全国木材産業振興大会札幌大会に出席−どんな形でSDGs?(2021/10/22)

10月14日に札幌市で開催された、第55回全国木材産業振興大会に出席しました。

毎年全国で順番に開催される木材業界の大会。(こちらに資料の一部を

昨年はコロナで中止で、東京から地方に行くと嫌われるコロナ渦がすこち落ち着いたので、一年ぶりに東京を離れて地方の大イベントにウェブでなくリアルに出席!!

タイトルは「つくる責任」・「つかう責任」ー木材利用からアプローチするSDGs

このような大会に参加しようかなと思うのは「久しぶりにあの人にあることができるー」、というのが半分なのですが、なにせ、「木材利用からアプロ―チするSDGs」!!なので、真面目に内容をご紹介します。

もちろんビジネスの関係者の集まりですから、私もあなたも儲かってが前提ですが、「世間もよし」の三方よしがSDGsなんではないか?

どんなメッセージなのかな?

<脱炭素社会の実現に資する木材利用の促進!!>

出席者の皆さんへの主催者のメッセージ、全木連鈴木会長のあいさつ(こちらに置いておきます

エッセンスを取り出します。

「私ども全木連では、平成26 年に行った全国森林組合連合会との「‘ウッドファースト社会の実現に向けた共同宣言」以来、「伐って、使って、植えて、育てる」をスローガンに掲げ、森林・林業・木材産業関係団体と力を合わせて、日本の森林を守るための活動に取り組んでまいりました。そうした中、活動の一環として新たな木材需要の拡大に向けて公共建築物等木材利用促進法を改正し、その対象を民間にも広げるなど、国を挙げた木材利用拡大へと展開するための取組を精力的に行ってまいりました。
今般、こうした我々の要望を受け止めていただき「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(通称:都市(まち)の木造化推進法)が制定され、去る10 月1日に施行されました。
この法律は、森林の適正な整備及び木材の自給率の向上に寄与するとともに、脱炭素社会の実現に資することを目的としており、木材の利用促進を図ることによって地球温暖化防止に貢献するとともに、我が国の国家的課題となっている国土強靭化、地方創生の問題解決にも大きな役割を果たすことが期待されています。」・・・

頑張ってください!!

<山元に利益を還元>

そして、国民の皆さんへのメッセージが「大会宣言決議」。左に掲載しました。

木材業界のために頑張ろうというメッセージがたくさんあるのですが・・・

SDGsのポイントは「山元の利益還元!」でしょうか?

素晴らしいですね

「我々木材産業界としては、木材利用の促進により山元に利益を還元するための仕組み作りに率先して取り組むとともに、消費者・ユーザーの協力を得つつ、木材利用を国民運動として展開を図っていくことが重要」

決議2.森林資源の循環利用を実現するため、森林珊境譲与税等も活用し、山元に利益を還元できる体制の構築に森林・林業、建設業界と一体となって取り組む。

結構大変な取り組みだと思います。どんな木材が山元に利益還元するのか、その場限りの伐りっぱなしの木材ではないのか?

山元へのトレーサビリティについて、決議5に「合法伐採木材」という言葉はありますが、しっかり第三者が管理した森林認証からの木材供給など、頑張ってほしいと思います。

<ウッドショックは>

大会が14日にあるので、札幌には13日に入り、何人かの方にアポを取り「ご無沙汰してました」!!。その中の一人に札幌で公共建築物の設計施工管理などをされている建築関係の方も(この大会があるので出たいと思って主催者に聞いてみたけど、会員だけしか入れない仕組みで参加できなかったんだそう)。

「ウッドショックが大変なんだ。」北海道の木で建築を計画しているんだけど、建築会社はその木が手に入らず、やっと集成材でなんとかなった。

北海道の木はカラマツや広葉樹、エゾマツトトマツなどですが、建築材に利用されるのが少なく、製紙原料や梱包材にたくさん利用されてきました。それが建築材に利用されるようになってきたところに、いろんなハードルがあるようです。そこにウッドショック。

値段を見ると、西日本の方が値上がりしていてウッドショックは西の方が問題、と思っていたのですが、値段が高い西の方に北海道から木材が流れて、値上がりしないのに、既存のサプライチェーンが混乱。需要者にとってはウッドショックなんですね。

次の日の大会で、木材業界が果たすべき供給責任が果たされていないというウッドショックがどのように、取り扱われているんだろうか、というのが問題意識になりました。

決議文のや会長あいさつにはないんで、どうなっているのかな、と思っていたら、北海道木連松原会長の歓迎のあいさつの中に!

「木材産業を取り巻く全国的な情勢を概観すると、昨年初頭よりのコロナ禍こおける厳しい経営状況を何とか乗り越えつつありますが、本年年初から顕著になったいわゆるウッドショックによって、さらに大きく揺れ動いている状況下にあることは皆様ご承知のところです」

関係者に聞いてみると、ウッドショックは北海道では大きな話。「北海道の木材を建築材とし安定的に供給できるように、乾燥システムなどを体系的に導入しようとしている。が、本当に安定した需要がどの程度あるのか、結構厳しい見通し。需要者と連携してそのような投資をしていくといった取り組みも重要なんだけど・・・」

ビジネスの話なんでいろいろ難しいことはあるのでしょうが、木材業者以外の方との連携が必要のようなので、関係者誰でも傍聴できるような仕組みが必要ですよね。

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<記念講演 旭山動物園坂東園長>

恒例の記念講演は旭川市立旭山動物園坂東元園長。演題は「伝えるのは命つなぐのは命ー今は未来のために」でした。

1時間半にわたる講演の内容を皆さんにお伝えすることはできませんが(主催者がネット上に紹介するといったことがあればフォローします)・・・上野動物園の次ぐ来場者の動物園がなぜ、旭川にあるの?

動物の姿を見せる形態展示から動物の生活や行動を見せる行動展示、死んだところは見せないから死を大切にする、といった組織のコンセプトをしっかり提示して(そこに至るまでには大変だったんでしょうが)組織作りをするお話がありました。

そして最後の方には、熱帯林をオラウータンから恩返しプロジェクト。パームオイル畑にして、消費者は環境に優しいかもしれないけれど、生産国の動物は大迷惑。「エコの名のもとに」いろんなことが・・・。遠い外国で生産された生物資源でビジネスをする木材事業者への気を付けてくださいねメッセージだったんでしょうね。

たぶんこの内容をネット上で伝えることにはならないようなので、ネット上を探してみました
いのちをつなぐ 未来のために 〜 伝えるのは いのちの輝き 〜 旭川市 旭山動物園 園長 坂 東  元

あまりうまくうまくまとまりませんでしたが、全国大会久しぶりに良い旅だったです

junkan3-24<mokuzen_sapporo>

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