ネイチャーポジティブとは?−森林投資と生物多様性問題(2022/10/1) |
林野庁の森林投資に関する検討会の中間とりまとめについて内容を勉強部屋で紹介すると、ガイドラインの中に、気候変動問題カーボンニュートラルに合わせて投資プロジェクトの生物多様性の確保等への貢献度を評価する仕組みという部分があることが気になりました。 地球サミット合意された気候変動枠組み条約、と生物多様性条約。前者はGHG実質排出量という指標を明確にして、2050年までに実質ゼロにという目標にむけて、企業の活動もそれに向けて進んでいますが、生物多様性はどんな指標が示めされているの?それがネイチャーポジティブというコンセプトなのかな? 環境省のサイトで、ネイチャーポジティブ経済研究会が立ち上がっていて、当日の映像も含めて丁寧な情報開示がされているので、勉強してみました。 (ネイチャーポジティブとは何?) 上の図と次の図は第一回検討会の資料3−2 ネイチャーポジティブ経済研究会の概要が引用しているNature-positive World:The Global Goal for Nature(2021)が元資料。 「ネイチャーポジティブについて、三つの定量目標を掲げる。 現在日本で検討中の次期生物多様性国家戦略(戦略素案)の中にも、以下のような記載があるんだそです。(素案の第三章あたりか) 「ネイチャーポジティブ」とは、「生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せること」とする。「2030年ネイチャーポジティブ」の状態に向けて、人類存続の基盤としての健全な生態系を確保し、生態系による恵みを維持し回復させ、自然資本を守り活かす社会経済活動を広げるために、以下の5つの基本戦略に沿って取り組んでいく。・・・・・ 生物多様性が減っていくリスクをストップして、反転という雰囲気はわかるんですが、GHGに変わる指標はなにかな? (なんで研究会をつくったの?) 資料3-2によると、「カーボンニュートラル(CN)や循環経済(CE)に続く国際的な動きとして、12月に予定されている生物多様性条約第15回第二部締約国会合におてい、ネイチャーポジティブが次期世界目標(ポスト2020生物多様性枠組)で位置づけられる見込み(※G7では既に約束済み)」です。 そして「脱炭素経営に加え、人的資本や経済安全保障、自然資本の経済や経営への組み込み(あるいはサプライチェーンの強靱化)が喫緊の課題となる中、ネイチャーポジティブや自然資本が我が国の経済・社会にどのような影響を及ぼすのか、CNやCEとどの程度重複・関連するのか、その上で我が国の強靱で質の高い経済や社会に繋げていくための方策を官民で検討する場を設置。」したんだそうです。 ということで、今後のスケジュールですが、右の図にあるように、第一回がキックオフ、3段階に分けて、検討をすすめるようですが、ポイントは企業向けの情報発信をすすめるこですね。 TNFDベータ版0.1、0.2-0.4、1とそれぞれの階段ごとに、並行してステップアップしていくTNFDとは何でしょう。 (TNFDとは) 環境問題に関する企業の情報開示システムを開発している機関について、このページでもTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース」)について、紹介したことがありますが。 生物多様性の情報開示システムはTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)というチームができて検討中なんですね。 関連して、左の図は今後左の列の産業セを示したもの。@食料土地海洋の利用、Aインフラ建設、Bエネルギー採取活動の三つの @には持続可能な森林管理への移行という部門があります。 各企業が自社の直接の事業や、取引先の事業の過程で、森林の管理にどのような貢献をしているのか?ということを調査して公表するようになるということですね。 森林の投資へのインセンティブになるのか? 環境省のこの研究会、学会の関係者で実施した、公開シンポNature-positeibeを実現させるにはなど、様々な情報がネット上に掲載されています。 12月に開催される生物多様性条約COP15で重要なコンセンサスがありそう。 今後しっかりフォローしていきますね。 (junkan6-4<NPpos-for> |
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