私が関係している林業経済研究所の70周年を記念する本が、少し遅れましたが、日本林業調査会から発売されました。
森林のルネサンス 先駆者から未来への発信一般財団法人林業経済研究所 編
アマゾンのサイトでは5つ星のカスタマーレビューが着いています。
ーーーーーーーー「この本には、全国の森林・山村・木材関係の現場で頑張っておられる方々のいきいきとした声が詰まっています。ぜひそれを読んで元気になっていただきたい」(序文、p.4)という本書の狙いは、「最初のシンポジウムからは本書の発行の時点で6年半の時間が経って」いるにもかかわらず、全く色あせていない。
本書に登場する「いきいきと頑張って」おられる方々はさまざまだが、狭義の「経済」ではない価値観を超えて「今そこにある循環する大切な資源、財産を未来に『幸せ』という形になるように、私たちが手を取り合い、最新の技術を使い、愛を持ってデザインすること」(p.211)を目指しているように思われる。
研究者の冷静な分析が、こうした人びとの情熱に裏付けを与えており、経済と文化のマリアージュのあり方を、優しい言葉で、多面的に見せてくれる好著。忙しい人は、各章の「パネルディスカッション」をまず読んで、面白そうな論者の報告部分をじっくり読む、という読み方もできる。ーーーー
すこしほめすぎ?
目次
第1章 広葉樹ルネサンスで、 むら・まちを活かす 9 第1報告 総論 広葉樹ルネサンスとは 土屋俊幸 11 第2報告 広葉樹材の利用を巡る状況 天野智将 18 第3報告 新たな森林資源 田島克己 23 第4報告 里山広葉樹活用プロジェクト 中澤健一 28 第5報告 アメリカ広葉樹の有効利用 辻隆洋 35 パネルディスカッション 座長・野口俊邦 41
第2章 “里エネ”ルネサンス─活かそう地域のエネルギー─ 47 第1報告 里エネ利用のルネサンス 安村直樹 49 第2報告 これからの日本のエネルギー 河野太郎 56 第3報告 熱利用が唯一最大の課題である 小池浩一郎 57 第4報告 葛巻町森林組合の挑戦 竹川高行 63 第5報告 身近な森林を身近なエネルギーに 木平英一 63 第6報告 再生可能エネルギー電力固定価格買取制度(FIT)が森林経営に及ぼす影響 泊みゆき 75 パネルディスカッション 座長・満田夏花 80
第3章 国産材ルネサンス!─創る・繋ぐ・調える 森と木のビジネス─ 89 第1報告 国産材の振興に向けた課題 武田八郎 91 第2報告 国産材製材と今後の山林活用 東泉清寿 99 第3報告 川下から川上へ……。その魅力の伝え方 安成信次 103 第4報告 国産材の需要と供給を繋ぐ仕事 川畑理子 112 パネルディスカッション 座長・藤掛一郎 119
第4章 森林と食のルネサンス─創る・楽しむ・活かす 新たな山の業─ 127 第1報告 特用林産と森林社会 齋藤暖生 129 第2報告 ニホンミツバチの蜜の再生産と森林資源 村井保 137 第3報告 獣害対策と食文化の復興 石崎英治 141 第4報告 過疎・高齢社会と食起業 加藤トキ子 145 第5報告 FSC森林認証の森の恵み 矢房孝広 148 パネルディスカッション 座長・関岡東生 151
第5章 Wood Job ルネサンスへの道─若者を山村、林業へ─ 159 第1報告 山村で「働くこと」の意味 奥山洋一郎 161 第2報告 西粟倉村百年の森林構想と起業家的人材の発掘・育成 牧大介 170 第3報告 山と繋がる暮らしを目指して 金井久美子 177 第4報告 Wood Job 3年目の現場経験から 齋藤朱里 184 パネルディスカッション 座長・興梠克久 192
第6章 子どもと森のルネサンス─育てよう 地域の宝もの─ 201 第1報告 都市と地域と子どもを繋ぐデザイン 若杉浩一 203 第2報告 体験から学ぶ森と川のプログラム 井倉洋二 212 第3報告 北海道の森の恵みを都会の子どもに 高橋直樹 219 第4報告 保育園児への自然労作保育 福田珠子 226 第5報告 人生の門出を木のおもちゃとともに! 馬場清 234 パネルディスカッション 座長・山本信次 241
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