木をつかってサステイナブルな社会を!ー全国木材産業振興大会から(2023/12/10) |
第57回全木木材振興大会群馬大会が10月19日に高崎市で開催されました。 ことしは別のイベントと重なって出席できなかったのですが、配布資料をいただいて見てみたら、大会宣言のタイトルが、「木を使ってサステイナブルな社会を!」 いままで、主催者としてかかわったことのある木材事業者大会ですが、どんなタイトルだっかな?という気になり、今回の大会を、過去の大会との関係で振り返ってみました。 全国の木材関連事業者が集まり、政府へ・国民の皆さんへ情報発信をする年一回の機会を集約したものが決議文です(右の図)。 最近の内外の情勢認識を踏まえ、最後の節(上の赤□)で、課題を明確にまとめたうえで、「そのため、次の事項について、皆さんと連携して、英知を結集して取組む!!」として6点の具体的決議文。という構成になっています。(ほぼ毎年同じ) 決議文の1つ目は、「都市(まち)の木造化等木材利用を積極的に働きかけるとともに、国民理解の醸成に取り組む。」ですから、自分たちのビジネスが進むように、需要拡大しよう、ですのでどの業界団体もいっているメリットをもとめた決議文です。 そして、そのための行政支援をもとめる4番目とか、需要拡大の前提の技術開発(5番目)、人づくり(6番目)など、目先にとらわれず、木材業界の発展のために頑張りましょうね・・・ 業界団体の情報発信の当然の決議文がならんでいますが・・・・ 赤で囲った二つの決議事項に注目してください 2. 持続性の確保された木材の利用及び山元への利益の還元と再造林できる体制の構築に森林・林業、建築業界と一体となって取り組む。 3. 令和7年の改正ワリーンウッド法施行に向けて合法伐採木材だけが流通•利用されるように取り組む。 供給サイトに再造林できる体制整備のために、利益の還元!!ですから、製品を高く売って(利益)、原料を高く買います(還元)そして再造林につなげる(2番目)。クリーンウッドだけを流通させるようにします(取り組むだから、そうするように頑張りますかな)(3番目) 全木連という社会的責任をになった業界団体なんでこの程度のことは、当然、と考えるか方もいるかもしれませんが、(過去に事務局にいてこの決議の作成過程にかかわってきたことも踏まえて考えると)重要な決議文だと思いました。 (過去の決議文との比較) 持続可能な森林経営のための勉強部屋でも気になっていた、木材をたくさん使うだけでなく、次世代の森林づくりへの意欲と、クリーンウッドへのこだわり。 インパクトがあったので、どんな経緯かと、昨年の大会10年前の大会の決議と比べてみました。 2番目は昨年初めて入ってきたフレーズの2年目、3番目は今年初めて、です。 (合法伐採木材=クリーンウッドに関する決議文) 違法伐採問題が課題に課題になり、グリーン購入法により公共調達で合法性が確認され木材しか買わないとなったのが2006年。それ以来、全国大会の決議文の中に合法木材の供給といった言葉は、決議の中の文章の一部に入っていたのですが(10年前のものは私も作成過程で参加してました)・・・JAS材など品質性能の確かな木材とセットで一つの決議になってきました。 それが、今回初めてクリーンウッドに関する事項が一つの決議になり、そして「クリーンウッドだけが流通利用されるように取り組む」!。素晴らしいですね!! (山元への利益の還元・再造林の体制) 前述の議決の3は、一昨年の記述にも「森林資源の循環利用を実現するため、森林環境譲与税等も活用し、山元に利益を還元できる体制の構築に森林・林業、建設業界と一体となって取り組む。」といった決議があり、全木連決議の重要な要素になっていたのですが、「再造林」ということがはいてきたのが、昨年からです。 森林資源の循環利用という、しっかりたコンセプトを打ち出していたのですが、この木の由来の皆伐跡地の再造林はどうなっている?と具体的なわかりやすい提示がさえれたことが大切ですね。 (決議の重みがどの程度?) 森林の関係者、建築関係者などで、木材事業者との取引をされている方は、是非全木連の決議話をしていただきたですね。 ご自身が木材事業を営んでいる方はもちろんなんですが、知人にそのような方がいたら・・・自分の世代だけでなく次世代のビジネスの課題、であり日本社会の課題を背負った、この決議の素晴らしさが、訴求されるように、頑張りましょう。 junkan3-29<mokuzen_gunma> |
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