シンポジウム農山村と芸術ー躍動するコミュニティーアート(2025/10/30)

10月11日開催された、林業経済研究所がかかわっている、シンポジウム農山村と芸術ー躍動するコミュニティーアートに出席してみました。

このイベントの報告は、毎年林業経済研究所が発行している月刊誌林業経済3月号に詳しく報告されます。少したてばネット上にも掲載:過去のサンプル:プログラム(2020年国土緑化推進機構「緑と水の森林ファンド」助成シンポジウム:グローバル森林新時代─森林減少ゼロ・SDGs・循環型社会を目指して─

ということで、このタイミングでこのサイトでの報告はすこし慎重にしなければならないのですが、ほんの、さわりと、少し気になったことがあったので、その限りで報告しますね。

是非林業経済誌お待ちください。

今年のシンポジムムのタイトルが:「農山村と芸術」?!

過去のテーマをみると、2023年「森林と健康の新時代ー脱コロナ禍の若者たちへー」、2024年「広葉樹 新時代─変動する世界市場と国産材利用への道」、その前のリストはこちら

森林の機能の様々な面を切り取りながら、市場や政策に関連するテーマを議論していこうというストーリーですが、「躍動するコミニュニティ―アート」はどのような社会的・経済的インパクトを農山村に与えるのだろうか?そんな問題意識で出席していました。

ーーーーーフライ―に書いてあるイベントの趣旨は、以下の通り

「農山村地域をフィールドとした芸術活動が全国各地で見られるようになりました。これらの芸術活動(コミュニテイアート)は、地域において等閑視され失われつつあった価値を再評価し、あるいは埋もれて見過こされてきた価値を新たに発見してきました。ポストコロナの今こそ、芸術の持つ力に注目すべき時です。本シンポジウムでは第一線で活動する方々をお招きし、農山村地域における芸術活動の意義を明らかにするとともに、その発展に向けた課題について、じっくり議論したいと思います。」

ーーー以上イベント趣旨

プログラムにそって、3名の報告者の報告の紹介をしてまいります

((第一報告「アートがひらく地域のこれから」))

登壇者:五島朋子氏:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター教授

鳥取県内の8つのプロジェクトにうち以下の5つを紹介れました
鳥の演劇祭(鳥取市鹿野町) 2008-
西郷工芸祭り(鳥取市河原町) 2016-
鹿野芸術祭(鳥取市鹿野町) 2016-
イトナミダイセン芸術祭(西伯郡大山町) 2012-
ちづの町と森の演劇祭(智頭町) 2024-

成果:アートプリジェジェクトへの期待として、以下の4点を提示されました(配布資料①P6)

①経済産業への効果(新たな観光資源、地域の雇用創出、地域資源を生かしたコミュニティビジネスの誕生、老朽化施設の利活用な②まちづくりへの効果(交流人口の増加、地域の魅力の再発見、シビック・プライドの醸成、U,I,Jターン、新たなコミュニティの誕生など) ➂市民参加の醸成(プロジェクトヘの主体的な参加、地域活動の活性化、新たな活動の誕生など), ④様々な社会的課題との接続

配布された資料→こちらから::①主たる配布資料アートがひらく地域のこれから②具体的なプロジェクトへのQRコードなど

((第2報告「農村舞台に火をともせ~現在(いま)によみがえる祭りと繋がり~」))

登壇者:柳沼昭徳氏(劇作・演出家/劇団「烏丸ストロークロック」代表)

兵庫県豊岡市但東地域の小中学生と住民たちが共同で作り上げる舞台作品但東さいさいを紹介されました。

成果:配布された資料に以下の記述があります

人口減少と高齢化が進む但東地域において、眠っていた農村歌舞伎舞台や民話といった文化資産に光を当て、新たな地域の祭リを創出する試みです。年齢や世代を超えた交流を生み出し、将来的には地域主導の祭りとして未来へ継承することを目指しています。(資料1p)
アーティストである劇団による、いち公演にすぎなかった「但東さいさい」。年を経るにつれて協力する団体・企業・地元住民が増加し、また但東地域のレギュラーイベントとして継続する声が高まりによって、地域主導化が進められてます。(資料p4)

配布資料→こちらから:「農村舞台に火をともせ~現在(いま)によみがえる祭りと繋がり~」

((第三報告:「地域芸術祭を軸としたまちづくりと地域資源の再評価」))

登壇者:兒玉綜美氏(NPO法人クロスメディアしまだ理事長)、大石歩真氏(NPO法人クロスメディアしまだ理事)

静岡県島田市のUNMANNED無人駅の芸術祭/大井川を中心にプロジェクトの説明をされました

成果:

「脈々と続く集落の営みや活動と、現代アートの表現活動を融合させ、大井川流域の新たな視点と新たな価値の創出をはかる」という趣旨。(資料p6)のもと、①住民主体「住民が主役になる芸術祭]、②生活に寄り添うアート[アートによる掘り起こし]、➂新たな価値の創出[地域における資源評価の拡張]という視点で取り組んだ(資料p7)

住民の主役は:住民は:最初は鑑賞者や近所の人として関わり、やがて協力者・参加者へと役割を広げていく。その関わりの積み重ねが、芸術祭・アート作品を「自分たちの財産」と感じる当事者意識へとつながる。芸術祭の真の成果は、住民自身が主役となり、地域の誇りを育むことにある。(資p9ー10)

アートによる資源の掘り起こしと可視化の一つに、「林業の視点Xアート活用」という記述があり(資料p13)

森林景観→文化的景観:く山林や木立の風景を舞台に作品を設置し、単なる資源空間から文化的景観として昇華>

伐採•森林形成の歴史→再解釈:く木材利用の技術や歴史を体験型インスタレーションで表現し、現代的に再解釈>

伐採•森林形成の歴史→再解釈:く木材利用の技術や歴史を体験型インスタレーションで表現し、現代的に再解釈>

と記載されている

配布資料→こちらから:地域芸術祭を軸とした、まちづくりと地域資源の再評価

3名のプレゼン内容は以上です

農山村地域をフィールドとした芸術活動が全国各地で見られるようになっているようなので、森林地域の活性化や、森林が提供する文化的、社会的サービスを可視化する動き進展する切っ掛けになりそうですね。

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