「企業に広がる都市の木づかいとウッドマイルズ(2015/11/24)

循環社会の主役の再生可能な木材利用の拡大という課題を、どんなプレーヤーが担っていくのか。

住宅に加えて、大規模建築への木材利用を視野に入れた場合、公共建築物の建設の企画建設の主体である国・地方自治体とともに、企業のビジネスの中での社屋・工場・店舗の木材利用、自社の商品展開の中での木材利用がどのようにすすで行くかは重要なポイントとなります。

そのようなタイミングで、日経BP社から、標記の本「企業に広がる都市の木づかい」が発刊されました。

 目次
  • 都市と森、地域をつなぐために企業が取り組む「木づかい」のススメ
  • 巻頭ビジュアル
  • 事例の見方

OFFICE オフィスの木づかい
COMMERCIAL 商業施設の木づかい
COMMUNITY コミュニティ施設の木づかい

【解説】都市と森をつなぐ「木づかい」の動向と知識

  • 国産材利用の多彩な効用
  • 国産材利用の推進の機運
  • 建物の「木質化」の広がり
  • 建物の「木造化」の広がり
  • 自治体による国産材利用の支援
  • 「林業復活・地域創生を推進する国民会議」の活動

オフィス、商業施設、コミュニティ施設に三つのカテゴリで50近い木材利用の実例が、写真解説で紹介され、魅力的解説書になっています。

地方自治体が自分の地域の県産材・地域材利用を進めるのは、単純な論理ですが、グローバルマーケットを視野に入れた企業が、他方で国産材利用にどんな切り口で迫るのか。

解説が気になるところです。

すこし、長文になりますが、引用します。

■建物の環境評価でも国産材利用は有利に

まだ広く認知されていないが、国産材からつくる伐採木材製品(H WP = H arvested W oodProducts) の活用は「炭素固定」としてカウントし、各国のC02排出削減量に計上できる。2011年に南アフリカ・ターバンで開かれた第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17) で、新たに認められたものだ。それまで木材中の炭素は、木材が伐採・搬出された時点で大気中に排出されるものとみなされていたが、現在は国産の伐採木材製品を使うメリットが、国際的なルールのなかで位置付けられている。

木材を運搬するのに消費するエネルギーという環境負荷の点でも、岡産材の利用は大きなメリットがある。今、日本の木材自給率は3割弱で、多くを輸入材に頼っている。しかし、船で海を渡ってくる運搬の際に、多くの化石燃料を消費し、C02を排出してい木材の輸送に伴う環境負荷を示す指標に「ウッドマイレージ」がある。木材の「輸送量」と「輸送距離」との掛け算ではじき出し、輸入が多い国ほど高く、少ない国ほど低い。輸入の多い日本のウッドマイレージは、米国などよりもはるかに大きく、環境に負荷をかけているのが現状だ(図1・6)。

海外では、建物などの環境性能を評価する際、地域の資源の使用は有利にカウントされる。そのため、建物のクライアントやオナー、あるいは設計者の間に、自国の木材を積極的に選ぶ下地が整っている。日本でも同様に、こうした指標を使って国産材利用を進める余地がある。
以上です

企業の木材利用の新たな動向に、ウッドマイルズが力を発揮できるか注目されます。

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