自然と共生する未来に向けてー経団連自然保護協議会2023年度シンポジウム(2024/1/11) |
12月5日都内で開催された経団連自然保護協議会2023年度シンポジウムに出席してみました。 2023年度シンポジウム等を開催しました ビッグビジネスが森林に関心を示してきている昨今、「経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけ」ることを仕事にしている経済団体連合会が、自然保護協議会という団体を構成し、森林に対してどんな情報発信をしようとしているのか? 紹介します。 (シンポジウムプログラムの構成) 1. 開会:経団連自然保護協議会会長西澤敬― (昆明モントリオール生物多様性枠組み議定書にもとづくビジネスの役割) 上記のプログラムでの5番目あたりで紹介されているように、最近、経団連生物多様性宣言・行動指針などが改定され、ネイチャーポジティブ経営の普及に弾みをつけています。 COP15で愛知目標にかわって、合意された昆明モントリオール生物多様性に関する枠組み(以下昆明枠組みといいます)についてはこのサイトでも重要な内容として追いかけてきましたが、あらためて、以下に引用する「昆明枠組みのターゲット15」が重要な役割をはたしていることが解ります ビジネス及 び金融機関への生物多様性関連リスクを減らすとともに、持続可能な生産様式を確保するための行動を推進するために、ビジネスに対し以下の事項を奨励してできるようにしつつ、特 に 大企業や多国籍 企業、金融機関については確実に行わせるために、法律上、行政上、又は政策上の措置を講じる: (ビジネスが森づくりに関わる具体的な事例) 森林のガバナンスと経団連のプロジェクトの関係を具体的に議論する道筋として、配布された以下の具体的事例を示す資料が参考になります。 企業の生物多様性の取組に関するアンケート調査2022年度版付属資料企業の生物多様性への取り組み事例集 上記に掲載されている事例の中で、森林のガバナンスに関係ありそうな、すこし広い陸域の植生を対象としたプロジェクトを紹介します プロジェクトのタイトルと、自社のサイトの関連情報を以下に掲載しますが(うまくリンクが張られていない可能性があります)、事例集に掲載された正確な記述などは、上に掲載した情報か後者は環境省サイトの生物多様性ビジネス貢献プロジェクト企業の取組事例を参考にしてください (J−GBFなどビッグビジネスと森林との関係は)、 右の図はプログラムで環境省の室長が説明した、2030生物多様性枠組実現日本会議J-GBFの全体像 ビジネスフォーラムだけでなく自治体が中心となった地域連携フォーラムなど生物多様性問題を普及させていく枠組みですが事務局は環境省、会長は経団連会長ということで、ビジネスに頑張ってもらって、少しわかりにくい生物多様性問題を取組んでいこうという枠組みですね ご紹介してきた取り組み事例をこれらの枠組みの中で生まれてきた事業です。 (先進事例から見えてくるもの) 事例主の中で、製紙業界のようにお大きな所有林をもっているところは、それを線引きして社有林内の生物多様性保全上重要なエリア把握して保全活動(王子ホールディングズ)など、独自に重要な活動をしていますね。 その他に、工場緑地を管理エリアと自然エリアにわけて、管理をしながら、自然共生サイトの一環にしていくなど(富士通)の取組があります。圧倒的多数は、後者でしょう。 残念ながら、生物多様性というコンセプトに関して、企業が直接管理する対象は面積に制限があります。 それを全体の枠組みにつなげていくには、30by30などの枠組みにもとづいて自然共生サイトにつなげていくなど工夫がいるところです。そんなところで、周辺の天然林との連携など、森林ガバナンスとの連携が大切な要素になってくるでしょう。 企業にとって30by30の仕事は、自社のやっているローカルな素晴らしい活動を、グローバルに発信して世界のESG投資先などにつなげていく大切な仕事なんですね。 是非上記の情報発信を注目してまいりましょう。勉強部屋でもフォローします。 junkan6-15<keidanren>
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