「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の公表ー(一社)プラチナ構想ネットワーク(2023/6/10)

前にも活動の一端を紹介しましたが、元東京大学総長現三菱総研理事長小宮山宏さん主導されている、「地球が持続し、豊かで、すべての人の自己実現を可能にするプラチナ社会の実現を目指すプラチナ構想ネット―ワーク

その団体の「プラチナ森林社会ネットワーク」という組織が、「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」という文書を公表しました。

森林関係者でもない、持続可能な次世代の豊かな社会を実現して行くために集まった人たちが、日本が輝く森林循環社会、どんなビジョンなのか?どのような道筋なのか?

全体が、31ページの力作です。前文を参照しながら、全体のストーリーを紹介しますね。

(ビジョン2050とは)

「我が国が豊富に有する森林資源をバイオマス化学・木造都市など多面的・循環的に最大限活用し、脱炭素化、経済安全保障強化、地方創生及び森林文化の醸成を同時実現することを目指す(ことです)。

ビジョンの実現により、現在の4 倍の森林資源活用、1割のCO2 削減、3.6 兆円/年の輸入削減、4.7.兆円/年の直接効果が生み出され(るとされています)

(どのような道筋でそんな社会になるの?)

3つの基本戦略が掲げられています。

1 つは「石油化学からバイオマス化学への転換」

プラスチック等の化成品の原料を、石油原料からバイオマス原料に転換する(のだそうです、すごく大きなハードルがありそうだど、化学業界のメインストリームの人たちはやるんだ、と宣言(あとで名前のリストは紹介)!!これが今回の公表に一番大きな意味ですね))。

既存のプラスチック等のリサイクルの徹底はもちろん行い、これにより、2050 年には新たに3,570 万?の木質バイオマス需要が生まれる(こといになります。どんな供給体制が必要か?)。

2 つめの戦略は「木造都市の展開」

2050 年までに9 階建て以下の新規建築物の全てを木造化・木質化し、都市に「第二の森林」を形成することを提案(しています。これは今までストーリーでもありますが、をさらに一歩前進!世界で一番進んでいる日本がさらにリード、消費者と連携したサプライチェーンの展開などなど、頑張りましょう)。

2050 年の木質バイオマス需要は、現在の3,650 万m3から6,240 万m3に増加(します)。また、現在から2050 年までの間に都市で固定される炭素貯蔵量の累積は6 億6,700 万t-CO2 となり、わが国の森林の炭素固定量の約1 割に相当。

3つめの戦略は「森林林業の革新」

上記のこのような木材需要の拡大をトリガー(引き金)として)、林業経営の強化などを着実に実行し、日本の豊かな森林資源を適切に管理・活用すれば、現在の4 倍の国産木質バイオマス供給が可能となる(逆にそのような林業経営の抜本的強化が行われなければ、うえに書いたようなことは絵に描いたもちになるということですね)。

そして2050 年には、わが国が必要とする木質バイオマス需要の全てを、国内の森林資源で確保することが可能となるの(でーす頑張りましょう)。

以上です

(どの程度のハードルがあるのかな)

このページの読者は2番目と3番目の提起がどんな課題の生み出すものかは、想定できるでしょうが、第一の化石化学からバイオマス化学のはなしって、いったいどんなハードルがあるのか想像できませんね?

ちょっと本文に張り付けてある図を少し紹介しますね。

右の図が、化学製品を製造過程の流れ図(フロー現時点)

製造される製品は、右側に列記されている合成樹脂、合成ゴム、合成洗剤、合成繊維・・といったスーパーで皆が買っている日常製品(かそれを最終製造する材料)です。

そして供給過程で投入されるのは、輸入原油、国産原油、輸入ナフサの三つ、これがナフサという有機化合物の中間原料に加工されて投入。

すごく効率的な供給過程ですね。もともと化石資源も古代の植生が構成した有機化合物なんでしょうが、化石になる過程で単純化して、使いやすい形に・・・効率的に。

さて、木質バイオマスを原料とした化学製品のフローは、書いてありませんが、右側の製品は多分の同じ、左側の投入過程が、さまざまな原料の生育過程に規定された、すごく大きなハードルあるんだと思います。

関連した記述が左の図です。

最後の□、バイオマス化学への転換には化学品の特性にあった、多様な技術の開発・活用・実装を推進。(既存のプラントも使えればいい)

石油化学からバイオマス化学へ大きく転換するための、すごい宿題、ですね。

すこし、国内の先進事例を紹介されています(右の図など)。

本当にこんなことができるか、よくわかりませんンが・・・・。

前にも記述しましたが、今回の公表の重要なのは、化学製品製造のメインストリームにいる多くの企業が、「先頭にたってやりますー 」と自分で声を上げたことですね。

左の図、最後のページに参加者リストがあります。その中で化学産業にかかわっているのは?

出光興産株式会社/宇津商事株式会社/AGC 株式会社/ENEOS ホールディングス株式会社/双日株式会社/太陽石油株式会社/株式会社トクヤマ/山一興産株式会社/株式会社リグノマテリアかな(化学製品製造流通分野の企業で抜けていたらごめんなさい)

そして、消費者の人たちは、石油化学製品より、バイオマス化学製品が少し高いけれど、運動を起こすために協力してください(p6)


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