ウッドマイルズ運動の今後の方向(2015/7/26)

7月23日一般社団法人ウッドマイルズフォーラム総会ワークショップが開かれました。

ウッドマイルズワークショップ2015

ウッドマイルズ研究会の13年にわたる活動を引き継いで昨年方針化してウッドマイルズフォーラムとなって一周年のイベントでした。

国内では市場での国産材のシェアが高まり、日合連国産材製材協会の会員企業など規模の大きな国産材製品を製造するビジネスが市場で存在感を示すようになってきています。

「木材製品のサプライチェーンの輸送過程の環境負荷を見える化して国産材や地域材をアピーるするツールに」というのは、ウッドマイルズ運動の原点ですが、始めの時期に比べて、国産材や地域材を売り物にする企業が格段に多くなっており、ウッドマイルズを使った製品のPRのニーズは広がっています。

上記の絵は、ワークショップで発言された国産材製材協会会長企業であるK木材が、同社の製品が東京のDIYショップの店頭で売られることを念頭において、サプライチェーンを分析した結果を示したものです。

一立方メートルのK木材製製材を購入すると、欧州材の場合と比べるとガソリン55リットル分の二酸化炭素が輸送過程だけで節約できる、というわけです。

(13年間の歴史を踏まえて)

ただ、今回のワークショップではウッドマイルズ運動の結構厳しい現実を踏まえたものでもありました。

始めは、「見える化」の珍しさもあって、地球環境基金や科研費、森林総研のプロジェクトなど活動の展開・資金調達が多彩でしたが、その後、カーボンフットプリント、LCAなどのより幅の広い環境負荷の「見える化」の展開が進み、より幅広い情報提供が必要になってきました。

そのような中で、木材調達チェックブックなど次につながる蓄積はできてきましたが、それを生かして展開する十分な組織的・運動論的な基盤が整っていない状況にあることなどが、上の表のように示されました。

(今後の運動のあり方)

@木材利用の拡大の流れ、A見える化研究運動の展開、B地域の木材で住宅運動の一定の広がり、C国産材ビジネスの拡大・確立、D木材のグリーン化を求める声の拡大など、フォーラムをめぐる状況は、13年前とは大きく変わっています。

もう一歩知恵をしぼった情報発信が必要になっているといえるでしょうが、当初に紹介したように、基本的には追い風といえるでしょう。

@建築関係者に木と環境にまつわる情報の幅広い発信、A家づくり・木材製品の家づくり・木材製品のウッドマイルズPRの新たな展開、Bサプライチェーンのグリーン化の担い手の支援、そんな分野の取り組んでいくこととなります。

今後ともよろしくお願いします。

energy2-68<2015WMWS>