞」を受賞しています

すごいです

といって、皆さんご存じですよね?
といって手を挙げてもらいましたが、ほとんどの出席者が「初めて聞きました。」

大和総研のサイト、木の校舎から学ぶこと〜茨城県守谷市立守谷小学校〜という記事が掲載されています。
「木材を活用した学校施設づくり講習会 (主催 文部科学省、後援 林野庁)で見学した、茨城県守谷市立守谷小学校(平成 24 年 7 月完成)に ついて紹介します」
これも、皆さんごご存じない
市町村の木材利用を支援する新たな財源森林環境税・森林環境譲与税ができて、守谷市にも500万円ほどきているので、これを活用して木の建築によるCN、知恵を絞ってくださいね!
東京ガスと、東部ガス、二社と守谷市が一緒になって、「カーボンニュートラルのまちづくりに向けた包括連携協定」を締結したんです

本協定に基づき、カーボンニュートラルへの取組を含めた様々な分野で連携を強化し、ゼロカーボンシティ実現に向けて継続的に取り組んでまいります・・・・
興味津々ですね
他人ごと見たいで済みません
一番最初の方でお話した、熱帯林の減少問題。
その原因の一つが、熱帯産の農産物の生産過程が、熱帯林を破壊している
それで、ゼロでフォレステーション農産物という世界が少しづつ広がっています。
ゼロ・デフォレステーションの取り組み−サプライ・チェーンを通じた途上国の森林減少抑制−
 熱帯林に負荷をかける可能性のあるパームオイルは、スーパーに並ぶ商品の約半分に含まれている
パンや、ポテトチップスなどの加工食品に多く含まれている。食品への利用が全体の8割を占める
その他、食器・洗濯・掃除用の洗剤やシャンプーにも使用され、石けんには主成分として含まれている

RSPO認証製品をチェックして下さい
(第3部のまとめ)
 カーボンニュートラルへの守谷市の素晴らしい取組しています!!(まだ始まりですが)
守谷市の土地の利用と市民と森林のかかわり(グリーンインフラ大臣賞守谷市の素晴らしい取組、市役所緑の基本計画を、温暖化対策計画に入れてくださいね)
守谷市役所の木材利用(守谷小学校の取組、今後は森林環境譲与税というのがあります。)
守谷市民の環境にこだわる消費(木を使う場合、食用油を買う場合などなどゼロデフォレスステーション(森林破壊を避ける)製品を選んでください)
(全体のまとめ)
カーボンプールを作成するのに森林は大切な仕事をしてきた(CP形成期)、再びカーボンプールを再生させるにも森林や木が大切な役割を果たす可能性(CP再形成期)カーボンニュートラルな社会と森林や木材の役割
木を使うことは温暖化対策で重要なテーマ。そのほかにも木が主役になると環境と人に優しい社会をつくることができる。ただ、注意すべきことがあります。
守谷市がカーボンニュートラル実現へ公約。行政と市民と企業が手を取って新しい社会をつくる提案に、皆が注目しています。
緑づくり、木の利用、ゼロでフォレステーションの商品選択等々、今後の挑戦を期待しています
 

(すばらしい!だけどこれからの長い道のり)

楽しい、時間を過ごさせてもらいました。(プレゼン資料はこちらにおいておきます

 次世代に循環型社会をつくるために、2050年カーボンニュートラル社会をつくっる仕事は大切な仕事です。

全国で、700を超える自治体がCN2050を表明しているけれど、具体的にどう進めるかはデザインされていません。皆で考えましょーというところなんですね。

現在脱炭素先行地域というのが、選定にはいっていて、4月に第一回の26件が公表せれています。今後、当然守谷市も先行地域に入ってくることは、間違えないと思います。

市長がおっしゃっていた、「緑あふれる守谷市が新たなカーボンニュートラルを実現!」といったとい熱意に、共鳴しました。

みなさん、どうもありがとうございました。

守谷市の今後の取組、その他の先行地域の取り組みをフォローし、脱炭素先行地域づくりガイドブック等なども、勉強しながら、CNにむけて、緑の吸収源としての取組の可能性を探っていきたいと思います。

kokunai4-49<CNmoriya>

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